閔妃(ミンビ)は誰に殺されたのか―見えざる日露戦争の序曲 (日本語) 単行本 – February, 2004
by 崔 文衡 (著, 原著), 金 成浩 (原著, 翻訳), & 1 more
3.5 out of 5 stars 4 customer reviews
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Product Description
内容(「BOOK」データベースより)
朝鮮半島をめぐる緊迫した国際関係の視点から朝鮮王后・閔妃殺害事件の真相に迫る。
内容(「MARC」データベースより)
日韓最大の歴史ミステリー。日本の最初で最大の歴史歪曲であるといえる朝鮮王后・閔妃殺害事件。朝鮮半島をめぐる緊迫した国際関係の視点から、閔妃殺害事件の真相に迫る。
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Product Details
単行本: 262 pages
Publisher: 彩流社 (February 1, 2004)
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Top Customer Reviews
1.0 out of 5 stars妄想を膨らませた「反日史観」から一歩も出てない書籍である
By 佐渡高千 on August 31, 2009
Format: 単行本
『閔妃』殺害の犯人を「井上 馨」だとしている。これについては後述するが、私が一番知りたいのは『閔妃』がどうして殺害されたのかということである。つまり、『閔妃』が当時、日本人だけでなく朝鮮人の間でどう評価されていたかということである。この評価は大切で「政敵」あるいは民衆の敵が存在すれば殺害もあったと考えるからである。この書籍ではここのところがハッキリしない。政敵といえば「高宗」の尊父である「大院君」であり、『閔妃』は「壬午軍乱」(1882年)で一度殺されかかっている。この「軍乱」には「大院君」が『閔妃』を排斥しようとして起こしたものとされている。これに限らず「大院君」は『閔妃』の最大の政敵だったのである。著者がなぜ『閔妃』殺害について「大院君」の影を否定するかというと何が何でも首謀者を「日本人」のみに帰したいからである。
閔妃殺害に朝鮮人の「訓練隊」が参加していたが(日本式訓練を受けていた「訓練隊」は閔妃により解散の危機に瀕していた)、著者はここでもその役割を矮小化する。「禹 範善」は前日の京城守備隊本部での臨時会議にも出席しており、当日も王宮に日本人と一緒に入り国王の行動を阻止するためその居所を取り巻いているのにだ。こうした<矮小化>の意図はあくまで「閔妃暗殺」は日本人主導で朝鮮人が加わっており役割を負担としたのではまずいのである。
そして「井上 馨」である。彼は後任の「三浦梧楼」とは朝鮮観が異なっており、「井上 馨」が首謀者であるとは考えがたい。
閔妃殺害に「三浦梧楼」公使が加わっていたのは間違いなかろうが、朝鮮人も参加しており、その実体・背景は謎である。「三浦梧楼」公使の背後にいた日本政府首脳(誰かは不明)が引き起こしたものか、『閔妃』の最大の政敵だった「大院君」と「三浦梧楼」との合作だったのか、などは不明だということである。真相を究めるのは大切だが、資料を自説に有利に扱うのだけは止めていただきたいと考える。
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5.0 out of 5 stars韓国版『閔妃暗殺』
By かっちゃん on August 25, 2004
Format: 単行本
角田房子著『閔妃暗殺』が「閔妃殺害事件」を日本国民に紹介した功績は大きかった。それまで日本の高等学校日本史教科書には殆んど掲載されていなかったのが、『閔妃暗殺』刊行後は殆んどの教科書に記載されるようになったのである。この書物が韓国語にも訳され、韓国の人たちにも広く読まれていることが分かった。しかし、著者の角田評には手厳しいものがある。事件に対する日本政府の関与については著者の考えに同調できるが、角田の功績も評価すべきである。期待して読み始めたのであるが、井上馨首謀者説については残念ながら実証されていない。史料の裏づけが無いのでは、読者を納得させることはできないだろう。
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5.0 out of 5 starsきちんとした論証
By ゆとり on July 29, 2015
Format: 単行本
井上馨が計画し、三浦梧楼が実行したというのが、筆者の主張である。資料も豊富に使われている本書を丁寧に読んでいけば、それが無理のない結論になると私も思う。この当時、日本政府の中で最も朝鮮に長く滞在し、対朝鮮政策の中心にあって、閔妃とも最も多く接してきたのが、井上馨である。その対朝鮮政策の根幹が、閔妃一人によって大きく傷つけられ、妨害され続けるとするならば、その閔妃を排除するべきだと考えても不思議はない。それで後任に外交にはほとんど経験がなく、むしろ武闘派である三浦梧楼を選び、実行犯として命令したというのが、無理のない解釈であろう。それまで朝鮮と何の関係もなかった三浦梧楼が自分自身の判断で、日本政府の要人の許可なく実行したと考えるほうが無理がある。三浦梧楼が実行犯で真犯人は井上馨であろう。それを裏づけるのが、井上馨から三浦梧楼への引き継ぎが異様に長くかかっているということであろう。このあたりの説明は素晴らしい。多くの日本人読者は、本書が反日ということで冷静な評価ができていないように思う。
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3.0 out of 5 stars明治の男たちが仕出かしたこと
By 濱哲 on May 15, 2010
Format: 単行本 Verified Purchase
「井上馨」の存在に目を付けたあたり新種の着眼だなと思ったが、その中身を追って行くと、まいど御馴染み、歴史好事家好みの陰謀史観に嵌ってしまった。
まったく痛ましいかぎりの事件であり、あの時代の日本人のおつむの単純さ、粗暴さってのは弁護のしようがないが、しかし、だからといって、そこに日本政府の謀略やら、背後で糸を引く黒幕の策謀を想定するのは考えすぎというもので、残念ながら、叩いても何も出ないだろうと言わざるを得ない。
やはり、あの暗殺事件は、岡本柳之助が出馬を請うため大院君の許へ赴いたさい、中々許諾の返事が得られないうちに時間が経過し、酒を呑んで待機していた壮士連がベロンベロンに酔っ払った勢いで仕出かしたフロックに近い事件と見るのが正鵠を射ているのではないか。
なぜなら、暗殺されたという結果のほうから見てしまうと、閔妃が大きな政治力を持っていたかのように錯覚しがちだが、親清派だった閔妃一派=事大党は、日清戦争中すでに日本軍のソウル占領あたりから、気の強い閔妃が、性格の弱い高宗の袖を掴んでいるという細い線に縋って、多少の影響力を残していたというにすぎず、この事件の当時は、もはや大幅に李朝宮廷での政治力を削がれていたからだ。いわゆる親日派「金魚内閣」の崩壊は、この暗殺事件の結果なのであって、政権が高宗の信任を失ったことから起きたこと。
三浦梧楼にしても、せいぜい小煩い閔妃を高宗から引離し、どこかへ幽閉しようと狙ったくらいの企図でクーデターを仕掛けたところが、思わぬ手違いから殺してしまうことになって慌てたくらいのところが関の山で、およそ遠謀深慮なんかあったものではないと言えよう。
三浦梧楼や岡本柳之助の自伝などに目を通してみると、こういうタイプの人間の考え方や性格が解るのではないかと思うが、そうしたニュアンスまで紙背から読み取るのは、日本語をマザーランゲッジとする人間でないと、ちょっと難しいか。
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by 崔 文衡 (著, 原著), 金 成浩 (原著, 翻訳), & 1 more
3.5 out of 5 stars 4 customer reviews
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朝鮮半島をめぐる緊迫した国際関係の視点から朝鮮王后・閔妃殺害事件の真相に迫る。
内容(「MARC」データベースより)
日韓最大の歴史ミステリー。日本の最初で最大の歴史歪曲であるといえる朝鮮王后・閔妃殺害事件。朝鮮半島をめぐる緊迫した国際関係の視点から、閔妃殺害事件の真相に迫る。
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単行本: 262 pages
Publisher: 彩流社 (February 1, 2004)
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1.0 out of 5 stars妄想を膨らませた「反日史観」から一歩も出てない書籍である
By 佐渡高千 on August 31, 2009
Format: 単行本
『閔妃』殺害の犯人を「井上 馨」だとしている。これについては後述するが、私が一番知りたいのは『閔妃』がどうして殺害されたのかということである。つまり、『閔妃』が当時、日本人だけでなく朝鮮人の間でどう評価されていたかということである。この評価は大切で「政敵」あるいは民衆の敵が存在すれば殺害もあったと考えるからである。この書籍ではここのところがハッキリしない。政敵といえば「高宗」の尊父である「大院君」であり、『閔妃』は「壬午軍乱」(1882年)で一度殺されかかっている。この「軍乱」には「大院君」が『閔妃』を排斥しようとして起こしたものとされている。これに限らず「大院君」は『閔妃』の最大の政敵だったのである。著者がなぜ『閔妃』殺害について「大院君」の影を否定するかというと何が何でも首謀者を「日本人」のみに帰したいからである。
閔妃殺害に朝鮮人の「訓練隊」が参加していたが(日本式訓練を受けていた「訓練隊」は閔妃により解散の危機に瀕していた)、著者はここでもその役割を矮小化する。「禹 範善」は前日の京城守備隊本部での臨時会議にも出席しており、当日も王宮に日本人と一緒に入り国王の行動を阻止するためその居所を取り巻いているのにだ。こうした<矮小化>の意図はあくまで「閔妃暗殺」は日本人主導で朝鮮人が加わっており役割を負担としたのではまずいのである。
そして「井上 馨」である。彼は後任の「三浦梧楼」とは朝鮮観が異なっており、「井上 馨」が首謀者であるとは考えがたい。
閔妃殺害に「三浦梧楼」公使が加わっていたのは間違いなかろうが、朝鮮人も参加しており、その実体・背景は謎である。「三浦梧楼」公使の背後にいた日本政府首脳(誰かは不明)が引き起こしたものか、『閔妃』の最大の政敵だった「大院君」と「三浦梧楼」との合作だったのか、などは不明だということである。真相を究めるのは大切だが、資料を自説に有利に扱うのだけは止めていただきたいと考える。
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5.0 out of 5 stars韓国版『閔妃暗殺』
By かっちゃん on August 25, 2004
Format: 単行本
角田房子著『閔妃暗殺』が「閔妃殺害事件」を日本国民に紹介した功績は大きかった。それまで日本の高等学校日本史教科書には殆んど掲載されていなかったのが、『閔妃暗殺』刊行後は殆んどの教科書に記載されるようになったのである。この書物が韓国語にも訳され、韓国の人たちにも広く読まれていることが分かった。しかし、著者の角田評には手厳しいものがある。事件に対する日本政府の関与については著者の考えに同調できるが、角田の功績も評価すべきである。期待して読み始めたのであるが、井上馨首謀者説については残念ながら実証されていない。史料の裏づけが無いのでは、読者を納得させることはできないだろう。
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5.0 out of 5 starsきちんとした論証
By ゆとり on July 29, 2015
Format: 単行本
井上馨が計画し、三浦梧楼が実行したというのが、筆者の主張である。資料も豊富に使われている本書を丁寧に読んでいけば、それが無理のない結論になると私も思う。この当時、日本政府の中で最も朝鮮に長く滞在し、対朝鮮政策の中心にあって、閔妃とも最も多く接してきたのが、井上馨である。その対朝鮮政策の根幹が、閔妃一人によって大きく傷つけられ、妨害され続けるとするならば、その閔妃を排除するべきだと考えても不思議はない。それで後任に外交にはほとんど経験がなく、むしろ武闘派である三浦梧楼を選び、実行犯として命令したというのが、無理のない解釈であろう。それまで朝鮮と何の関係もなかった三浦梧楼が自分自身の判断で、日本政府の要人の許可なく実行したと考えるほうが無理がある。三浦梧楼が実行犯で真犯人は井上馨であろう。それを裏づけるのが、井上馨から三浦梧楼への引き継ぎが異様に長くかかっているということであろう。このあたりの説明は素晴らしい。多くの日本人読者は、本書が反日ということで冷静な評価ができていないように思う。
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3.0 out of 5 stars明治の男たちが仕出かしたこと
By 濱哲 on May 15, 2010
Format: 単行本 Verified Purchase
「井上馨」の存在に目を付けたあたり新種の着眼だなと思ったが、その中身を追って行くと、まいど御馴染み、歴史好事家好みの陰謀史観に嵌ってしまった。
まったく痛ましいかぎりの事件であり、あの時代の日本人のおつむの単純さ、粗暴さってのは弁護のしようがないが、しかし、だからといって、そこに日本政府の謀略やら、背後で糸を引く黒幕の策謀を想定するのは考えすぎというもので、残念ながら、叩いても何も出ないだろうと言わざるを得ない。
やはり、あの暗殺事件は、岡本柳之助が出馬を請うため大院君の許へ赴いたさい、中々許諾の返事が得られないうちに時間が経過し、酒を呑んで待機していた壮士連がベロンベロンに酔っ払った勢いで仕出かしたフロックに近い事件と見るのが正鵠を射ているのではないか。
なぜなら、暗殺されたという結果のほうから見てしまうと、閔妃が大きな政治力を持っていたかのように錯覚しがちだが、親清派だった閔妃一派=事大党は、日清戦争中すでに日本軍のソウル占領あたりから、気の強い閔妃が、性格の弱い高宗の袖を掴んでいるという細い線に縋って、多少の影響力を残していたというにすぎず、この事件の当時は、もはや大幅に李朝宮廷での政治力を削がれていたからだ。いわゆる親日派「金魚内閣」の崩壊は、この暗殺事件の結果なのであって、政権が高宗の信任を失ったことから起きたこと。
三浦梧楼にしても、せいぜい小煩い閔妃を高宗から引離し、どこかへ幽閉しようと狙ったくらいの企図でクーデターを仕掛けたところが、思わぬ手違いから殺してしまうことになって慌てたくらいのところが関の山で、およそ遠謀深慮なんかあったものではないと言えよう。
三浦梧楼や岡本柳之助の自伝などに目を通してみると、こういうタイプの人間の考え方や性格が解るのではないかと思うが、そうしたニュアンスまで紙背から読み取るのは、日本語をマザーランゲッジとする人間でないと、ちょっと難しいか。
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