2018-05-29

日本経済研究センター特集〕笑う北朝鮮 経済 市場公認で計画経済やりくり=李燦雨



日本経済研究センター JCER




〔特集〕笑う北朝鮮 経済 市場公認で計画経済やりくり=李燦雨
エコノミスト 第95巻 第15号 通巻4496号 2017.4.11
この記事の情報掲載誌 エコノミスト 第95巻 第15号 通巻4496号(2017.4.11)
ページ数 2ページ (全3133字)
形式 PDFファイル形式 (384kb)
雑誌掲載位置 80〜81頁目



 北朝鮮社会科学院経済研究所の李基成(リギソン)教授によれば、同国の1人当たり国内総生産(GDP)は2013年に1013ドル(約12万8000北朝鮮ウォン〈KPW〉)、14年に1053ドル(約13万3000KPW)だったという。国連は14年に700ドル(約8万8000KPW)、韓国の民間シンクタンク、韓国現代経済研究院は15年に1013ドルだったと推定する。 いずれも極めて低い水準だ。国際通貨基金…

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JCER 中国・アジアウォッチ
北朝鮮と東南アジア(中)
つまずいた北朝鮮の「南南協力」戦略-事件でマレーシアとの関係にしこり


2017年4月6日発表





李燦雨・特任研究員、 伊集院敦・首席研究員
概要


北朝鮮の金正男氏がマレーシアで殺害された事件で、両国政府は遺体を北朝鮮に引き渡すことなどで合意、北朝鮮に足止めされていたマレーシア国民も帰国した。これにより、世界の注目を集め、両国の非難合戦に発展した事件の真相解明は事実上、困難になったと見られている。外交関係上は交渉のヤマ場を越えた格好だが、事件は両国関係に大きなしこりを残す結果となった。金正恩政権はマレーシアを経済・技術協力の重要拠点と位置づけていただけに、対外戦略上も大きな打撃となる。



【ポイント】

①北朝鮮にとってマレーシアは発展途上国同士の経済・技術協力である「南南協力」の戦略上、重要なパートナー国だった。政権交代期は取引が低迷したが、金正恩政権2年目の13年から貿易が徐々に回復してきていた。




②北朝鮮国籍者へのノービザ渡航を認めていたマレーシアは北朝鮮にとって、単なる貿易相手ではなかった。外貨獲得のための労務輸出などが行われていたほか、非合法の工作を含め多角的な活動が展開されていた。




③両国は外交交渉を通じて一応の合意に達したが、ビザなし渡航を再開し、以前のような関係を取り戻すのは容易ではなさそうだ。事件によって北朝鮮が受けたダメージは大きい。


中国アジアウオッチ)北朝鮮と東南アジア(中)20170406

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関連リポート


好評の「北朝鮮と東南アジア」シリーズ

(上)「揺れる「非同盟」の外交と経済関係-「南南協力」掲げるも制裁で貿易減少へ」(李燦雨、3月6日)

(中)「つまずいた北朝鮮の「南南協力」戦略-事件でマレーシアとの関係にしこり」(李燦雨、伊集院敦、4月6日)

(下)「制裁の実効性に影響するASEAN諸国の対応――核・ミサイル問題重視も、関係は維持」(李燦雨、伊集院敦、9月5日)




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「米新政権とアジア」シリーズ

第1回「「米国第一」でアジア重視路線を見直し-転機の同盟関係、通商政策は迷走も」(伊集院敦、11月10日)

第2回「トランプ氏の中国政策、にじむ「経済最優先」-通商に力点、戦略対応は米ロ関係も変数に」(伊集院敦、11月16日)

第3回「対北朝鮮、圧力強化で中国にもプレッシャー-軍事オプション、直接対話も排除せず」(伊集院敦、11月25日)

第4回「インタビュー:関係発展へ日米同盟の「再発明」を~ケント・カルダー米ライシャワーセンター所長」(伊集院敦、12月8日)

第5回「インタビュー:米韓の戦時統制権問題への波及懸念~康仁徳・元韓国統一相」(伊集院敦、12月19日)

第6回「インタビュー:米ロ改善は日ロ関係にもプラス~アンドレイ・ベロフ福井県立大学教授」(伊集院敦、17年1月4日)

第7回「インタビュー:米中は経済・安保両面で摩擦が増大 ~姜龍範・天津外国語大学教授」(伊集院敦、17年1月16日)

第8回「インタビュー:トランプ政権で朝鮮半島は緊張激化 ~ヤンC・キム米ジョージ・ワシントン大名誉教授」(伊集院敦、17年1月23日)

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