2019-06-09

国基研 日本研究賞


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「国基研 日本研究賞」創設の趣旨

 私たちは日本国の基本をゆるぎなく立て直し、本来の日本らしい姿を取り戻したいとの思いで2007年に国家基本問題研究所を創立した。日本独自の価値観を守りつつも、広く世界に視野を広げ、国際社会のよき一員でありたい。そのために、憲法、安全保障、教育など、日本が直面する国家的課題に果敢に取り組み、日本再生に貢献したいという切望が、私たちの原動力だった。
 志を実現するには国際社会の日本理解を深め、諸国との相互尊重を確立することが欠かせない。だが、現実は私たちの願いから程遠く、多くの点で日本は誤解されている。とりわけ歴史問題に関する誤解は根深く、その誤解の壁は現在も私たちの前に立ちはだかる。日本と価値観を同じくする西側諸国でさえも、必ずしも、例外ではない。
 誤解を解くのに一番よいのは、外国の人々に日本を知ってもらうことであり、なんとか日本研究の人材を育てたいと考えていたときに、寺田真理氏より御厚志をいただいた。志を同じくする氏の思いも反映して創設したのが日本研究賞である。
 同賞に托す私たちの願いは、日本の姿、歴史、文化、文明、政治、戦争、価値観のすべてを、二十一世紀を担う国際社会の研究者に極めてもらうことだ。日本研究賞が自由かつ誠実な日本研究を進める一助となれば、それは私たちにとっての大いなる喜びである。  成功も失敗も含めて日本のありのままを研究してもらえれば、そこから生まれる評価は肯定的否定的とを問わず、自ずと偏見の壁を打ち破るはずだ。学問的誠実さに裏づけられた研究は、その全てが私たちにとっても貴重な学びとなるはずだ。
 「国基研 日本研究賞」によって、日本の真の友人が国際社会にふえていくことを心から願っている。同時に、私は日本の文化文明、日本人の生き方を決定づける価値観は、必ず、二十一世紀の国際社会のより良い在り方に貢献できるものと、信じている。


国家基本問題研究所理事長 櫻井よしこ


日本研究賞を創設した意図と将来に向けてのビジョンについて、櫻井理事長と田久保副理事長が対談しました。


櫻井国家基本問題研究所の創設の趣旨はいくつかあったと思います。第一は戦後の日本のあり方を根本的に変えなければならない。そのためには、憲法改正が重要だということでした。もう一つは、それと同時進行で、海外における日本に対する、歪曲された理解、誤解を ... 続きを読む

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要綱
一.国家基本問題研究所は、政治、経済、安全保障、社会、歴史、文化の各分野で、日本に対する理解を増進する、内外の優れた日本関係研究を顕彰し、奨励する。一. 原則として個人に対し、日本研究賞1点、1万ドルを受賞者に贈る。奨励賞は5千ドルとする。特別賞を出す場合もある。一. 対象となるのは、近年刊行、発表された日本語か英語による作品で、日本に帰化した一世を含む外国人研究者とする。一. 候補作品は、毎年末までに推薦委員その他識者に広く推薦を依頼、その結果を基に選考委員会が翌年春までに選考する。一. 授賞式及びレセプションは、通常、毎年7月に行う。

第五回「国基研 日本研究賞」 
受賞作品
日本研究賞 ロバート・モートン 中央大学教授

「A.B. Mitford and the Birth of Japan As a Modern State: Letters Home」(Renaissance Books,2017)
(ミットフォードと日本における近代国家の誕生、邦訳なし)

日本研究特別賞 崔吉城 東亜大学教授、広島大学名誉教授

「朝鮮出身の帳場人が見た 慰安婦の真実―文化人類学者が読み解く『慰安所日記』」(ハート出版、2017)


選考の経緯

第五回「国基研 日本研究賞」
ロバート・モートン 中央大学教授
「A.B. Mitford and the Birth of Japan As a Modern State: Letters Home」(Renaissance Books,2017)
(ミットフォードと日本における近代国家の誕生、邦訳なし)

 英国貴族出身のミットフォード(一八三七 - 一九一六)は、一八六六年に北京から江戸に転任、パークスの次の地位を占めた外交官で、言葉をよくした。通訳生として来日したサトウの六歳年上で、この三人とあと一人医師のウィリスが明治維新前後の在日英国外交公館を構成していた。その中心人物の中でパークスとサトウは日本でもよく知られている。ミットフォードについては『日記』や『一英国外交官が見た明治維新』は長岡祥三氏の手で近年講談社学術文庫に訳されたが、しかしモートン教授の今度の評伝は、ミットフォードが父親に宛てた手紙に依拠し、その記述の表も裏もよく調べ、その上で見事な英文に綴られた読みごたえのある歴史研究であり文章作品である。
 ミットフォードが三年半の日本勤務の後、帰国して一八七一年に出したTales of Old Japan は四十七士の話を世界に知らせた。晩年はLord Redesdale, Memoriesの著者として名を遺した。若き日のミットフォードが来日当初、日本から受けた印象と晩年のこの『回顧録』はいろいろな点で嫌日・親日の記述が極端に違っており、ミットフォードの日本に対する愛憎関係の揺れが本書では如実に浮かび上がる。ひょっとしてモートン教授にもその種の感情の揺れがあったのではないか、と思われるほど共感的理解が行きとどいている。 幕末期の横浜、品川、東禅寺や泉岳寺での辛い生活、様々な日本体験の中での滝善三郎の切腹を目撃したことが一つの転換点となる。その記述に接すると森鷗外の『堺事件』を思い起こさずにはいられない。モートン教授の伝記は網羅的で、ミットフォードの最晩年、いやその子孫までをもたどっている。その評伝を読むことで、私どもは同時代の英国の上流社会やその外交についても実に多くの興味深いことを教えられる。西洋至上主義的ないしはキリスト教至上主義的な視点から脱却した指摘が鋭い。
 敗戦後の日本ではE.H. Norman, Japan's Emergence as a Modern State が岩波系学者の間でもてはやされたが、A.B. Mitford and the Birth of Japan as a Modern State という受賞作の題名そのものがノーマンの著作に対する皮肉のように感じられた。それというのもこのミットフォードという日本人とよくつきあったイギリスの貴族外交官が見た幕末維新こそ日本の近代国家としての誕生を如実に描いている、という生きた印象を与えるからである。そして過去の事実がモートン教授によって歴史的パースペクティヴの中でまた見直されているからである。その知的ソフィティケーションが、講座派の羽仁五郎の説を踏襲したノーマンを教祖に祀り上げたダワー一派の北米反ベトナム世代の単純な明治維新観と違って面白い。個人を通して見た英日関係を鮮やかに描いたこの立派な人文主義的アプローチの史伝に賞を出すことは、昨年のDreyer教授に対する受賞と同じく、日本研究賞の信用を高め、国基研に対する無用の誤解をも解き、在日の外国人教授や日本研究者に対しても好ましい影響を及ぼすのではあるまいか。

講評 選考委員 平川祐弘 国基研理事 東京大学名誉教授




第五回「国基研 日本研究特別賞」
崔吉城 東亜大学教授、広島大学名誉教授
「朝鮮出身の帳場人が見た 慰安婦の真実―文化人類学者が読み解く『慰安所日記』」
(ハート出版、2017)

 第二次大戦中の日本軍の慰安婦とは何かについて、慰安婦が性奴隷であるのか、公娼類似の存在なのか政治的論争が続いているが、論争よりも慰安婦の実情を知ることがもっと重要である。性奴隷を主張する者は、実態を無視して元慰安婦の手記などもいくつか発表されている。平成12年(2000年)ころ、韓国の私設博物館が古書店を通じて、ビルマ(現ミャンマー)やシンガポールで、慰安所の帳場人をしていた人の膨大な日記を購入した。平成25年(2013年)8月、この日記を、安秉直(アンビョンジク)ソウル大学名誉教授が韓国語に翻訳して出版し、同じ年、その韓国語訳文からの日本語訳がネット上に掲載された(http://texas-daddy.com/comortwomendiary.pdf)。
 日記は、ハングルと漢字のほかに、日本語の片仮名や平仮名が入り混じって書かれており、韓国語訳本とは多少内容が異なるとのことである。本書は、著者が、原文を読み解き、文化人類学者としてさらに日記の著者の勤務先、即ちミャンマーやシンガポールの現場を訪ねて、日記を分析したものである。著者には、朝鮮戦争関連で、戦争と性に関するいくつかの論文があり、本書はそれらの研究と対をなすものであるという。
 極めて客観的公平な分析である。「韓国は慰安婦問題を政治的なカードにすべきではない」というのが結論である。
かつて林房雄が日本の戦争を100年戦争と呼ぶべき長い軋轢の中でとらえたのと同じ、フェアで奥深い歴史観がストークス氏の作品を支えている。そのような歴史観に基づいたストークス氏の考察に、深く注目するものである。


講評 選考委員 髙池勝彦 国基研副理事長 弁護士 
選考委員
委員長 櫻井よしこ 国家基本問題研究所理事長
副委員長 田久保忠衛 同副理事長・杏林大学名誉教授
伊藤隆 東京大学名誉教授
平川祐弘 東京大学名誉教授
渡辺利夫 拓殖大学学事顧問
髙池勝彦 国基研副理事長・弁護士
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「国基研 日本研究賞」創設にあたって

 日本研究を奨励するため、国基研は、平成26年に「寺田真理記念 日本研究賞」(平成28年度より「国基研 日本研究賞」に名称変更)を創設しました。この賞を創設した意図と将来に向けてのビジョンについて、櫻井理事長と田久保副理事長の対談は下記のとおりです。


櫻井
国家基本問題研究所の創設の趣旨はいくつかあったと思います。

 第一は戦後の日本のあり方を根本的に変えなければならない。そのためには、憲法改正が重要だということでした。もう一つは、それと同時進行で、海外における日本に対する、歪曲された理解、誤解を解いていかなければならない。そのためには、真の意味での知日家を育てていく必要があるだろうということでした。

 世界の中では、日本のことを何も知らず、また理解することもなく、ただ通説によって日本を批判するという論調があまりにも多すぎます。これを正していく必要があるということを私たちは念頭においていました。そのために、日本研究を奨励し、日本を研究する若手の人たちを育てたいという思いがありました。そこに、寺田真理さんから百万ドルのご寄付をいただきました。ご寄付のご意向には、そうした人材を育ててほしいということもありましたので、そのお気持ちにそって日本研究賞を創設したわけです。

田久保
寺田さんの行為には、無私というか、「わたくし」がありません。そもそもお金は自分のために使うものです。それを、社会あるいは国のために使うというのは、モラルとして上位に属すると思います。それで思い出したのが、瀬島龍三さんです。彼の評価はいろいろあるでしょうが、九十歳のとき、ホテルオークラで誕生祝いをしました。そこで、瀬島さんが、「自分は陸軍時代、そしてそこから現在まで、国のために命を尽くすという気持ちでやってきました。実際に、そのことができたかどうかは、皆さんのご判断いかんですが、国のために命を尽くすというのは、最高のモラルではないかと思います」と挨拶したとき、皆シーンとして聞いていました。

 寺田さんのような志の高い方がいらっしゃることは、実にありがたいことです。研究所としての仕事のほかに、日本と外国の間のパイプとなる資金ができたという意義は大きいと思います。日本研究者を日本に一週間招いて、ささやかですが賞金を差し上げる。ご苦労様の意味です。国際交流基金のように外務省のお金で大規模にやってきたところもあります。それに比べれば、国基研は何百分の一、何千分の一の規模にすぎません。

 しかし、毎年、日本の理解者を三人産むとすれば、国基研が十年つづくと三十人です。百年つづくと三百人。千年つづくと三千人です。今は、一滴かもしれませんが、永久にこの研究所がつづくとすれば、とてつもないことになると思います。

 ジョセフ・ナイさんが、「アメリカの安全保障の中で、実は教育が一番大事だ。アメリカは海外から留学生を募り、一定の期間、勉強をさせ帰国させている。帰った十人のうち、五人が文句を言ってもいい。あとの五人がアメリカで学んだことを、祖国再建のために役立てれば、これがアメリカの最大の安全保障になる」と言っていました。日本でも、宮沢喜一さんが、フルブライトの留学から帰ってきて、最後は総理大臣になりました。こうした大きな志の小さな一歩を、国基研が踏み出したことに大きな意義があると思います。



櫻井
国際社会ではいつの間にか、日本研究が大変な停滞に陥ってしまいました。そのうえ、海外に出るより日本国内にいたほうがいいと考える学生たちが増えてきて、海外における日本からの発信は非常に少なくなっています。

 今、世界、特にアジア太平洋地域は激動しています。その中で、さまざまな情報戦略が、かつてない激しさで行われています。中国や韓国が国ぐるみで、どれほど情報戦略に力を注いでいるのかを考えたとき、日本の現状はお寒い限りです。

 数字でみますと、中国は年間およそ九千億円、あるいは一兆円に迫るような金額を対外広報予算に使っています。また、世界各国に、孔子とは名ばかりの「孔子学院」という「中国宣伝教室」を次々と作り、実に巧妙なやり方で、中国の「偽りの歴史」を教えています。

 さらに、人海戦術です。海外に多くの学者、学生を派遣し、行った先々の国に溶け込ませ、中国の代弁者にしています。そして、一昨年、CNNの中国版、CCTVアメリカを開局し、三六五日、二十四時間体制で放送しています。アメリカ人の優秀なキャスターを引き抜き、アメリカ人を前面に押し出しながら、実際は中国人が放送する中身を書くという構図で行われているわけです。

 国民党は中国と同じ漢民族ですが、彼らは決して表に立たず、第三国の人たちに日本非難をさせるという戦略で、南京大虐殺などを捏造していきました。

 それとまったく同じ構図の戦略が、今も行われているのに対し、日本はほぼ無防備といっていい状態です。日本の対外広報予算は、年間百七十億から百八十億円。安倍政権になってから、予算を増やすと言っていますが、どのくらい増えるのか未知数です。

 外務省関連のさまざまなプログラムもあるでしょうが、民間の立場から、日本理解を進めるために力を尽くしたいというのが、「寺田真理記念 日本研究賞」にかける思いです。

田久保
いわゆる慰安婦問題でも異常な誤解を生じました。その原因の一つは、日本はどんな国体、国柄で、二千年来、いかに存続してきたかという歴史を理解している学者が少ないことです。国基研理事の平川祐弘さんが、著書に書いていますが、外国人は、神道の理解がほとんどありません。欧米には、神道に関する確かな解説書がありません。だから、靖国神社が理解できず、アーリントン墓地と同じようなものだと思っているのです。

 平川さんは日本を本当に理解した外国人は、ラフカディオ・ハーンとポール・クローデルの二人だろうと言っています。私と親しかった村松剛さんは、アンドレ・マルローを上げていました。アンドレ・マルローは那智の滝では思わず息を飲み、伊勢神宮に行っては、これこそ神が存在する場所だと驚愕しています。

 日本を高く評価し、神道の本質にふれた人は、日本の解釈を誤りませんでした。現在の日本のことも重要ですが、日本の本質に迫るような研究者を一人でも多く増やしていくことが、遠回りのようで近道だということを力説したいと思います。

外国人に日本を研究してもらいたい。
この賞がそれを促す水先案内人になれば。

櫻井
日本研究は、単に現代の事象を研究するだけではなく、文明論、宗教観にまで踏み込んでの理解の域に達してほしい。でなければ、本質が見えてこないと思います。村松剛さんの批判に耐えるような深みに達したかどうかは別にして、かつてはそういう研究をする人が少数ながらいました。今、そんな人もほとんどいなくなって、神道は、アニミズムだと捉える人たちが出てきています。神道に理解がないどころか、戦後、アメリカが押しつけようとしたキリスト教的なものを支持する人たちもいるわけです。

 ですから、根本的なところから始める必要があります。日本の国柄などは、さまざまな形で日常生活のレベルまでに存在しているわけで、そこに触れてくれる人、触れたいと思う人、触れることによって、これが日本だと感じてくれる人たち、とくに若い人材を増やしていかなければ、日本は他国との価値観や国柄の「せめぎ合い」において負けてしまうと思います。

 今、日本は、中国を意識しなければなりません。中国は、程度の差はあるにせよ、相手を飲み込んで消滅させるという手法を使います。チベット、ウイグルに対しても、ラオス、その他の国々対してもみなそうです。世界が、民族独特の価値観に対して敬意を払い、それを受け止めていくという傾向が少ないなかで、日本は日本文明という独特な文明観をもつ国として、これを理解してもらう努力を積極的にしていく必要があります。

 これからの二十一世紀を考えるとき、私は日本文明、日本の価値観が、人類の救いになるという気がしてなりません。キリスト教やイスラムや多くの国々が信じている価値体系とは違う神道をもっている日本文明を、世界のモデルにするのは夢のような話だと思うかもしれません。しかし、自然と融合しながら、一人一人の人間を大事にする本当に穏やかな文明は、これから世界が目指すべき方向になると自信をもって言えます。そのためにも、まず日本を研究してもらうことが大事です。国基研そして日本研究賞が、それを促す水先案内人になることができれば、最高にうれしいと思います。

田久保
古来の日本独特の文明といいますが、いろいろ諸外国とミックスしているわけです。国基研の客員研究員のロナルド・モースさんは、柳田國男の研究者です。彼が最近大変良い本を編集していて、彼自身その中で、柳田國男の日本論はハーンの手法にかなり影響されていると書いています。聖徳太子のとき、日本の神々の中に仏教が入ってきて以来、神道と仏教は今も混在しています。日本人は、インド仏教を日本独特の違う仏教につくり変えてしまいました。キリスト教に対しても、クリスマスで大騒ぎするという楽しみだけを受け入れた面もありますが、信徒の数は二パーセントにもならないのではないでしょうか。儒教も、日本では武士道とミックスして独特の儒教になっています。仏教もキリスト教も儒教も、すべて日本的なものになって、独特な文化が栄えたということです。日本は、一神教ではなく、いろいろな神様がいて、経典もない。そうした宗教をもったのが日本人だということ発信するために、これを橋渡しする人が必要です。日本文化の研究者が鍵を握っていると思います。

櫻井
仏教を受け入れたのは、すさまじいことです。五十年間も日本国内で戦争までして、その五十年の末に、異教を見事に受け入れたわけです。こんなことは、他の国々ではありえません。自然の中から生まれてきた神道の、あらゆる面での寛容さを体現してきた日本の価値観のすばらしさを、もっと世界中の人に知ってほしいと思います。それが人類の未来に役立つでしょうし、それを伝える橋渡しになるのが、この研究賞だと思っています。私たちは、若い世代の研究者たちの日本研究を奨励するために、しっかりした選考を重ねていって、世界の研究者の期待に応えたいと思っています。

田久保
単に賞を与えるだけでなく、こういう研究者がこういう理由で受賞したということを内外に知らせないといけません。それが、日本研究と日本研究賞の大きな意義ですし、国内外の日本人の励みになります。そのために、ジャーナリズムが飛びつくような工夫をし、この志を知ってもらうことが重要だと思います。



櫻井よしこ
ハワイ大学卒業(アジア史専攻)。クリスチャン・サイエンス・モニター紙東京支局員、日本テレビのニュースキャスターなどを経て、フリージャーナリスト。平成19年に国家基本問題研究所を設立し、理事長に就任。大宅壮一ノンフィクション賞、菊池寛賞、フジサンケイグループの正論大賞を受賞。『異形の大国中国』『宰相の資格』など著書多数。「21世紀の日本と憲法」有識者懇談会(通称、民間憲法臨調)の代表を務めている。



田久保忠衛
昭和8(1933)年生まれ。早稲田大学法学部卒。時事通信社でワシントン支局長、外信部長、編集局次長などを歴任。杏林大学社会科学部教授(国際関係論、国際政治学)、社会科学部長、大学院国際協力研究科長などを経て、現在名誉教授。法学博士。国家基本問題研究所副理事長。正論大賞、文藝春秋読者賞を受賞。著書は『戦略家ニクソン』ほか。産経新聞新憲法起草委員会委員長を務めた


















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