2019-01-27

亀裂深まる日本と韓国 ~「徴用」判決の波紋~ - NHK クローズアップ現代+

亀裂深まる日本と韓国 ~「徴用」判決の波紋~ - NHK クローズアップ現代+

2019年1月24日(木)
亀裂深まる日本と韓国 ~「徴用」判決の波紋~

亀裂深まる日本と韓国 ~「徴用」判決の波紋~

太平洋戦争中の「徴用」をめぐる裁判で、去年韓国の最高裁が新日鉄住金に賠償を命じる判決を確定させて以降、日本企業に賠償を命じる判決が相次いでいる。日本政府は、1965年の「日韓請求権協定」で、この問題は“解決済みだ”とする立場から、協定に基づく協議を韓国政府に要請。しかし韓国側が応じるかは不透明だ。なぜ今「徴用」をめぐる問題が浮上し、日韓関係を揺るがしかねない事態となっているのか?そして今後の日韓関係は?

出演者

  • NHK記者
  • 武田真一・田中泉 (キャスター)

亀裂深まる日韓 「徴用」判決の波紋

今日(24日)未明、韓国の最高裁判所の前の長官が逮捕されました。太平洋戦争中の「徴用」をめぐる裁判の判決を、パク・クネ(朴槿恵)前政権の意向を受け不当に遅らせた、職権乱用などの疑いです。
韓国最高裁 ヤン・スンテ(梁承泰)前長官
「国民の皆さまをお騒がせして、申し訳なく思っている。」

ムン・ジェイン(文在寅)政権下で今、日本企業に対し、賠償を命じる判決が相次いでいます。
原告の女性
「私たちが受けた被害を、日本の人に知ってほしい。」

新日鉄住金 宮本勝弘副社長
「今回の大法院(韓国最高裁)の判決は極めて遺憾。」

戦時中、日本政府は軍需産業の労働力不足を補うため、徴用令などで朝鮮半島からも民間人を動員。多くの人々が炭鉱や建設現場など、厳しい環境で働かされました。戦後、日韓両政府は国交正常化に伴って、日韓請求権・経済協力協定を締結。
“この問題は完全かつ最終的に解決された”とすることで合意しました。一連の判決はこれを覆すもので、日韓関係を大きく揺るがす事態となっています。
韓国 ムン・ジェイン大統領
「日本政府は、より謙虚な立場をとらなければならないと思う。」

菅官房長官
「韓国側の責任を日本側に転嫁をしようというものであり、極めて遺憾。」

韓国でビジネスを行う日本企業の間には不安が広がっています。リチウムイオン電池の部品を韓国で製造するメーカーです。今回、歴史をめぐる問題で企業に賠償責任があるとされたことに衝撃を受けたといいます。
ダブル・スコープ 大内秀雄取締役
「『今さらか』というのは普通の日本人、皆さんそう思われる。これは経済界にどう影響するか、真剣に考えなければいけない。」

この日、行われた現地工場とのテレビ会議。
日韓関係の悪化が、現在進めている新工場への投資に影響を及ぼす恐れはないのか議論となりました。
韓国側
「政治的な問題は、いろんなイシューがあるかもしれないですけど。」

大内取締役
「(工場への)投資が順調に進んでいるかということの確認が、どうしても会社の中では絶えず必要かなと考えています。」

徴用をめぐる問題や、自衛隊機へのレーダー照射問題などで亀裂が深まる中、昨日(23日)行われた日韓外相会談。河野外務大臣は、請求権協定に基づく協議に応じるよう求めましたが、カン・ギョンファ(康京和)外相は、“綿密に検討中だ”などと述べるにとどまりました。日韓関係は今後どうなるのでしょうか。

「徴用」めぐる問題 韓国最高裁判決に日本は

徴用をめぐる問題が深刻化するきっかけとなったのは、去年(2018年)10月。韓国の最高裁判所が下した判決でした。
裁判長
「(新日鉄住金の)上告をすべて棄却する。」

“徴用工として日本で強制的に働かされた”と主張する韓国人4人の訴えを認め、新日鉄住金に対し、1人あたり、およそ1,000万円の賠償を支払うよう命じたのです。
原告の男性
「心が痛くて悲しい。(原告)みんなで判決を聞けたら、どんなにうれしかっただろう。(判決前に3人が亡くなり)私1人だけ残ってしまって、涙しか出ない。」

これに対して日本政府は“請求権の問題は解決済みだ”と強く批判。
安倍首相
「今般の判決は国際法に照らしてありえない判断であります。」

河野外相
「終わった話を韓国の最高裁がこういう判決を出すという暴挙。」

外務省で事務次官を務めた、薮中三十二さんです。北朝鮮問題などで韓国と協議を積み重ねた経験を持つ薮中さん。今回の判決は、“戦後の日韓関係の土台を揺るがしかねないものだ”と指摘します。
元外務事務次官 薮中三十二さん
「国と国ではもうこれで解決済みですよと。お互いに請求権を放棄しましたねと。合意ですから、それを崩すようなことは無理なんですね。できない。やってはいけない。日韓関係が隣国、非常に重要な国だと思って言ってきたと。しかし今回ばかりはね、これは無理だと。韓国が国際社会の一員であれば、国と国との関係というのが守らなきゃいけない最低限のルールだから、それを覆すようなことは絶対にしてはいけない。」

協定で解決済み なぜ覆す判決が

“解決済みだ”とされてきたにもかかわらず、それを覆すような判決がなぜ出されたのか。20年以上にわたって原告団の中心的な役割を担ってきた、弁護士のチェ・ボンテ(崔鳳泰)さんです。請求権協定では、“徴用された人たちが救われていない”として、日本企業に賠償を求め続けてきました。
協定を締結したのは、軍事クーデターで実権を握ったパク・チョンヒ(朴正熙)大統領。協定に基づいて日本が支援した5億ドルで、“漢江(ハンガン)の奇跡”と呼ばれる高度経済成長を成し遂げました。一方、日本からの支援が徴用された人たちの救済に使われることはほとんどなかったといいます。

弁護士 チェ・ボンテさん
「その当時、経済協力を通じて解決するといってきたのに、解決されていないですよね。救済は『棚上げ』にされたのです。」

締結から40年たった2005年、韓国政府は協定の交渉過程を検証。“補償は韓国政府が負うことになっていた”と確認しました。一部の対象者には、慰労金や医療費などの給付を始めました。しかし、チェさんらは“本来は日本企業が賠償すべきだ”として、司法の場で訴え続けました。ところが、今回の最高裁の判決に至るまでに壁となったと見られるのが、前のパク・クネ政権でした。パク・チョンヒ元大統領の長女である、パク・クネ前大統領。その政権下では、5年あまりにわたって審理が進みませんでした。事態はムン・ジェイン政権が進める、パク政権の不正の徹底追及の中で一変します。日本との関係悪化を懸念したパク政権が、不当に裁判を遅らせたという疑惑が浮上。こうした中、今回の判決が出されたのです。
弁護士 チェ・ボンテさん
「パク政権が倒されなければ、この判決は永遠に先送りされる可能性が高かったのです。今回の判決をもとに、日本企業との和解協議を進め、解決させたい。」

亀裂深まる日韓 「徴用」判決の波紋

日本企業に賠償を命じる判決はどこまで広がるのか。最高裁の判決の直後、ソウルにある日本大使館は現地に進出している企業を対象に説明会を開催。裁判の行方や、ビジネス環境への悪影響を懸念する声が挙がっていたからです。
丸山浩平公使
「日本企業の正当な経済活動の保護を最優先課題と考え、そのための、き然とした対応をとる考え。」

最高裁の判決を厳しく批判した日本政府。韓国政府に対応を求め、その出方を待ちました。これまで韓国政府も“問題は解決済みだ”という、日本と同じ立場をとってきたからです。
菅官房長官
「韓国政府が具体的にどのような対応を講ずるのか見極めたい。いずれにしても日本政府としての一貫した立場で適切に対応していきたい。」

しかし、事態はさらに悪化します。今年(2019年)に入って、新日鉄住金の資産の差し押さえを認める決定が下されたのです。外務省は韓国の駐日大使を呼び、韓国側に日韓請求権協定に基づく協議を初めて要請しました。その翌日。韓国政府の対応が注目される中でムン大統領の記者会見が行われました。
韓国 ムン・ジェイン大統領
「日本政府が、より謙虚な立場をとらなくてはいけないと思う。三権分立なので、司法の判断に政府は関与できない。日本は韓国の判決に不満を示すことはできる。しかし韓国政府は、その判決を尊重しなければならない。日本も不満はあっても基本的に『それはしかたない』という認識をもってもらわなければならない。」

司法判断を尊重する姿勢を示した、ムン大統領。これに対し、日本政府は厳しく批判しました。
菅官房長官
「日韓の請求権協定は、司法府も含めた当事国全体を拘束するものであります。それにもかかわらず、韓国政府が現在に至るまで具体的措置をとらず、加えて原告側による差し押さえの動きが進んでいることは極めて深刻と考えます。今般のムン大統領の発言は、韓国側の責任を日本側に転嫁しようというものであり、極めて遺憾であります。」

協定で解決済み 「徴用」判決に韓国は

武田:今夜は、外務省担当の志賀記者、朝鮮半島担当の池畑記者に徹底的に聞いていきたいと思います。
まず池畑記者、この徴用をめぐっては「解決済み」とされてきたはずですよね。まだ分からないのは、それを覆すような判決がなぜ出てきたのか、また、韓国政府は今、それをどう捉えているのかということなんですが、どうでしょうか?

池畑修平記者(国際部):判決のポイントは、今から100年以上前の日本による韓国併合です。韓国の最高裁は「その併合は不法だった」と。これは韓国の憲法にも示されている立場に立って、「不法な併合、不法な統治の下での徴用というのは、不法な強制労働だった。しかるに、この日韓の請求権協定はそういう不法行為に対する損害賠償は対象として扱っていない。なので問題は解決されていない」というロジックを編み出したんです。日本から見ると、かなり飛躍した論理だという批判も強いです。こうした判決が出た背景として指摘されているのは、韓国の司法における世代交代です。学生のころに軍事政権と戦って民主化を勝ち取った人たちが、次第にその裁判所で重要なポストを占めるようになるにつれて、軍事政権下で結ばれた日本との協定にも疑問を呈する傾向が強まったということがあるんです。ムン・ジェイン政権は、この判決によって日本との関係悪化は避けたいと繰り返し表明してはいますが、まだその具体策は見えてこないという状況です。ムン・ジェイン政権が、前の政権の不正とか疑惑を暴くことを優先するあまり、少し日本との関係を安定させる努力が後回しになっているという感は否めません。それと今の政権の中枢に、イ・ナギョン(李洛淵)首相以外に日本の政治ですとか国民感情をよく理解している人がいないということも影響している可能性があります。

協定で解決済み 「徴用」判決に日本は

武田:そして、政治部の志賀記者。日韓の間で次々と懸案が起きているような状況ですけれども、日本政府は今の状況をどう捉えているんでしょうか?
志賀淳二記者(政治部):ひと言で言いますと、韓国政府の対応にあまりにも問題があると見ています。徴用をめぐる問題のほかにも、日韓両政府が長時間話し合って合意し、ようやく設立した元慰安婦を支援する財団を一方的に解散するという問題もありました。このほか、自衛隊機が韓国軍からレーダー照射を受けた問題では、韓国側が主張をたびたび変えて反論しています。今日も韓国側が「自衛隊機が威嚇飛行した」と主張する写真を公開しましたが、日本政府は「韓国の艦艇に脅威を与える意図も理由も何もない」と否定しました。日本政府内からは「こうした韓国側の対応はムン政権の支持層を強く意識したものだ」という声が上がっていて、「つきあいきれない」などと突き放すような厳しい批判の声も出ています。

深刻化する「徴用」問題 今後は?事態収拾は?

田中:この徴用をめぐる問題ですが、さらに拡大する恐れが出ています。現在進行中の訴訟が少なくとも12件、さらに新たな裁判を起こそうという動きもあって、原告になりうる人はおよそ15万人に上ります。仮に去年10月の最高裁判決と同様に、1人当たり1,000万円の賠償を命じる判決が出れば、総額は1兆円を超える規模にまで膨れ上がる深刻な事態も考えられるんです。
事態をどう収拾させるのか、韓国政府は知日派のイ・ナギョン首相のもとで対応策を協議しています。その中で浮上してきたのが、財団を設立する案です。この財団が一括して当事者たちへの補償や賠償を行い、訴訟を取り下げてもらおうというものです。ただ、誰が財団に資金を拠出するのかをめぐって意見が分かれています。
クンミン大学 教授 イ・ウォンドク(李元德)さん
「有識者と政府関係者が集まって、韓国の政府と企業が財団をつくることが現実的だと提案しましたが、最高裁の判決は加害者である日本企業の責任を追及したのに、なぜ韓国側が代わりに支払うのかという国民の不満が生まれてしまいます。とても難しい問題です。」

武田:財団に資金を誰が拠出するのかをめぐって、「難しい」というような話が出ていましたが、これはどういうことなんでしょうか?
池畑記者:韓国では、韓国政府と韓国企業が拠出することに対しては、あまり異論はないんです。ここでいう韓国企業というのは、日本との国交正常化で経済支援を得たわけですけれども、その経済支援の恩恵を受けて発展した製鉄会社などを指しています。本来ならば徴用された方たちらが受け取るべきだったその資金は自分たちに回ってきたということで一定の責任はあるという考え方なんです。問題は、日本企業の参加を求めるのかどうかという点です。韓国の有識者の間でも、「今さら日本企業に強制するのは難しい。自発的に参加を促すのが現実的だ」という声が結構あるんですけれど、その場合、日本企業に賠償責任があるというふうに判断した最高裁の判決を尊重していないではないかという批判が国内から出ることが予想されるということで、ムン・ジェイン政権としてはなかなか難しい判断を迫られています。
武田:そうしますと、ムン政権はこの財団方式を進めていくんでしょうか?
池畑記者:財団方式が有力な解決案として検討されていることは間違いなさそうです。ただ、ムン大統領は、まずは前の政権による判決の先延ばし、この疑惑をめぐる捜査を見極めたいというふうにも述べていますので、具体策が出てくるまでまだ時間がかかるかもしれません。
田中:では一方、日本政府はこの問題にどう対応しようとしているのか。日韓請求権協定では、協定の解釈や実施に関する紛争が生じた場合、外交ルートで解決されるものと定められています。日本側はこれに基づいて、韓国側に協議を求めています。ただ、協議に応じなかった場合や、協議が不調に終わった場合、協定では第三国を交えた仲裁委員会を開催することが定められています。また、協定にはないんですが、ICJ=国際司法裁判所に提訴するという選択肢もありえます。
武田:志賀記者、日本政府は今後、どう対応しようと考えているんでしょうか?
志賀記者:日本政府としては、「日韓請求権協定は、戦後の日本と韓国が新たな関係を築くために結んだ国と国との合意、いわば約束であり、司法も含めて従わなければならない」としています。また、今回の判決でその協定違反の状態となったわけですから、見直す責任は当然、韓国政府にあるとしています。また、先ほど話があった韓国側が設立する財団に、日本政府として出資することはないとしています。その上で、韓国側には日本企業に不利益が出ないような対応策を講じるよう求めていまして、韓国側から回答があるのを待っている状況です。ただ、いつまでも待っているわけにはいきませんし、自民党内からは経済制裁など、厳しい対抗措置を求める声も出ていますので、今後、次のステップ、第三国を交えた仲裁委員会の設置の要請や、ICJへの提訴に踏み切る可能性もあります。

亀裂深まる日韓 いま何が必要か

武田:今後、日韓関係の悪化を食い止めるには何が必要なんでしょうか。先ほどVTRにも出てきたイ・ウォンドクさん、そして薮中さんに聞きました。
クンミン大学 教授 イ・ウォンドクさん
「韓日関係の悪化は単に両国間の問題ではなく、この地域全体の平和と繁栄に直結することを指導者たちは肝に銘じるべきです。両国の指導者が疎通を強化し、首脳会談を通じて、これまでの不信や誤解、偏見などを解消する方向に努力すれば、韓日関係は回復し、正常化する道が開かれると思います。指導者の役割が重要です。」

元外務事務次官 薮中三十二さん
「これからまさに北朝鮮の問題、動いていく。米朝第2回の首脳会談があるとかね。そういう中で当然のことながら、日米韓でも話し合うわけですよね。そういうときに日韓がいがみ合っていると、どうなんだと、いろいろなところから聞こえてくるんじゃないですか。韓国にも、ちょっとおかしいんじゃないかと、そういうなかで、それをたぶん、ムン・ジェイン大統領は全体としては分かっていて、だから、ものすごく悩んでいるんですよね。国際社会から見て、日本がやっていることは正しいんだというところだけをきちんと担保しておくということが大事なんです。」

武田:日韓関係を立て直していくために何が必要だと考えますか?まず、朝鮮半島担当の池畑記者。
池畑記者:ムン・ジェイン政権は、この問題は自分たちが意図的に作り出したものではないという思いがやや強すぎるのではないかと感じます。現実には、韓国経済にとって決して小さくはない貢献をしてきた日本企業の資産が差し押さえられるという事態が起きてるわけです。ムン大統領はこれを傍観することなく、例えば日本企業の投資やビジネスを韓国政府が非常に重要に思っていますとか、そういう前向きなメッセージを出す必要が、まずあると思います。ムン大統領は、北朝鮮との融和という面では非常に強力なリーダーシップを発揮しているわけですから、日本との関係でもできるとは思うんですよね。とりわけ今年の3月1日、韓国での日本からの独立を求める運動が始まって100年という節目を迎えます。この日が近づくにつれて、次第に韓国内のナショナリズム、歴史問題をめぐる日本への批判が高まる可能性があります。つまり、ただでさえそういう敏感な季節をこれから迎えていくのに、こういう徴用をめぐる問題ですとか、自衛隊機のレーダー照射問題などがこじれたまま3月1日を迎えるといったことはぜひ避けてほしいと思います。
武田:そして、外務省担当の志賀記者はどうでしょうか?
志賀記者:先ほどの薮中さんの話にもありましたけれども、来月(2月)には米朝首脳会談が予定されるなど、北朝鮮情勢が動く可能性があります。こうした中、非核化の実現や拉致問題の解決のためにも、日韓が連携していくことは重要なことです。ただ、徴用をめぐる問題は、日韓関係の根本的な基盤を覆してしまう重大な問題ですので、日本政府としては、外交ルートで引き続き韓国側に適切に対応するよう求め、解決を目指していくことになると思います。日韓の間では、これまでも対立を繰り返しながらも乗り越えてきたという過去があります。今回の対立は深刻ではありますけれども、互いに落ち着いて向き合い、議論を深めていく必要があると思います。
武田:今日は懸案が次々と起こっている日韓関係について、政治部の志賀記者、国際部の池畑記者に聞きました。
東アジア情勢が今後どう動いていくのか不透明な中で、日韓関係をこれ以上悪化させないためには、両国が冷静な対話を積み重ねていくことが、今まさに求められていると感じました。
2019年1月23日(水)
あなたが裁判員に!そのとき何が?~制度開始10年 経験者たちの証言~

あなたが裁判員に!そのとき何が?~制度開始10年 経験者たちの証言~

重大な刑事事件を対象に、「市民感覚の反映」を掲げて始まった裁判員裁判。開始から10年を迎え、これまでに280万人以上が裁判員候補者になった。裁判員に選ばれたとき、あなたはどんな状況に直面するのか?守秘義務が課される中、経験者たちが話すことのできるすべてを語ってくれた。凄惨な証言に直面しなければならず、仕事を休まなければならないという負担。一方で、アンケートでは96%が「良い経験と感じた」と回答している。裁判員裁判の光と影を見つめる。

出演者

  • 大城聡さん (弁護士)
  • 厚切りジェイソンさん (米出身タレント・IT企業役員)
  • 武田真一・田中泉 (キャスター)

280万人超が候補者に 裁判員 “経験して生き方変わった”

裁判員経験者
「こちらの書類が届きました。」

ある日、突然届く黄色の封筒。これを受け取ったら、あなたは裁判員になるかもしれません。裁判官と共に人を裁く裁判員。この女性は4年前、殺人事件の裁判員を務めました。
裁判員経験者
「まず裁判所に行くことからスタートして、すごく責任があることなんだと思いました。」

裁判員制度が始まって10年。これまでに候補者になったのは、280万人を超えています。守秘義務が課される中で、裁判員を務めた人たちが貴重な経験を語ってくれました。
裁判員経験者
「社会に目を向ける機会があって、参加してよかった。」

「自分の意識が変えられたのが裁判員制度だった。本当に大きな気づきが、そこにあった。」
裁判員の経験は、あなたの人生を大きく変えるかもしれません。
澁谷友光さん
「裁判員のときに配られた袋で。」

裁判員の経験をきっかけに、地域の子どもを支える新たな活動を始めた人がいます。澁谷友光さんです。担当したのは、女性を乱暴し、金を奪った被告の事件。当時、全国初となる性犯罪の裁判員裁判として注目されました。
澁谷友光さん(当時の記者会見)
「大きな責任と、その人に対して決めなきゃいけないという寂しさというものを感じた。」

6人の裁判員の1人として、裁判官と共に刑の重さを判断することになった澁谷さん。当初は、被告に対し、強い憤りを感じていました。ところが、被告の証言を聞くうちに、その思いは微妙に変わっていきました。
澁谷友光さん
「生まれたときから父親がいなかったということが、ああ、私と同じだと思ったんですね。」

澁谷さんは、生まれてすぐに両親が離婚。親戚の養子として育てられました。支えがなく、孤独を感じていたという被告の境遇が、自分と重なったといいます。
澁谷友光さん
「彼が『自分を誰も信じてくれない』という表現をしたんですね。その言葉が非常に私の心に引っ掛かって。もしかしたら私もそこに立たなければならないことをしていたかもと。彼への思いが複雑に湧き上がってきて、涙となって出てきてしまった。」

澁谷さんたちが下した判決は、懲役15年。判決の後、澁谷さんたちの思いを受けて、裁判長はある言葉を被告に伝えました。
澁谷友光さん
「私たちがあなたのことを考えて決めた判決は、決してあなたをあきらめた15年という判決ではないんだ。あなたのことを信じて、そしてこの15年の判決の中で、その罪と向き合い、そして反省して更生してくれると信じる15年なんだと。」

数か月後、澁谷さんは関係者を通じて被告の言葉を聞きました。
澁谷友光さん
「法廷で私のために泣いてくれていた裁判員がいます。私はあの人の涙を忘れられません。そのときに彼に私たちの思いが届いたと。私は確信したというか、そう感じたんですね。」

「孤独を感じている子どもたちを救いたい」。裁判の翌年、渋谷さんはNPOを立ち上げました。学習や食事の場を提供し、子どもたちを支えています。
澁谷友光さん
「新しい何かを気づかせてもらえるし、新しい自分の生き方を探らせてもらえるし、裁判員制度の中においては大きな可能性もあるということをぜひ伝えていきたい。」

あなたが裁判員になったら 9割超が“よい経験”

ゲスト 大城聡さん(弁護士)
ゲスト 厚切りジェイソンさん(米出身タレント・IT企業役員)
田中:こちらは裁判員の経験者に行ったアンケートです。経験する前は「積極的にやってみたい」「やってみたい」が合わせて37%でした。では、経験した後は、どうなっているのかといいますと、「非常によい経験と感じた」「よい経験と感じた」が合わせて96.3%。かなり高くなっているんですね。さらに判決にも影響が出ています。介護殺人の執行猶予付き判決の増加、そして性犯罪の厳罰化です。
武田:市民一人一人の感覚で人を裁くということの意味がVTRで伝わってきたんですけれども、弁護士の大城さん、市民感覚を裁判に取り入れるということで、判決もそうですけれども、裁判はやはり変わってきているんですね。
大城さん:市民が裁判員になることで、法廷で「見て」「聞いて」「分かる」裁判に大きく変わっています。
武田:「見て」「聞いて」「分かる」裁判とは、どういうことですか?
大城さん:裁判員制度の前は、法律の専門家が専門的に専門用語で話をして判断をしている。専門家には理解できるけれど、多くの、法律の専門家でない普通の人には分かりにくかったと。そこが変化をしたと思います。
武田:厚切りジェイソンさんは、陪審制度があるアメリカの出身ですけれども、アメリカでは市民が法廷に参加するということをどういうふうに受け止められているんでしょうか?
厚切りジェイソンさん:それは完全な義務ですね。税金を納めるのと同じような感覚で、やらないと罰金罰則が来る。
武田:当たり前みたいな感じ?
厚切りジェイソンさん:陪審員制度は、裁判官が一緒に、無罪、有罪を決めないじゃないですか。陪審員だけが決めるんですよ。ですけれど、その裁判員制度になりますと、裁判官も一緒にいるんですよね。だから正直、ちょっと不思議に思うんですけれど、その裁判員が参加する意味はあるんですか?
大城さん:日本の裁判員制度の場合には、有罪、無罪の判断と合わせて、もし有罪の場合には、刑の重さをどのくらいにするのかということも、市民が入って裁判官と一緒にやります。そういう意味では、プロの裁判官に全部任せてしまうのではなくて、市民も一緒になって考えると。政治でいえば、政治家に任せてその後、何もしませんというのではなくて、投票をする機会があるように、ランダムに選ばれた市民が司法に参加をしていく、そこに意味がある。
厚切りジェイソンさん:でも、法律に基づいていろいろ決めるのであれば、それは法律を知り尽くしている人に決めてほしいと僕は思うんですけれど、法律に従って裁判員ができると、僕は思わないですけれどね。どうですか?
大城さん:もちろん法律の枠の中で、殺人罪であれば、最高刑は死刑なんですけれど、事情を考慮して減刑すると執行猶予になることもあるんですね。それだけ幅がある中で、その事件に最も適した刑の重さはどうなのかということを判断するのに、例えば市民の視点が有効になってくる。
厚切りジェイソンさん:刑の重さは定義されていないってことですか?
大城さん:日本の法律では、これを行ったら何年というふうに機械的に決まるわけではなくて、かなり量刑の幅が広くなっています。
武田:そこで裁判員制度というものが生かされる、意義もあるというふうにお考えなんですか?
大城さん:有罪、無罪の判断に、市民の視点、いろんな視点が入って慎重に判断するというだけではなくて、刑の重さについてもいろんな視点が入ってくるというところに大きな意味があると思います。
厚切りジェイソンさん:法律が割と緩いから、そういう人たちも参加する意味があるということになる?
大城さん:緩いというか、幅が広いということですね。
田中:さて、この裁判員制度が始まって10年。裁判員裁判がどれくらいあったかといいますと1万件以上。裁判に参加した人は、8万8,000人以上に上っています。
皆さん、そもそもどうやって裁判員になるのかご存じですか?

厚切りジェイソンさん:アメリカも同じようなシステムだと思うんですけれど、どうでしょう。
田中:まず、こんな通知が裁判所から届きます。
これは「あなたが候補者になりましたよ」というものです。これは有権者のうち、20歳以上の人から無作為に選ばれます。その後、事件ごとの候補者が選ばれて、最終的には、抽せんなどによって裁判員になるというわけなんです。
武田:誰でもなる可能性があるんですね。
田中:ただ、「やってよかった」という人も多い一方で、「負担が大きい」と語る人も少なくないんです。

あなたが裁判員になったら 緊張・不安・怖さを感じて…

4年前に裁判員を務めた、兵庫県の女性です。担当したのは、社会をしんかんさせた、あの事件。首謀者の女が中心となって、複数の家族を次々と監禁、殺害した、尼崎殺人死体遺棄事件です。その共犯者の裁判に加わりました。欠員が出た時に補う補充裁判員となり、法廷全体が見渡せる1段高い席に座りました。
裁判員を務めた女性
「まず目に入ったのが傍聴席。すでにたくさんの人がいて、もう被告がいるんだなと思って、すごく緊張が一気に高まって。」

ひと言も聞き漏らすまいと、ひたすらメモを取り続けるうち、強いストレスを感じるようになりました。
裁判員を務めた女性
「書く言葉自体が『殺される』とか『殺す』という字とか『死ぬ』とか『虐待』とか、そういう言葉が多くて、だんだん裁判員に選ばれたことへの重みと不安と怖さみたいなものを感じるようになっていった。」

特に衝撃を受けたのが、監禁された被害者を虐待する音声の記録でした。
裁判員を務めた女性
「けっこう低いおばさんの声で、(髪の毛を)燃やせ、燃やしたらいい。完全に被害者としての気持ちをイメージしてしまいました。やっぱり心痛むし、苦しくなるし、本当にいちばんしんどかった。」

裁判の期間は実に127日。守秘義務が課されていたため、誰にも相談できず、追い込まれていったといいます。当時小学生だった息子は、母親の疲れ切った姿を目の当たりにしていました。
女性の息子
「お母さんが疲れているので、しゃべらせたりしたら、また疲れちゃうかな。寂しかったけど、耐えるしかないなって思いました。」

裁判員を務めた女性
「法について全く無頓着だった自分が、裁判所に行くことからスタートして、一市民が関わること自体がやっぱり大変なことであって、すごく責任があることなんだと思いました。」

あなたが裁判員になったら 制度10年 仕事に支障も…

裁判員を務めたことで、仕事に大きな支障が出てしまったという人もいます。8年前、都内で起きた強盗殺人事件を担当した、木村宏之さんです。国民の義務だと考え、会社を休み、裁判に参加しました。ところが2週間ぶりに出勤すると…。
木村宏之さん
「(自分のデスクに)段ボール箱が2〜3箱、置いてありました。悲しいことに荷物置き場になっていました。」

当時の会社には、裁判員制度を想定した休暇の仕組みがなく、休みは欠勤扱いにせざるをえなかったといいます。
木村宏之さん
「2〜3日だったら“有給消化”という形で対応できたかなと思うけど、2週間になると、そういう対応は難しかった。」

裁判員として事件と向き合い、責任を果たしたにもかかわらず、会社の理解がないと感じた木村さん。悩んだ末に退職しました。
木村宏之さん
「悲しくなりましたね。(裁判員を)一生懸命やってきたことが報われていなかったと思って。そこが、いちばん大きかったと思います。」

あなたが裁判員になったら 直面する精神的な負担

武田:暮らしにも影響がある人がいたということはちょっと重く受け止めなければいけないと思うんですが、やはり気になるのは、ふだん犯罪とは無縁に暮らしている人が、ある日突然、リアルな凄惨な証言を見たり聞いたりする。このストレスというのは耐えられるものですか?
大城さん:刑事裁判ですから、やはりすごく大きなストレスがあると思います。まず、そういうものだという心の準備、ある程度の覚悟を持って臨むことが必要だと思います。今、裁判員が急性ストレス障害を抱えてしまった事件もあって、裁判所では証拠の見せ方、例えばカラーではなくて白黒にするとか、そういった工夫をしています。
武田:あと、メンタルヘルスの窓口のようなものもある?
大城さん:経験した後にこの窓口を利用できると。
武田:あとVTRの中で、守秘義務で追い込まれていったという表現がありましたけれども、これはどういうことなんでしょうか?
大城さん:裁判員には守秘義務があって、裁判員や裁判官と評議、話し合ったことは一切言ってはいけないというふうになっています。そのために、裁判員を経験して悩みや不安があっても誰にも打ち明けることができないとか、相談できないと、そういったことが余計に心の負担を重くしているということがあります。
武田:アメリカではどうなんですか?こういった陪審員が抱えるストレス、どういったことが問題になっていますか?
厚切りジェイソンさん:全く同じだと思いますよね。僕がアメリカで働いていたころの同僚がちょうど陪審員に選ばれまして、中身は何も言えないですけれども、今、実はこういう裁判をやっていて、結構ストレスになりました。何も誰にも言えなかったのがストレスだったようですけれど、それとはまた別で、人の人生に影響するような、この人は無罪か有罪か、そういう責任感はものすごいストレスに感じていたみたいですね。
武田:人を裁くことの重みも、やはりストレスになるんですね。
大城さん:経験者のお話を聞いて調査をしても、やはり人の一生を決める重さというのを非常に重く感じていますね。
田中:もう一つ、制度開始から10年たって見えてきた課題があります。それは裁判の長期化です。当初、平均3.7日だった期間が、現在では10.6日。中には100日を超えるような裁判もありまして、長期化を背景に辞退する人が今、増えているんです。今回、裁判所で裁判員の選任を取りしきる部署に初めてカメラが入りました。

裁判員制度10年で課題が 長期化 辞退増加の中で

東京地方裁判所の裁判員係です。
“制度に関心を持ってほしい”と、今回、特別に取材に応じました。裁判員候補となった人から返送されてきた、大量の辞退の申し出。
この日、辞退の理由ごとに書類を整理する作業が行われていました。仕事や病気などを理由に辞退が認められた人は候補者の66%。裁判員を選ぶ手続きに無断で欠席する人も増えています。
東京地方裁判所 刑事部所長代行者 伊藤雅人判事
「国民の方の協力なくしては回らない制度なんで、早めに手を打たなきゃいけないという意味では、非常に危機感を持っている。」

より参加しやすくするにはどうしたらよいのか。裁判官たちの検討会も行われていました。
「期間全体が長くなると、裁判員の方のご負担も増えるのかなと。」
裁判の期間を短縮する努力が必要だという声が上がりました。
東京地方裁判所 丹羽敏彦判事
「3日ですむのか1週間なのか1か月なのか、これはかなり大きい問題だと思います。日数が長くなってしまうと、参加できる方が限られてしまう。裁判員制度のもともとの趣旨・目的からして問題なんだろうと思っています。」

裁判員制度10年で課題が 企業のサポートどこまで?

社会の側でも、裁判員への参加を後押ししようという動きが出てきています。大阪のテーマパーク運営会社で働く、この男性。子育て中に妻が裁判員に選ばれ、会社の特別休暇制度を利用しました。
裁判員に選ばれた妻
「まさか私が行くというので、会社から(夫が休みを)頂けるとは思ってなかったので驚きました。」

この会社では、従業員だけでなく、配偶者が選ばれた場合でも、育児や介護の必要があれば、休暇を取得することができます。
テーマパーク運営会社 武部涼子さん
「裁判員制度が社会的意義のあるものと捉えていて、司法参加しやすくするために導入した。」

特別休暇を取った社員
「ほかの企業も同じような状態になれば、もっとみんなが参加できると思う。」

裁判員制度10年 今後は 市民が参加する意義

武田:厚切りジェイソンさんは会社経営にも携わっていらっしゃいますけれども、こういった企業の取り組みをどうご覧になりましたか?
厚切りジェイソンさん:かなり会社の理解がなければ、すごい参加しずらいなと思いましたけれど、義務なので、その義務をちゃんと果たしてもらいたいのであれば、会社の理解とか、会社の対応も義務化とか、そういう強化をしたほうがいいかなと思います。
武田:こういった経験を積んだ人材が会社の中に増えていくと、これは会社としてもいいことなんじゃないですか?
厚切りジェイソンさん:いろんな経験があるに越したことはないですけれどね。具体的にこれに参加したから、こういうことがよりできるようになったというのは、ちょっと見えないですけれど。
武田:大城さん、こうやって市民が司法に参加する、これがうまく進んでいくと、将来、どんな社会になるんでしょうか?どういう展望が開けるんでしょうか?
大城さん:裁判員として事件や犯罪に接する、それは今、私たちが生活している今この世の中で起こっていることですから、自分以外に、他人のことに人生をかけてかかわると、そういった意味では社会への関心につながっていくと思います。
武田:アメリカでは、陪審員経験者の投票率がアップしているんですか?
大城さん:ある調査では、アメリカで陪審員を経験した人は、その後、投票に行く。投票率が4%から7%上がっているという調査もあります。
武田:今回、経験した後に「よい」と感じている人がこれだけ多いわけですよね。そういった人たちの話を聞きたいと、今日、思いました。厚切りジェイソンさんはどうですか?
厚切りジェイソンさん:確かにアメリカの陪審員制度に参加した人の投票率が上がるのは、ちょっと分かりますよね。社会的なことをより身近に感じるし、より責任感を持つようになるから、それはより自分の周りの世界に参加したくなるかなと思いましたね。
武田:やはり、こういう情報、体験談、感じたことを広く共有したいですね。

あなたが裁判員になったら “経験して気づいたこと”

裁判員の経験をきっかけに、将来の制度の担い手を育てる取り組みを始めた人もいます。9年前に裁判員を務めた、歯科医師の古平衣美さんです。担当したのは、都内のホームセンターで起きた殺人未遂事件でした。刑の重さを巡ってさまざまな意見が飛び交い、判断に迷った古平さん。裁判の後も結論が正しかったのか、悩み続けたといいます。
古平衣美さん
「自分には責任を持って意見を言う力や、相手の意見を自分の中できちんと消化して、納得して結論を出すという、それが少しバランスが悪かったんだなというのがわかったので。」

将来を担う子どもたちには議論する力を身につけてほしい。古平さんは近所の子どもたちを集めて、みんなで話し合う勉強会を始めました。この日は、学校でのトラブルを題材に、納得のいく結論を導くにはどうしたらいいか、議論を促しました。
古平衣美さん
「トラブルになっちゃったわけじゃない、クラスの中で。解決策をちょっと考えてみて。」

「もう少し理由をちゃんと言ったらいいんじゃないかと思った。」
「(相手の意見を)尊重して、さらにみたいな。自分の意見も言えるように。」
古平衣美さん
「自信を持って臨めるようになれば、よりよい評議(議論)ができるだろうし、それがよりよい社会につながるんじゃないかと。裁判員に参加することが特別なことではなくて、当たり前のような感じになるのが、いちばんいいんじゃないかと思います。」

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