
安倍首相が17日、所信表明演説を行いました。野党やメディアは「時間の短さ」を問題にしていますが、そんなところに目を奪われてはなりません。肝心なのは中身です。
総選挙の「大勝」、トランプ米大統領の訪日を受けて行われた今回の所信表明には、極めて重大な内容が含まれています。
開口一番、「緊迫する北朝鮮情勢…」で始まった所信表明の最大の特徴は、あらためて「北朝鮮の挑発・脅威」論を前面に出したことですが、同時に、安倍政権がそれで何を狙っているのかが浮き彫りになりました。注目すべきは次のくだりです。
「北朝鮮による挑発がエスカレートする中にあって、あらゆる事態に備え、強固な日米同盟の下、具体的行動を取っていく。ミサイル防衛体制をはじめとするわが国防衛力を強化し…」
思い起こされるのは、安倍氏との共同記者会見におけるトランプ氏の発言です。
「首相は大量の(米国製)軍事装備を購入するようになるだろう。そうすれば、ミサイルを上空で撃ち落とせるようになる」(6日)
「北朝鮮の挑発・脅威」論は、アメリカ製の兵器の売り込み・購入による大軍拡のための口実であることは明白です。
それは日本の財界の要望・言い分でもあります。
「日本をとりまく安全保障環境は、北朝鮮のミサイル発射、核実験などの挑発的行為等、厳しさを増している。…日本の安全保障環境に照らし合わせ、必要な防衛力、防衛体制の整備の観点から、防衛費のさらなる増強について、大局観を持った冷静な議論がなされることを期待する」(関西経済同友会「新政権に望む」2017・11・6)
重要なのは、安倍・トランプ政権が狙う大軍拡は、たんに軍事費の量的膨張にとどまらず、重大な質的転換をもたらそうとしていることです。
トランプ氏が共同会見で公言した「ミサイルを上空で撃ち落とせるようになる」発言、それに呼応するように安倍氏が所信表明で強調した「ミサイル防衛体制」。これはいったい何を意味しているでしょうか。
「トランプ氏は北朝鮮の弾道ミサイルに対する米国の迎撃技術も積極的にアピールした。自民党内には、北朝鮮ミサイルへの対処策として発射直前に拠点を壊滅させる「敵基地攻撃能力」の保有論がくすぶる。トランプ氏の要求を背景に、こうした声が勢いづく可能性もある」(7日付中国新聞=共同配信)
「ミサイル(ロケット)」が発射されてもいないのに、日本が北朝鮮を攻撃する。そんな恐るべきシナリオが、トランプ氏の要求を背景に、現実のものとなる可能性が強まるだろうというのです。安倍氏が言う「具体的な行動」とはこのことなのか。
まさに日本は、アメリカの目下の同盟国として戦争をする国になり下がってしまいます。
安倍氏やトランプ氏がふりまく「北朝鮮の挑発・脅威」論の先には、こんなおぞましいシナリオがあることを見逃すことはできません。
総選挙の「大勝」、トランプ米大統領の訪日を受けて行われた今回の所信表明には、極めて重大な内容が含まれています。
開口一番、「緊迫する北朝鮮情勢…」で始まった所信表明の最大の特徴は、あらためて「北朝鮮の挑発・脅威」論を前面に出したことですが、同時に、安倍政権がそれで何を狙っているのかが浮き彫りになりました。注目すべきは次のくだりです。
「北朝鮮による挑発がエスカレートする中にあって、あらゆる事態に備え、強固な日米同盟の下、具体的行動を取っていく。ミサイル防衛体制をはじめとするわが国防衛力を強化し…」
思い起こされるのは、安倍氏との共同記者会見におけるトランプ氏の発言です。
「首相は大量の(米国製)軍事装備を購入するようになるだろう。そうすれば、ミサイルを上空で撃ち落とせるようになる」(6日)
「北朝鮮の挑発・脅威」論は、アメリカ製の兵器の売り込み・購入による大軍拡のための口実であることは明白です。
それは日本の財界の要望・言い分でもあります。
「日本をとりまく安全保障環境は、北朝鮮のミサイル発射、核実験などの挑発的行為等、厳しさを増している。…日本の安全保障環境に照らし合わせ、必要な防衛力、防衛体制の整備の観点から、防衛費のさらなる増強について、大局観を持った冷静な議論がなされることを期待する」(関西経済同友会「新政権に望む」2017・11・6)
重要なのは、安倍・トランプ政権が狙う大軍拡は、たんに軍事費の量的膨張にとどまらず、重大な質的転換をもたらそうとしていることです。
トランプ氏が共同会見で公言した「ミサイルを上空で撃ち落とせるようになる」発言、それに呼応するように安倍氏が所信表明で強調した「ミサイル防衛体制」。これはいったい何を意味しているでしょうか。
「トランプ氏は北朝鮮の弾道ミサイルに対する米国の迎撃技術も積極的にアピールした。自民党内には、北朝鮮ミサイルへの対処策として発射直前に拠点を壊滅させる「敵基地攻撃能力」の保有論がくすぶる。トランプ氏の要求を背景に、こうした声が勢いづく可能性もある」(7日付中国新聞=共同配信)
「ミサイル(ロケット)」が発射されてもいないのに、日本が北朝鮮を攻撃する。そんな恐るべきシナリオが、トランプ氏の要求を背景に、現実のものとなる可能性が強まるだろうというのです。安倍氏が言う「具体的な行動」とはこのことなのか。
まさに日本は、アメリカの目下の同盟国として戦争をする国になり下がってしまいます。
安倍氏やトランプ氏がふりまく「北朝鮮の挑発・脅威」論の先には、こんなおぞましいシナリオがあることを見逃すことはできません。
No comments:
Post a Comment