2020-08-23

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Sejin Pak







Kozo Nagata
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豊下楢彦さんの最新刊『昭和天皇の戦後日本』。

これまでの豊下さんの研究と昭和天皇実録を重ねて、より精緻な論考になっている。
わたしに全責任があると語ったとされるマッカーサーの回想のあやしさ、
東条英機にすべての責任をかぶせる筋書き、
沖縄をアメリカに売り渡し、本土も含めてわざわざ米軍に駐留してもらうお願いをしたのが昭和天皇であることは、揺るがない。

吉田を飛び越えて、自身の戦争責任の回避のために、なんども憲法違反を繰り返した。

今回の本でより明らかになったのは、天皇は平和主義者でも、憲法の遵守者でもなく、ただただ皇統の継承にまい進したひとであったという事実だ。

美濃部・黒田・蜷川・飛鳥田といった革新知事・市長が誕生したとき、昭和天皇は危機感をいだいた。ソ連との軍事的緊張が高まり、自衛隊が肥大化することは、天皇制にマイナスだとも考えていた。

高松宮との関係も面白い。昭和天皇はなんども戦争をとめることができたと公言する高松宮をうとましく思っていた
わたしは、1945年8月のポツダム宣言受諾から玉音放送までの、昭和天皇の「ご聖断」を過剰に持ち上げる風潮に違和感を抱いてきたが、今回の豊下さんの本を読んで、ますますその思いが強くなった。

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