横田めぐみさんが北朝鮮に拉致されてから40年となり、記者会見する母の早紀江さん(左)と父の滋さん=川崎市川崎区で2017年11月15日午前10時56分、宮間俊樹撮影
 横田めぐみさん(行方不明時13歳)が新潟市内で北朝鮮に拉致された事件は、15日で40年を迎えた。めぐみさんの父滋さん(85)と母早紀江さん(81)が同日午前、川崎市内で記者会見し、早紀江さんは「近くの国にいるのにどうして助けてあげられないんだろうという思いが強い」と苦しい胸の内を語った。
 めぐみさんが行方不明になった40年前の心境について、早紀江さんは「思い出したくないこと」と切り出し、「何が起きたか分からない状況の中で、『めぐみちゃん』と叫びながら、写真を持ってありとあらゆるところを捜してきた」と振り返った。
 夫妻は警察に届けるなどしたが、北朝鮮による拉致疑惑が1997年に浮上するまでは全く行方が分からず、「塗炭(とたん)の苦しみ」だったという。その後の20年は苦しみながらも「(拉致問題の解決のために)心ある方たちのご支援を頂いた」と感謝したうえで、「めぐみちゃんを帰してほしいだけなんです」と訴えた。
 事件から40年の歳月が流れ、横田さん夫妻は80代となった。早紀江さんは「元気なうちに『めぐみちゃん』と言ってあげたい」と改めて早期の救出を求めた。【内橋寿明、太田圭介】