「いき」の構造 他二篇 (岩波文庫) by [九鬼 周造]
「いき」の構造 他二篇 (岩波文庫) Kindle Edition
by 九鬼 周造 (著) Format: Kindle Edition
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Length: 198 pages Enhanced Typesetting: Enabled Page Flip: Enabled
九鬼周造
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Product description
内容(「BOOK」データベースより)
日本民族に独自の美意識をあらわす語「いき(粋)」とは何か。「運命によって“諦め”を得た“媚態”が“意気地”の自由に生きるのが“いき”である」―九鬼(1888‐1941)は「いき」の現象をその構造と表現から明快に把えてみせたあと、こう結論する。再評価の気運高い表題作に加え『風流に関する一考察』『情緒の系図』を併収。 --This text refers to an alternate kindle_edition edition.
内容(「MARC」データベースより)
日本民族に独自の美意識を表わす言葉である、「いき(粋)」とは何か。著者は「いき」を現象面から明快にとらえる。再評価の気運の高い表題作に加えて、「風流に関する一考察」「情緒の構図」の2篇を収録。
--This text refers to an alternate kindle_edition edition.
Product details
Format: Kindle版
File Size: 1679 KB
Print Length: 198 pages
Publisher: 岩波書店 (September 17, 1979)
Sold by: 株式会社 岩波書店
Language: 日本語
Top reviews
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田中 冬一郎
TOP 50 REVIEWER
5.0 out of 5 stars 日本の伝統文化に関わる方、必読。
Reviewed in Japan on October 8, 2019
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"『いき』の確信的意味は、その構造がわが民族存在の自己開示として把握されたときに、十全たる会得と理解とを得たのである"1926年発刊の本書は、ハイデガーの弟子にして『実存』を定着させた著者による、パリという異郷にあって日本独自の美意識の基本的構造を二元的態度、直六面体によって独創的、明快に描き出した不朽の名著。
個人的には名前にひかれて学生のときに手にした時は正直よくわからなかったのですが、伝統美術や哲学をかじった今なら!と再読の為に手にとりました。
そんな本書では、中国から上方に『粋(すい)』として輸入され、東下りして【江戸の遊郭において深化し】日本文化の美意識となった『いき』について着目し、西洋哲学的アプローチで『媚態』『意気地』『諦め』といったキーワードや二元論的態度【有名な構造図】で把握しようとした表題作他、芭蕉の説く『風流』について、あるいは俳句や短歌の『情緒』といった日本独自の美意識についても考察し言語化しているのですが。それらが【言語化しない漠然さにこそ文化や芸術の価値を見出す】人には薄っぺらく映るかもしれないとしても。私のように『それでも』人前で美術をわかりやすく言語化して【解説する必要性を感じている】立場からは、よくぞ【当時においてここまで徹底的に!】と独創的な取り組みに読み進めながら拍手喝采したくなりました。(それはそうと、何となく"精神的な父"岡倉天心の『茶の本』の影響を本書から感じるのは私だけだろうか?)
一方で、関西ローカルな話で恐縮だが、江戸あるいは東日本における、どこか遊郭における艶っぽさや大人のクールさを感じさせる『いき』に対する【近畿圏の言葉は何だろう?】などと想像する中で浮かべたのが、市場における活気溢れる様子『市振る』から派生した『いちびり』で。こちらは目立ちたがりや、はしゃきまわるといった子供っぽさのイメージがつきまとうものの、やっぱり『いき』と呼ばれるよりは『いちびり』と言われた方がどちらかと言えば嬉しいし落ち着くな。と関西人としてしみじみと思ったり(笑)
日本の伝統文化に関わる方には当然として。輸入された西洋に対して日本文化をどう位置づけるか?先人の苦労に興味のある誰か、あるいは変化球的に【日本語ライム、日本ラップの出発点】としての著者に興味のある方の一冊目にもオススメ。
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とむ
3.0 out of 5 stars 素人には読み解くのが厳しい
Reviewed in Japan on December 23, 2019
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興味を持って手に取りましたが、時代の違いからか共感できない箇所が多くあったのと、遠回しな表現が多かったので、記念碑的な解説書として受け止めるに留めようと思います。
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ぽむぽむ
2.0 out of 5 stars 感覚を理論へ
Reviewed in Japan on May 12, 2018
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真面目に読むと疲れるので、面白そうな所を拾い読みしたけど、感覚的なものを理論にするってすごい事だと思いました。
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木村 暢男
4.0 out of 5 stars 以前から気になる本。
Reviewed in Japan on April 26, 2014
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現代に「いき」が有るやなしや。所詮古き明治大正の時代の価値観だ。しかし古典芸能理解にに不可欠の鍵だ。
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もるっち
4.0 out of 5 stars 気迫を感じる
Reviewed in Japan on April 21, 2006
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「いき」のキーワードは「媚態」「意気地」「諦め」の3つ。
異性に対しての「媚態」を基調とし、
武士道の理想主義の表れである「意気地」、
仏教の非現実性としての「諦め」を内包したものが、
「いき」という概念であり、日本人特有の意識現象である。
著者の「いき」に対する考察力に気迫すら感じたこの本。
「いき」の要素を六面体にして表したところなど、
発想の仕方がすごい!
ここまで踏み込んでものごとを考えられる著者の勇敢さ、
鋭さに驚いた。ぜひ参考にしたい。
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ヴァンセンヌ中納言
5.0 out of 5 stars 日本人の美学
Reviewed in Japan on March 1, 2011
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この九鬼周造『「いき」の構造』は、日本人が古来より持てる感性のひとつである「いき」について考察した名著である。本書はいろいろな言語に翻訳され、世界的にも広く読まれているようだ。
英語では『The Structure of "Iki"』、フランス語では『La structure de l'iki』、ドイツ語では『Die Struktur von "Iki"』、イタリア語では『La struttura dell'iki』である。いずれも「いき」は「iki」としか訳すことができず、そこからも「いき」が日本特有の美観であることがよくわかる。あえて「いき」と言う言葉を他国語に翻訳しようとするのならば、英仏語の場合だと「chic」あるいは「elegance」となり、それすなわち「シック」、「エレガンス」のことである。これはいただけない。ちなみに支那語では「精粋」になるようであるがこれもしっくりこない。
九鬼によると、畢竟、「いき」とは、「垢抜け=諦め」、「色っぽさ=媚態」、「張り=意気地」が織り成す、日本人固有の情緒、感性であるという。「諦め」は仏教に、「意気地」は武士道に、それぞれ由来する。
英訳の『「いき」の構造』の中には、タイトルを「The Structure of Detachment: The Aesthetic Vision of Kuki Shuzo」とするものもある。すなわち「Detachmentの構造: 九鬼周造の美学観」である。この場合「Detachment」とは、「世俗からの超然」や「無関心」を意味するのであろうが、九鬼の謂う処の「いき」において、この「無関心」すなわち「諦め」こそが大きなウェイトを占めている。
また九鬼は「趣味の直六面体」なる図形を用いることで、複雑で微妙な、言葉を以ってしてでは巧く言い表すことのできない「いき」をはじめとする日本人特有の心的傾向の構造をみごとにチャート化し、可視化させている。
蓋し名著といえる。
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pelicano
5.0 out of 5 stars 脱帽。
Reviewed in Japan on March 4, 2005
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面白いです。最初のページを読み出した瞬間から九鬼氏の言葉が驚くほどするすると脳に入っていく、こういう快感を最後に味わったのはいつだろうか?
うーんちょっと興味は有るけど、なんかむずかしそー。と思ってるそこの貴方。これは本当に名作です。是非、是非、読んでください。
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Amazon カスタマー
5.0 out of 5 stars 繰り返し読んでいます。
Reviewed in Japan on May 23, 2017
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冒頭は、「いき」の言葉としての説明があり、最初はとばしても構いませんよね?
興味をそそられたのが、「いき」な「色」と「音楽構造」。
日本人として「いき」な感覚と感性は、持ち続けたいです。
良い本なので繰り返し読みます。
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