2016-05-08

安保法制 100の論点 - Peace Studies Association of Japan Page

安保法制 100の論点 - Peace Studies Association of Japan Page
安保法制100の論点
日本平和学会 「安保法制100の論点」について
 いわゆる「安全保障関連法案(安保法案)」は、第3次安倍政権が2015年5月に閣議決定して後、国会のみならず広く日本社会で議論の焦点となっている法案である。この法案は、これまでの日本の安全保障政策を大きく変更するものであるだけでなく、多くの憲法学者が指摘するように、日本国憲法違反である可能性が高い。さらに、当該法案は、自衛隊法、国連PKO協力法、周辺事態安全確保法をはじめとする合計10もの安全保障関連法の一括改正を目指すものであり、その対象となる争点の多さに比して、個々の争点に対応した具体的な検討や議論は、国会においてもまだ十分になされているとは言い難い。この「安保法制100の論点」は、日本平和学会としてこの問題が本来内包する無数の論点を数え上げ、暫定的な議論の整理をしたものであるが、その端的な趣旨は、当該法案の是非以前に、それを判断するための前提として、きわめて多くの検討すべき論点が未だに存在するという事実を広く確認することにある。
 この試みを進める上では、君島東彦会員と川崎哲会員が主任を務めるワーキング・グループをつくり、阿部浩己会員、堀芳枝会員、清水奈名子会員がグループの委員として論点を提起・整理し、執筆者の選定等を行った。この執筆者には、個々の論点を議論する上でもっともふさわしいと思われる会員が選ばれた。したがって、個々の論点についての見解は、学会の「統一見解」ではなく、あくまでも個々の執筆者に帰するものである。
 日本平和学会は、1973年に設立されて以来、特定の政治的立場を超えた、現代に生きる万人にとっての平和の条件を科学的に探求すべく議論を積み重ねてきた。しかし、「積極的平和主義」の掛け声の下に進行する現行の事態については、その方向性の是非にかかわらず、現在最低限の学問的熟議や論理的検討が必要不可欠となっているという認識に立つものである。この「100の論点」が、安保法制やより広く日本の平和問題について、今後広範に展開すべき国民的議論の一助になれば幸いである。

日本平和学会第21期会長 佐々木寛

2015年8月15日現在
日本平和学会「安保法制 100の論点」(論点リスト)

日米関係と東アジア
9. 北朝鮮と日本との関係はどうなっているでしょうか。(吉澤文寿)
10. 韓国と日本との関係はどうなっているでしょうか。(吉澤文寿)
13. いま米国と中国の関係はどうなっているでしょうか。

世界の紛争と暴力の現状
19. 対テロ戦争とは何でしょうか。(大津留(北川)智恵子)

安倍政権の「軍事化」政策
21. 安倍政権の基本政策として「積極的平和主義」という言葉をよく聞きますが、これは何なのでしょうか。(君島東彦)
22. 「戦後レジームからの脱却」とは何を意味するのでしょうか。(進藤 兵)
23. 日本会議とは何でしょうか。(勝村 誠)
24. 防衛装備移転3原則、安保法制、ODAの軍事化──いわゆる3本の矢──について説明してください。(川崎 哲)
25. 安倍政権の「軍事化」政策と日本経済の関係はどうなっているのでしょうか。(阿部太郎)
26. 日本の学術研究の「軍事化」の現状はどうなっているのでしょうか。(沢田昭二)
27. 安倍政権の教育政策をどのように評価しますか。(竹内久顕)
28. 安倍政権の女性政策をどのように評価しますか。(堀 芳枝)

国際社会から見る安保法案

安保法案の問題点──内容
36. 日本国憲法の平和主義はどのようなものでしょうか。(古川 純

安保法案の問題点──手続

安全保障のとらえ直し
60. 安全保障のディレンマとは何でしょうか。
63. 沖縄の駐留米軍は日本が他国から攻撃されないための抑止力になっているのでしょうか。
64. 軍事力に依存する考え方と女性の地位はどのような関係にあるのでしょうか。
67. 批判的安全保障研究とは何でしょうか。

歴史から見る安保法案
71. 日本はなぜアジア太平洋戦争に突き進んでいったのでしょうか。(伊香俊哉)
72. 靖国神社とは何でしょうか。(李 泳采)
73. 民族差別・他民族蔑視とアジア太平洋戦争はどのような関係にあったのでしょうか。(内海愛子)

戦争責任・戦後責任
76. ドイツの戦争責任の果たし方から何を学ぶべきでしょうか。(木戸衛一)
77. 日本はこれまでどのように戦争責任を果たしてきたでしょうか。(内海愛子)
78. 日本がアジア太平洋戦争の加害責任を果たすことが日本の安全を高めるのではないでしょうか。(林 博史

東アジアの共通の安全保障

軍事力依存の縮減

平和をつくる人々
89. 草の根の人々はどのように安全を保障し、平和をつくってきたのでしょうか(小田博志)
90. 戦後日本の平和運動はどのようなものだったのでしょうか。(藤原 修)
91. 憲法9条をめぐって、どのような憲法訴訟があったのか、教えてください。(稲 正樹)
92. 沖縄の平和運動はどのようなものだったでしょうか。(大野光明)
98. 暴力を克服し、平和をつくるために、大学、研究者、知識人はどのような役割を果たせるでしょうか。(清末愛砂)
99. 市民運動の世界的な連帯の可能性について教えてください(毛利聡子)
+α ポーポキの「ねこにもわからない『安倍総理の安保法制』」
ダウンロード
ポーポキの「ねこにもわからない『安倍総理の安保法制』」
ポーポキの「ねこにもわからない『安倍総理の安保法制』」
+α.pdf
Adobe Acrobat ドキュメント 294.7 KB
ダウンロード
[英語版]ポーポキの「ねこにもわからない『安倍総理の安保法制』」
[英語版]ポーポキの「ねこにもわからない『安倍総理の安保法制』」
+α_in_eng.pdf
Adobe Acrobat ドキュメント 235.3 KB

No comments: