2019-10-02

麦酒とテポドン / 文 聖姫【著】《ムン/ソンヒ》



麦酒とテポドン / 文 聖姫【著】《ムン/ソンヒ》 - 紀伊國屋書店ウェブストア




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電子版価格 ¥726


平凡社新書
麦酒(ビール)とテポドン―経済から読み解く北朝鮮

文 聖姫【著】《ムン/ソンヒ》

価格 ¥924(本体¥840)
平凡社(2018/12発売)
ポイント 8pt


サイズ 新書判/ページ数 256p/高さ 18cm
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内容説明

市場経済への移行が起こり得ないケースとして、北朝鮮を挙げるむきがある。果たして本当にそうか。朝鮮新報記者、研究者としてたびたび訪朝し、農民市場や工場・企業の調査、市民からの聞き取りなどを行ってきた著者が描く、リアルな北朝鮮。押し寄せる市場経済化の中で何が起きているか。「大同江ビール」は改革・開放の象徴になるか。文在寅政権下の韓国との経済協力は進展するか。
目次

第1章 市場経済化の波は止められない
第2章 経済から読み解く金正恩体制のゆくえ
第3章 北朝鮮の人々
第4章 大同江ビールと改革・開放
第5章 ブラックアウト、消えた電力
第6章 南北経済協力と文在寅政権
第7章 核開発とミサイル
著者等紹介

文聖姫[ムンソンヒ]
1961年生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科韓国朝鮮文化研究専攻博士課程修了。博士(文学)。専門は北朝鮮の政治・経済と市民社会。朝鮮新報記者を経て現在は「週刊金曜日」編集部在籍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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出版社内容情報

もはや厳格な社会主義計画経済ではなく、経済の市場化が止まらない北朝鮮。農民市場や工場などの実態を通して等身大の姿を描くルポ。《概要》
市場経済への移行が起こり得ないケースとして、北朝鮮を挙げるむきがある。果たして本当にそうか。朝鮮新報記者、研究者としてたびたび訪朝し、農民市場や工場・企業の調査、市民からの聞き取りなどを行ってきた著者が描く、リアルな北朝鮮。
押し寄せる市場経済化の中で何が起きているか。
「大同江ビール」は改革・開放の象徴になるか。文在寅政権下の韓国との経済協力は進展するか。

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プロローグ
期待が絶望へ/二度の平壌特派員/平壌郊外に設けられた総合市場/記者から研究者へ

第一章 市場経済化の波は止められない
値引き交渉も/危機から生まれた経済改革/改革後退と「デノミ」の失敗
もう供給には頼らない/なくならない“必要悪”/バッタ市場からダニ市場に
動かない列車と“にわか市場”/「本当にコチェビ?」/インジョコギとイタリアン
地方で外食してみた/国定価格と市場価格

第二章 経済から読み解く金正恩体制のゆくえ
新興富裕層の台頭/一般市民に必要な路上商店/中国製品を追い出したいが
現場に経営権を委譲/金正恩は改革派?/進む農業改革/社会主義農業政策の崩壊
経済協力のパートナーは韓国から中国へ/経済特区は二四カ所もあるが……
労働力は貴重な外貨獲得手段/「冬季漁獲戦闘」と漂流船

第三章 北朝鮮の人々
取材の成否を握る案内員/運転手と案内員の壁/移動の自由
社会の変化表す女性のファッション/北朝鮮の人たちも「タイタニック」を見た
腕を組むカップルが増える/当局も黙認する副業/北朝鮮で最も有名なアナウンサー
間食として配給されるロッテのチョコパイ/学者はつらいよ/中国の改革・開放政策から学ぶ?

第四章 大同江ビールと改革・開放
ビールは南より北/スピード普及の背景にビアホール/平壌ホテルでカクテルを飲む
北朝鮮にも爆弾酒?/夏恒例になるか、ビールの祭典/缶ビールも登場、輸出を目指すが
幻に終わった米国への輸出/改革・開放のシンボルとなるか

第五章 ブラックアウト、消えた電力
消えた(?)北朝鮮/七〇年前、北朝鮮は韓国に電力を送っていた
国章に描かれた水力発電所/極秘資料から見えてくるもの/なぜ軽水炉を望んだのか
慢性的電力不足の“助っ人”/平壌専用の熙川発電所
中国は本当に石油輸出を中止したのか

第六章 南北経済協力と文在寅政権
七〇年代に逆転した南北の経済関係/きっかけは水害支援/二つの首脳会談と経済協力
金剛山観光と開城工業団地/保守政権下で後退/新「ベルリン宣言」
経済協力復活なるか?/鉄道・道路の連結が改革・開放へつながるか?
一五万平壌市民の前で演説した文大統領

第七章 核開発とミサイル
中国、最初の核実験/マッカーサーと核兵器/核とミサイルにこだわる理由
核開発は経済のため?/進化した核・ミサイル能力/映画にもなった「核実験」
非核化は実現するか?/史上初の米朝首脳会談/北朝鮮の本気度

あとがき
北朝鮮関連年表
参考文献


文 聖姫[ムン ソンヒ]
著・文・その他



4件のカスタマーレビュー


2019年4月6日
形式: 新書Amazonで購入
ベールに包まれている北朝鮮の国内事情が少しわかった気がした。
多くの人達に読んでほしい。北朝鮮を理解する一助になる。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2019年4月19日
形式: 新書Amazonで購入
報道だけではわからない。違う北朝鮮が見れて、よかったです。
ベスト500レビュアー
2019年1月15日
形式: 新書
 著者の文聖姫氏は、在日コリアン二世、朝鮮新報の記者として、平壌特派記者として2度訪朝、
 さらに退職した後は、大学の研究のためたびたび訪朝しています。
 本書は、その時に体験したこと、見聞した事柄を中心に、
 北朝鮮を経済の視点からとらえたものになっています。
 全体は、全7章に分かれていますが、第1章~第4章が、著者の体験、見聞談になっていて、

 興味深い内容になっています。食糧危機などで、政府統制経済から徐々に市場経済に移行しているようですが、
 そのため物価が高くなり、到底給料では食っていけず、そのため副業も黙認されているようです。
 しかも貧富の差が激しく、お金のある人は、外国製品を購入し、ビールも飲める、
 そして、この大同江ビール、英国の設備を導入しているので結構うまいのだそうです。
 第5章~第7章は、戦後の北朝鮮の歴史のおさらいのような感じです。
 北朝鮮は、韓国の政権が、右か左かによって大きく変化し、現在は、文政権なので親韓的ですが、
 政権が右寄りになればどうなるのだろうかな、と考えてしまいます。
 そして、米国と北朝鮮、この交渉の行方は???
 しかし、北朝鮮が、ビールを輸出できるようになればいいんですけど!!
5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2019年5月4日
形式: 新書
著者は元朝鮮新報記者で、平壌特派員として長期滞在も1996年と2003年の経験している。その後東大の韓国朝鮮文化研究科で博士を取得し、現在はジャーナリスト。
本編は筆者の博士論文を基にして、特派員時代の経験も活用して北朝鮮経済について詳述している。一章と二章は市場経済化の趨勢と、経済政策について。三章は取材や研究で接触した北朝鮮の人々のリアルな生きざまについて。四章は韓国のビールより美味と評価されている大同江ビールについて、五章は電力事情、六章が韓国との南北経済協力、七章が米朝首脳会談までの核問題について。
タイトルでは大同江ビールとテポドンのケーススタディ中心かと思ったが、そうではなくかなりしっかりした北朝鮮経済である。市場の概要から個別の商品の価格まで詳細に書いてあるほか、特派員としての取材や博士課程での研究時の案内人や運転手とのやり取りなど、著者しか書けない内容も豊富。また、文章も読みやすい。
イデオロギー関係なくお勧めできる良書である。なお、噂では博士論文や本が結構センシティブな内容を書いてしまったとみなされ、北朝鮮当局からブラックリストに入れられてしまったらしい。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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