2018-05-12

主体思想 - Wikipedia

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批評・批判[編集]



ブライアン・レイノルズ・マイヤーズ英語版)などの人権監視組織や政治アナリストは、北朝鮮の実情は「主体思想」との類似性が無いと継続的に報告している[22]。北朝鮮の経済は、社会主義国間の貿易ブロックが崩壊する前も後も海外からの輸入や支援に深く依存しており、また人々は実際には意思決定を重視されていない。

主体思想の理論家である黄長燁は、韓国への亡命後の書籍『金正日への宣戦布告』などで、本来の主体思想はマルクス・レーニン主義の適用だが、独裁や個人崇拝に利用されていると批判した[23]

論理学者の Thomas J. Belke による1999年の著作『Juche: A Christian Study of North Korea's State Religion』や、政治学者の Han S. Park による2002年の著作『Juche: The Politics of Unconventional Wisdom』は、いずれも主体思想は政治的宗教英語版)に関連していると記した[24]。また Myers は、毛沢東に関する政治的理論と比較して、主体思想は金日成への賞賛のための単なる欺瞞となっているとした[22]

中国の映画監督の胡戈中国語版)は、主体思想を風刺した[25]

2001年に、内藤陽介は、著書『北朝鮮事典』の主体思想の項目[26]において、日成の死後、当時、思想担当の責任者であった正日が主体思想を宗教思想へとつくりかえたとした。正日は、主体思想を宗教思想として整備する上で、社会政治的生命体論に基づき、首領を脳髄、党を神経とし、人民を手足とする三位一体の有機体国家論(革命的首領観)を提唱した。この有機体国家論の整備をもって、主体思想は存在論を備えた宗教思想[27]としての一応の完成をみたとした[28]

2007年デイリーNKの報道では、アメリカ宗教情報統計サイト『アドヘレンツ・ドットコム』[29]は、主体思想を「宗教」と規定し、その追従者は1900万人(当時の数値。現在は2300万人に修正)を数え、信者数世界第10位の宗教であると発表した[30]。アドヘレンツ・ドットコムの発表は、その多くをThomas J. Belke著、『Juche - A Christian Study of North Korea's State Religion』に準拠している[31][32]

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