2017-01-08

加害国・日本人として安倍政権の「少女像」撤去圧力は許せない - アリの一言

加害国・日本人として安倍政権の「少女像」撤去圧力は許せない - アリの一言


加害国・日本人として安倍政権の「少女像」撤去圧力は許せない
2017年01月07日 | 安倍政権と日韓関係


     

 安倍政権は6日、プサンの日本総領事館前に新たに「少女像」(平和の碑)が設置されたことに対する「対抗措置」を発表しました。
 日本政府のこうした「少女像」撤去圧力はまったく理不尽であり、日本人として絶対に許すことはできません。

 そもそも「少女像」とは何でしょうか。ソウルの日本大使館前に初めて設置した(2011年12月)韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)はその意味をこう説明しています。

 「平和の碑は、被害者(元日本軍「慰安婦」-引用者)と(韓国ー同)市民社会が1000回を超える水曜日を見守り日本軍「慰安婦」問題解決と平和を叫んできた水曜デモの精神を称えた、生きた歴史の象徴物であり公共の財産である」(「日韓外相会談合意に対する挺対協の立場」2015年12月28日)。したがって、「このような平和の碑に対し、韓国政府が撤去および移転を云々したり介入することはありえないことだ」(同)

 韓国政府にその「ありえない」撤去を迫ったのが「日韓合意」(2015年12月28日)です。今回の「対抗措置」の〝根拠”になっているのもこの「合意」です。
 「日韓合意」とは何だったのか。改めてその原点に立ち返る必要があります。

 「合意」の直後、「戦争と女性への暴力」リサーチ・アクション・センター(バウラック、共同代表・西野瑠美子さんら)は、「『合意』では加害国日本の責任は果たせない」と題した「声明」(2016年1月23日)を発表し、「合意」の問題点を5点にわたって指摘しました。

 ①「合意」は「当時の軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた」とするだけで、「傷つけた」主体(主語)を明示せず、日本軍の責任をあいまいにしている。安倍首相は国会で「謝罪の言葉」を拒否し「性奴隷ではない」と繰り返した。

 ②岸田外相は会見で、財団に拠出する10億円は「国家賠償ではない」と明言。「国家賠償」でない金で、被害者と国際社会の非難・批判を「最終的かつ不可逆的に」封じ込めようとするもので、「おわび」や「反省」でないことは明白。

 ③「合意」は被害者を完全に無視。被害女性が「合意を受け入れない」と拒否しているのに、いかなる根拠で「最終的かつ不可逆的に解決」したと言えるのか。

 ④「合意」はアメリカ主導の日米韓軍事協力のために、被害者をスケープゴートにした。アメリカの圧力の下、被害者の人権回復より日米韓軍事協力を優先したのである。

 ⑤「合意」では「河野談話」(1993年8月3日)で示された歴史教育や記憶の継承への決意が消失した。平和の碑(少女像ー引用者)の撤去・移転を朴槿恵政権に約束させた安倍政権の意図は、記憶の継承どころか、日本軍の犯した戦時性暴力に関する記憶そのものの抹消にある。

 「バウラック声明」はさらに、「日本軍性奴隷制の加害は、日本が植民地支配、侵略・占領した全域に及んでいる。被害者は韓国以外にもいることを忘れてはならない」としたうえで、こう結んでいます。

 「加害国日本に住む私たちは改めて、日本政府に対し、日本軍性奴隷制による加害の事実を具体的に認定し、韓国を含む各国の被害者に対する法的責任を認め謝罪し、謝罪の証しとして賠償、歴史教育、記憶の継承などの具体的措置を実施することを強く求める」

 こうした問題山積の「合意」だからこそ、韓国の世論調査(昨年7、8月)では、「合意で日本は謝罪していない」84%、「再協議すべき」63%、「少女像の移転に反対」76%(「バウラック通信」16年12月号より)と、被害者や支援団体だけでなく多くの韓国国民から反対・批判されているのです。


 ところが、日本の主要全国紙(「読売」「産経」「日経」は論外)の論調(7日付社説)はどうでしょうか。

 「日本政府が善処を求める意思表示をするのも当然だ。…日韓合意は、元慰安婦らの心の傷をいかに癒せるかを双方が考え、知恵を出し合った結果であり、いまの両政府の関係を発展させる出発点でもある。この合意を侵食するような行動は双方が慎むべきだ」(朝日新聞)

 「プサンの少女像 合意の崩壊を危惧する」(社説のタイトル)、「両国と同盟関係にある米国は合意支持を繰り返し表明している。良好な日韓関係は、日米韓連携のためにも必要だ」(毎日新聞)

 「慰安婦問題では…合意で決まった救済事業は着実に進んでいる。この事実を韓国側はもっと重く受け止めるよう望む。…日韓はともに北朝鮮の脅威に直面する。日韓に米国を加えた連携の強化がこれまで以上に重要になる」(東京新聞)


 「産経」や「読売」だけでなく、「朝日」「毎日」「東京」のすべてが、「日韓合意」を礼賛し、日米韓連携(軍事協力)推進のために「合意」の実行を迫っているのです。
 「日韓合意」に対する全国紙のこうした大勢順応・体制翼賛ぶりは、日米軍事同盟(安保体制)下のおける日本のメディアの腐敗・退廃を象徴的に示すものと言わねばなりません。

 「少女像」「日韓合意」はけっして私たちと無関係な問題ではありません。「加害国日本に住む私たち」1人ひとりの考え、立場、生き方が、今、厳しく問われています。

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