2018-01-09

「軍艦島」地獄の強制労働を隠ぺいする安倍政権 - アリの一言



「軍艦島」地獄の強制労働を隠ぺいする安倍政権 - アリの一言




「軍艦島」地獄の強制労働を隠ぺいする安倍政権
2017年12月09日 | 安倍政権と歴史認識


     

 「軍艦島の強制労働否定 徴用工巡り 政府、証言公開へ」(8日付沖縄タイムス)

 8日付の地方紙がほぼ同様の見出しで報じた記事(共同配信)。またか、の思いとともに、怒りがこみあげてきます。

 「政府は、世界文化遺産の端島(通称・軍艦島、長崎市)の炭鉱で戦時徴用された朝鮮半島出身者に関し、過酷な強制労働の実態はなかったとする元島民の証言を公開する方向で検討に入った。2019年までに世界遺産の紹介施設を東京都内に開設し、開示したい考え」(8日付共同配信)

 帝国日本が植民地支配していた朝鮮から多くの朝鮮人が強制連行され、軍艦島(写真左)で地獄の強制労働の犠牲になったことは、紛れもない歴史的事実です。それを「朝鮮人もみんな友達だった」などの「証言」によって否定(ないし相殺)しようとする。南京大虐殺をはじめ、政府・自民党が侵略・植民地支配の歴史を隠ぺいする常とう手段です。

 安倍政権のこの動きを、いちはやく予測し、警告を発していたグループがあります。世界遺産登録(2015年7月)の段階から安倍政権を監視している日本と韓国の共同市民グループです(日本=強制動員真相究明ネットワークなど、韓国=民族問題研究所など)。

 同グループは今年7月、「強制労働の現場にしみ込んだ被害者の血と汗、涙の歴史を記録せよ」と題した「共同声明」を発表しました。その中でこう指摘しています。

 「強制労働の実態がきちんと『インフォメーションセンター』(日本政府が設置を約束した紹介施設ー引用者)に反映されるのか、非常に懐疑的である。…今回の日本政府の調査においては、強制労働と捕虜労働などの影と『犠牲者を記憶』するための歴史的事実がきちんと取り上げられなければならない」

 「声明」は「懐疑的」にならざるをえない理由として、世界遺産登録当時から安倍政権の閣僚や右翼から「強制労働はなかった」の声が上がったり、安倍首相自身が「わずか50年あまりで産業化をなし遂げた日本」などと“日本スゴイ”を吹聴していたことを挙げています。

 「声明」の不安は的中しました。
 安倍首相の”日本スゴイ”はその後、「世界の中心で輝く日本」(2016年1月22日の施政方針演説)となり、「北朝鮮には対話でなく圧力」(2017年9月20日の国連演説)へとつながっていきました。
 そしてさらにそれは、来年の「明治維新150年キャンペーン」へ連動しようとしています。

 言うまでもなく、この問題は「日韓の外交問題」(だけ)ではありません。日本の私たちが、帝国日本の侵略・植民地支配の歴史に正面から向き合うことができるのかどうか、そして安倍首相の偏狭ナショナリズム・大国主義と対峙することができるのかどうかの問題です。まさに今を生きる日本人自身の問題です。

 「声明」を発表したグループは先月、『「明治日本の産業革命遺産」と強制労働』と題した「世界遺産ガイドブック」を発行しました。その中から、14歳で軍艦島に強制連行された崔璋燮さんの話を紹介し、あらためて強制労働の歴史を共有したいと思います。

 <端島がどんなところか説明もなく、ただ良いところだと騙して、あの手この手で逃亡を防がれ、連行されました。崔さんは、9階の建物の地下に入れられ、原田隊の第2中隊に属し、採炭現場での労働を強いられました。逃走して捕まったものはゴムのチューブで皮膚が剥がれるほど叩かれ、拷問されました。抵抗の余地はなく、刑務所に閉じ込められているのと同じでした。
 「人間の地獄がここだなあと思った」といいます。>

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