「裏合意」で不当性が強まった「日韓慰安婦合意」 - アリの一言
「裏合意」で不当性が強まった「日韓慰安婦合意」
2017年12月28日 | 安倍政権と歴史認識

日本軍による戦時性奴隷(「慰安婦」)をめぐる「日韓合意」(2015年12月28日)についての韓国の検証結果が27日発表されました。
この中で見過ごすことができないのは、「合意には非公開部分が存在する」(検証チームによる「報告書要旨」28日付共同配信)ことが暴露されたことです。両国の「国民」には秘密の「非公開合意」すなわち”裏合意”があったというのです。
しかも、日本(日本国民)にとってとりわけ重大なのは、「こうした方式(非公開ー引用者)は日本の希望により高官協議で決定された」(「報告書の要旨」)ということです。
日本政府=安倍政権が裏合意で要求したのは、次の3点です。
- 「検証チームの報告書によると…記者会見で発表した合意内容のほかに『非公開の合意』があった。日本政府は韓国政府に対し、ソウルの日本大使館前に慰安婦問題を象徴する少女像を建てた『韓国挺身隊問題対策協議会』(挺対協)など支援団体の説得▷第三国での慰安婦関連の像や碑の設置を支援しない▷今後『性奴隷』という表現を使わないーーの3点を要求。韓国側が消極的ながらもおおむね応じた」(28日付朝日新聞)
- そもそも「国民」には秘密の裏合意を申し出ること自体、主権者を無視した安倍政権の強権的姿勢を示すものです。
- しかもその内容が重大です。
- 挺対協など「支援団体の説得」も、「像や碑の設置を支援しない」も、「「性奴隷」という表現を使わない」も、いずれも戦時性奴隷という「慰安婦」の実態を隠ぺいするだけでなく、言論・表現の自由、集会・結社の自由を侵害するものです。しかもそれを他国に事実上強要するのですから、内政干渉と言わねばなりません。二重三重に言語道断です。
- 裏合意で名指しされた挺対協の尹美香・共同代表が27日、韓国外務省庁舎前で記者会見し、「裏合意が判明し、しかも私たちの行動を制限するものだった」(28日付共同配信)と怒り、「政府は即刻合意を破棄し、日本からの10億円を返還すべきだ」(同)と訴えたのは当然でしょう。
「日韓合意」はもともと、当事者の被害女性や支援団体の意見をまったく聞かないうえ、日本の法的犯罪性、加害責任、賠償責任に背を向けたきわめて不当なものです。
しかも、「合意は、日米韓軍事同盟を強化するために日本の戦争犯罪に免罪符を与える措置」(「日韓日本軍『慰安婦』合意無効化と正義の解決のための全国行動」記者会見文ー2016年12月27日)という政治的意味を持っています。
これに加えて今回明らかになった裏合意。「日韓合意」の不当性は明々白々であり、直ちに廃棄されなければなりません。
日本のメディアは今回の「報告書」について、「前政権批判」「ガス抜き」などと韓国内部の問題と報じていますが、こうした日本の報道がこの問題に対する「日本国民」の無関心・無責任を助長しているのは明らかです。
これは韓国(だけ)の問題ではありません。日本が、「日本国民」が問われている問題です。
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