大学生「もう限界!」、授業オンライン化の大混乱で孤独・睡眠不足・心身不調に | 『週刊ダイヤモンド』特別レポート | ダイヤモンド・オンライン
大学生「もう限界!」、授業オンライン化の大混乱で孤独・睡眠不足・心身不調に
ダイヤモンド編集部 鈴木洋子
経済・政治 『週刊ダイヤモンド』特別レポート
2020.8.4 4:37
大学生が今限界に
写真はイメージです Photo:PIXTA
コロナ禍に伴い、全国の大学で授業のオンライン化が急遽スタートした。だが、その移行過程で多くの学生から悲鳴が上がっている。アフターコロナに大学はどうなるのか、各大学の対応は、そして入試は?8月3日発売の週刊ダイヤモンド特集「コロナで激変!大学 入試・序列」では、大学側の対応をまとめるとともに、大学生へのオンライン授業に対しての思いを広くツイッターで募った。ここでは本誌に掲載しきれなかった大学生の叫びを紹介しよう。
「この先生は存在しないのでは」フィードバックなし、孤独で埋め尽くされるオンライン授業に悩む1年生が続出
「もしかしてこの先生って存在しないんじゃないか?この授業受けてるの私だけでは?と思うようになっていきました」
今年ある私立大学に入学した1年生から、週刊ダイヤモンド編集部の公式Twitterアカウントにこのような悲痛なDMが届いた。
「私の大学はオンデマンド授業なので、録音や録画、レジュメだけ。教授に質問を送っても返信はなく、その返信で分からないことを再度聞くことはできない。講義がアップされなくて大学に電話したら4回目に『先生にメールの解放をお願いしたので直接やりとりしてください。学校には連絡しないで』と言われました。それでもアップされない日もあり先生にお願いのメールを送っても、返信は3日後まで来ませんでした」
さらに苦しめられるのが、毎日大量に出される課題だという。「朝の9時から深夜の3時までパソコンと向き合う毎日です。レポートを提出した2時に確認したところ深夜の1時に違う科目がアップされていることを見つけ、2時からその科目の授業を受けました。寝ることが怖いのです。寝てる間に新しい科目が出てたらどうしよう。週末に休みという概念がなくなり、平日1~2回は早朝の4時30分まで課題をし、8時に起きてまた授業を受ける。家族が起きてきた6時30分にやっと寝て、8時に起きて授業を受けたこともあります。励まし合う相手がいないどころか、話せる友達さえいません。私のオンライン授業は孤独で埋め尽くされていました」――。
8月3日から発売中の週刊ダイヤモンド特集「コロナで激変!大学 入試・序列」では、アフターコロナで対応を迫られる各大学の対応、来春の入試の状況について詳しくまとめている。
コロナ禍に伴い、ほぼすべての大学がこの4月から一斉にオンライン授業に切り替えている。中でも注目すべきが、各大学のオンライン対応が、大学・教員によってバラバラであり、その過程で冒頭のようなトラブルと、学生への多大なる負担、そして混乱を招いているという点だ。スムーズにオンラインに切り替えて効果を生んでいるという大学がある一方で、大学の存在意義やそもそも入学した意味を見出せない、過重な負荷で心身の健康を害したという深刻な声が多く届いている。その中には驚くほど何度も、涙、心療内科、鬱、という単語が出てくる。1年生からの返答が約半数を占め、ある大学関係者は「今年度中に各大学から退学者が続出するのではないか」と危惧する。
「オンライン授業のメリットと課題が可視化された一方で、キャンパスに集まり学ぶことのかけがえのなさも浮き彫りになった。スクリーンに向かい課題をやることのみが“大学”になるのでは、学生がもたなくなることは明白だ。コロナ禍以前の状態に完全に戻すことは難しくとも、学生への精神的なケアや励まし、状況の変化に応じた学び方の刷新などの対策を強化しなければならない。大学トップも含めてアフターコロナの新しい大学の在り方を納得感ある形で明確に示していくことが求められているのではないだろうか」と同志社大学の浅羽祐樹教授は指摘する。
8月1日までに編集部アカウントに届いた声は136通、合計8万字にも及ぶ。実にさまざまな声が寄せられた。次ページからは誌面で紹介しきれなかった、大学生の肉声をお届けしていこう。
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「教科書の●ページを読んでください」で終わるオンライン授業
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レベルの低い“オンライン授業”にうんざり
●オンライン授業だと通常は90分授業のはずなのにテキストの何ページを読んでおいてください、という指示だけの授業もあり授業の質は明らかに低下しています。そして、課題で分からない事があって、教授に質問しても課題の提出期限までに返信が来ず、結局解決しないまま課題を提出した事もあります。結局提出期限の2日後に返信がきた為、全く意味がありませんでした。(1年生)
●特に辛いのは実験とプログラミングの課題です。実験ももちろん大学に行ってすることはできず、事前に買ったテキストとアップされた動画と補足の資料を見て行います。ですがテキストと資料では説明不足や動画が不鮮明で、あまり読み取れない部分も多く毎週約7、8ページ分の実験レポートをなんとかこなしている状況です。なんとかレポートを出してもフィードバックはありません。施設費込みの学費年間170万近くは変わりありません。頑張っていただいている先生ももちろんおりますが、このクオリティの授業でこの学費なのかと正直思ってしまいます。キャバクラやホストクラブなど夜の飲み屋までもが営業をしている中で、なぜ大学だけが自粛を強いられる必要があるのか正直わかりません。完全に対面にしてほしいと望んでいる訳ではありません。たった1度でいいから大学に行きたい、なぜそれが叶わないのかわからず苦しんでいます。 (東京・私立理系・1年生)
●オンライン授業と言いつつも大半はオンデマンド配信授業で、本来の授業時間90分の半分にも満たない時間の動画を見てリアクションペーパーを数百字書くという授業が多く見られます。(もちろんそうではない授業もありますが)こんな状況で、特に私のような1年生は友達を作る機会など一度も与えられず、先輩はおろか先生たちとも話したことがないので相談や質問などできません。前期の授業が5月からとなり遅れたことで、1年生へのレポートの書き方や大学の図書館の使い方や大学の基本的情報についても省かれ、レポート期間になったら質問禁止などという先生もいます。都立の図書館でさえ立ち入りは自由、自習も制限がありながらもできるというのに、大学は学生に施設を使うことを禁止してきます。それなのに数十万円する施設費を減額なしに請求してくるのです。(1年生)
●ほぼ全ての科目で課題としてレポートが課され、睡眠時間を削ってまでやっている状況です。授業の方もレベルが先生によって差があり、丁寧にzoomで授業をする先生もいれば「今日は教科書の第○章を読んでください」とだけ指示して授業を終わらせる先生、本来ならば100分授業なのに30分で動画が終わる先生、スキャンした資料を配りレポートを書かせるだけの先生とかなりレベルの低い先生が多いです。またレポートを書かせる一方で提出したままフィードバックもなし、レポートの書き方すら教えて貰えません。大学の施設も使えない、授業の質も下がっている、なのに学費は減額しない。これに不満が高まり署名運動まで起こりましたが減額しないの一点張り。インタビュー記事では論点をすり替え頑張れとしか言わない。かなり不信感が高まっています。(東京・私立・1年生)
●オンライン授業を行うと、PCを持っていない生徒や通信環境の悪い生徒に不公平が生じるため、大学側がzoomなどを用いたオンライン授業を極力行わないように決めました。この結果、ほとんどの授業は、教授があらかじめ撮った動画を見たり、解説の付いたレジュメや対面授業で使う予定だったレジュメをそのまま配布し、学生はそれを読んでレポートを書く形で進んでいます。まともに授業も受けられず、友人にも簡単に相談できない中、授業内容を理解するのは困難です。また、レポートの提出に対する教授からのフィードバックがほとんどないので、理解が正しいのかも分かりません。今は心療内科に通って、長期でやっていたバイトを休んで、課題をやっています。このままの状態だと、コロナの感染より先に精神を病んでしまいそうです。(東京・理系国立・2年生)
●授業が始まって3・4週目に入ると、気の緩みが先生方にも出てきて授業が手抜きになったり、先生が遅刻をするようになりました。5週目を過ぎると、授業の質の低下で例年の同学年の出来に対して私たちの能力が低い状況になりました。80分を想定して出された課題を1日かけて解く状況。授業中に生徒の回答スピードを見られる対面の環境と違い、宿題を解くスピードがオンラインでは先生には見えないし、見ようという努力も感じられませんでした。留年すると奨学金が打ち切りになるので、2年間の奨学金(300万)を抱えて学歴のないまま中退をするという道がリアルに目の前に見えてきました。深夜に家族の誰よりも遅く寝て、誰よりもはやく起きる生活ですが、いまだぬるい授業で楽をしていると思っている父は課題をリビングでする私の横でイビキをかいて寝ています。学ぶ為に大学に行きたいのに心のないリプライがたくさんのツイートについていて、それを相談する友達もいない現状、退学や自殺が出ていないか不安でたまりません。(理系・2年生)
写真はイメ―ジです Photo:PIXTA
●オリンピック対応のため自分の大学では15週間が12週間になる代わりに1コマが90分から120分になりました。しかしオリンピックが中止されたにもかかわらず120分のまま。また、どの科目も120分で終わるような内容ではなくレポートと授業を含めると1コマあたり6~12時間かかるのが現状でとても辛いです。また、実技科目として、週1回と2週間に1回の対面授業が1コマずつあります。大学側は教授間の連携が全く感じられなく、生徒の生活リズムを考慮していないと感じています。食べる時間、入浴する時間が無く、限界で心身共に疲弊しています。(理系・2年生)
●日を追うごとに課題しか出さず授業を一切しない教授、就職相談や卒論の相談がしづらい事にもどかしさを感じるようになりました。オンラインでもZoomを活用し、グループワークを一生懸命する教授や、使い方に苦労しつつも画面共有する教授、スライドに声を録音し本当の授業をしているかのように共有してくれる教授が居る一方で、特に工夫された訳でもないスライドを載せ、「このテーマについてインターネットを活用して課題を完成させてください」という授業とは言えない事をされている教授がいるのも事実です。これに授業料を払うのか……と思い親に申し訳ないと思う日々、大量の課題に追われる日々から、遂に体調を崩すようになりました。大学生だけ緊急事態宣言時の日本に取り残さないで欲しいです。大学で友人と馬鹿げた話をして笑ったり、時には課題を共にやったり、授業を一緒に受けたいです。最後の学生生活は家でぼっち授業なんて望んでいません。全面的に対面授業に!とは言いません。1部の授業、少人数授業のみ対面にして欲しいと強く思っています。(東京・文系・4年生)
多すぎる課題が蝕む健康
●後期もオンライン授業になり、学ぶ意味が分からなくなってしまいました。実験も出来ない、サークルも入れない、授業の質は低い、授業料だけ変わらない。正直やめようか迷ってます。精神的にも厳しいです。自殺者が出てもおかしくない環境だと思います。大学の教授は1つのレポートしか出していないと思っていますが、我々は週に20個もレポートを書いています。(1年生)
●ほぼ全ての授業で、出席確認の代わりにレポートが課せられます。授業によっては、2000字程度のリアクションペーパーを毎回書く必要があります。授業が進むにつれて疲労が蓄積し、なかなか思うように課題に向き合えなくなりました。長時間(100分間ずっと話される授業があります)画面に向き合うと疲れてベッドに倒れ込んでしまいます。動画配信型の授業では、全く集中ができなくなり10分ごとに休憩を挟まないと見ることができなくなりました。最近は課題が出されるたびに涙が止まらず、精神的に不安定な状況が続いています。また、フィードバックが一つもないのです。自分の評価が全くわからないまま課題を出し続けています。自分の知らないうちに落第している可能性もあるこの状況がとても怖いです。「大学生のうちに色んな経験をして」と話す方もいますが、とてもそんな余裕がありません。授業を受けて、直後にレポートを書いて、空いた時間に興味のある勉強をして、という「理想の」大学生活を送ることができる学生は、この状況ではほとんどいないでしょう。秋からもオンライン授業の継続が発表され、絶望しています。(東京・私立文系・3年生)
●1日に5、6個の課題をこなさないといけないような状況が続いています。一つの課題が400字なんて緩い物ならまだしも普通に8000字を超えるような課題もあって、何日も睡眠時間を削っても提出課題が終わらない日もあります。履修登録の際の猶予期間が一切なかったせいです。今までなら「この授業キツいから一回目でやめよ」という感じで成績につかない期間内でやめられたのに、今回は辛くてもやめると成績に影響が出るので取捨選択の余地がなくなりました。体調を崩して寝込んでも課題は待ってくれません。勉強がツラいからっていうだけじゃないんです。体調がおかしくなっても課題をやらないと留年してしまうから熱が出ても課題を嫌でもするしかないんです。特に資格の授業を複数とっている(教職、司書など)生徒は一つ落とせばパーです。
●夏休み直前になって、授業数が2回分減ったこともあり、2回分を課題で補充しろという学校からの指令通り先生たちは課題を多めに出します。学期末ということもあり、中間と期末課題を一気に出してくる先生もいます。あまりに毎日意味もなく泣き続け、苦しいと言っているので精神系の病院に行くことを母に勧められ、行こうとしています。今までメンタルはとても弱いながらもきちんと耐えてこなしてきたものが、一気にキャパオーバーになり、毎日生きている意味もわからなくなってきました。本当に苦しいです。みんなが夏休みの中私たちはまだまだ出てくる課題と戦わなければいけない。大学生にも日常を全部とは言わず、一部でもいいので返して欲しいです。(3年生)
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オンラインだったら賃貸契約しなかったのに
●3月初旬に首都圏の大学に合格した直後に大学の周辺の賃貸を契約しましたが、感染拡大に伴い、現在まで空部屋に家賃を払いながら地方の実家でオンライン授業を受講している状態です。大学はどこまで感染が収束すれば対面授業を再開できると考えているのかも疑問です。(1年生)
●京都に下宿して大学に通っていたのですが、3月頃から、コロナ騒動で東京の実家に帰ってきて、実家で授業という名の作業に追われる日々を送っています。下宿先は、大学推奨物件であるがゆえ、縛りが多く解約しがたいのに対し、このような状況下における家賃減額などの対応も何もないため、しかたなく同額の家賃を変わらず払い続けています。この頃、後期は週2日対面授業の方針説が有力となっていますが複雑な心境です。授業料を払っているからには、通常の対面授業など(私は理系なので、実験ができないのは痛いです)と同等の対応が欲しいと思う一方、対面が始まると、週2日しか京都に用事がないのに下宿をしなければならない。お金ももったいないし、ひとり暮らしでコロナになったらこわい。
●よく耳にする不満(授業の質が低い、課題が多いなど)はありません。しかし、オンラインがいいかと言われるとそうではなく、周りの状況が見えないのは辛いです。また、私の場合は受講環境がよくありません。自室にエアコンがなく、暑い中で授業を受けています。授業日の夜は頭痛がします。先生方のサポートは手厚すぎるほどです。ゼミの先生は授業時間外にも卒論の指導をしてくださっています。語学の先生は授業内でzoomの機能を駆使し(ブレイクアウトルームやホワイトボード等)、対面と変わらない授業を行ってくださる他、毎授業の課題添削も早いです。(4年生)
深刻な図書館問題
●図書館は予約制になり、時間制限が設けられました。開館されているだけ有難いのですが、長時間の滞在が不可能となりました。図書館は本を探して借りるだけの場所ではありません。家における学習環境が整っていない学生の勉強場所にもなります。大学は学生たちの居場所であるべきだと思っています。世の中にはどうしても学びたくて奨学金を借りてまで大学に入った学生がいます。大学の整った施設を使用したくて大学へ入った学生がいます。これらは「遊びたいだけ」と簡単に切り捨てられるものなのでしょうか。 (東京・私立・2年生)
●大学の施設の利用は原則として制限され図書館なども30分以内と利用時間が短くなりました、本がないと勉強がとても不便です。研究を行うには不十分です。学術書は高価なものが多いので買うのも難しいです。学部一年生がレポートを書けないので自腹で本を購入していると聞きました。これは経済的に余裕があるかどうかで勉強できるか決まる状況であり、勉強したい学生にとっては由々しき事態です。(大学院生)
不足する大学からのサポート
●大学も電話窓口を閉鎖し、先生にも直接伝えられない。メールで大学窓口に先生との関係を相談したのに間に入って説明してくれるわけでもない。友達も授業で少し絡むだけ。名前もお互いろくに覚えていない。サークルの新歓もなく、先輩との関係もないから、授業の情報もわからない。まず、どれくらい頑張れば単位をもらえるのかも知らない。だから1度課題を完成させても不安で何度も見返し気づけば次の日は1限もあるのに朝になっている。孤独と不安に押しつぶされそうで泣いています。(東京・1年生)
●先日いきなりメールで秋冬のオンライン化が告げられました。そのメールは自動送信で返信も不可能なタイプなものです。どのような経緯でその結論に至ったのかの説明が一切なかったのも許せないです。怒りでその日は眠れませんでした。(東京・2年生)
●理系なので今まで実験がありましたが、今はオンラインで先生が実験している様子を見てレポートを書かされます。入学する前、私の大学では就活に関するサポートが十分に備わっていると学校のウェブサイトに書いてありました。しかし現在学校へ立ち入ることができないため、学校からの就活のサポートはほぼありません。昨年まで行っていた就活セミナーもなくなり、就職科に相談するのもZOOMで最大50分間しかありません。(理系・3年生)
写真はイメージです Photo:PIXTA
●私は大学側に学生に対して集計した意見書やアンケートなどで、学生の意見を大学側に送り、何が問題なのかを5月には提示し、代替案も送りました。しかしながら、大学側は7月に入るまでに学生の実情を拾う気がないのか大規模なアンケートもとらず、対応も未だに個々の責任であると述べたままです。また、学費の内訳、教授によって質が明白すぎることに関しても無言を貫いており、また、SNSで大学のことを話すことは誹謗中傷にあたる、と半ば言論統制のようなことも言っています……。非常に情けなく、悲しい気持ちであります。(関関同立・4年生)
●自分が専攻している生物学では実験ができないと始まりません。これらは長期的にみれば学問の発展にかなり悪影響を与えると思います。また、大学は学生がいないことをいいことに管理強化を強めており、日に日に大学から自由が失われていることを実感します。大学当局とっては体制に批判的な学生がいないことは望ましく、感染拡大防止を名目にした学内管理強化の一環なのではないかとも思っています。(理系・3年生)
●大学はキャンパス閉鎖処置について、「学生諸君の健康を考えて」のことであると繰り返します。しかし、孤独もまた我々の心身を蝕みます。すでにサークルなどの複数の友人が鬱病を発病しました。彼らに寄り添いたいですが、大学が課外活動の自粛を要請しているため会いに行くことすら憚られます。要請に背いた場合、罰則も有りうるそうです(自粛要請なのに!)白々しく「学生諸君の健康」を強調して我々の孤立について顧みない大学には、もう不信感しかわきません。(京都大学・3年生) --
オンラインで深刻化する孤独
●まじで生きてる理由が分からなくなりました。友達と遊ぶ時間も犠牲にして夜寝る時間も惜しんでずっと勉強して、やっと志望校に受かってこれからたくさん楽しいことが待っている!ってときに全面オンラインになって、キャンパスにさえ入れてくれない。自分の些細な話を聞いてくれる人もいない。ずっと孤独と戦っています。たまに外に出ると高校生たちが集団で楽しそうに登下校をしており、なんで大学生だけ、と、涙が出そうになります。(1年生)
●友達は0人、地元から離れた大学を選んだため知っている先輩も0人、辛くて不安で孤独でたまりません。授業が雑(レジュメを寄越すだけ)なわりに課題が多く、課題が多いわりにフィードバックが一切ありません。先生に何度か訴えましたが誰も取り合ってくれませんでした。(1年生)
●対面授業が無いため勿論、相談や話をできる身近な友達もできていません。楽しいことも無ければ課題を家の中にこもってカタカタと永遠にパソコンに向かう日々に涙が出ることもあります。今後もオンラインで相変わらず状況が変わらなければストレスから自ら命を絶つ学生も出てくるのではないか。同じ思いを抱いた大学生を見ていると大いにあり得ると思います。(1年生)
●後期になれば、と思いながら必死に耐えてきましたが後期原則オンラインが先日発表されました。もう限界です。世間は日常を取り戻す中、私達だけは置いてけぼりです。私たちの悲しみは私たちにしかわからないのかもしれません。新しい環境での孤独がどれだけ辛いのか、普通に高校を卒業し、友達とたくさん思い出を作り、祝福されて大学に入学し、先輩を頼りながら履修登録をして、新しく出来た友達たちと楽しい大学一年生としての大学生活を謳歌した大人たちにはわからないのかもしれません。それでもわかって欲しい。少しでいいから、私達をこの地獄の中から救って欲しい。(1年生)
●大学での人との出会いの価値は非常に大きい。たくさんの人と出会い、多種多様な考え方に触れ学ぶ機会を私たちは奪われています。他の大学は分かりませんが、私の大学のHPには「我が校で学べるのは学問だけではない。多くの仲間と出会い、たくさんの経験を共有できる。」と書かれています。……できていません。実際はオンライン授業を受け、対面テスト代わりのレポートをこなすために1日中パソコンと向き合って終わりです。(2年生)
●大学では楽しみたいと期待して受験して合格したのにコロナで行けてません。もうどうしたらいいんですか?もうこんな毎日嫌な思いして、家にいるだけで、なんで生きてるんだろうってなるし、なんのために生きてるんだろうってみんななってます。お願い助けてください。もう限界です。(大阪・1年生)
●課外活動が停止されたことにより、学生間の交流が希薄になり、特に既存の人間関係を持たず慣れない環境で新生活を始めた新入生を中心に、先行きの見えない不安を抱える学生が多数現れていることは学内アンケートからも確認できます。また無期限の対面新歓禁止令のために存続自体が危ぶまれるサークルも出始めています。学生の人間関係や精神状態を課外活動によって回復できないことは、正課においても情報が交換できなかったり、欝になり勉学が捗らないなど様々な問題があると考えています。(京都大学新歓対策会議事務局)
保護者からも上がる怒りの声
●年間140万円の学費の対価が、田舎の自室のパソコンに1人きりで向かう日々とは、かわいそうで見てられません。コロナは来年になったら収まっているんでしょうか?専門家の方々はワクチン実用化には数年かかるとおっしゃってます。では、その間ずっとオンライン授業なのでしょうか?(1年生保護者)
●5月当初、先生たちもオンライン授業は初心者のため、出欠確認できなかったり、課題を提出しても提出したことになってなかったり対応が酷過ぎでした。明治大学は一コマ100分ですが、課題が書かれたPDF1枚が提示され、レポートを出すだけのお粗末なものもあります。我が子は今知り合いもいない関東でマンションの一室に籠り、ひたすら課題をしています。連絡をとる度に明らかに元気がなくなり、口数が少なくなり人と話すのが怖くなったと言い始めています。Yahooニュースに掲載された学長の記事は怒りの炎に油を注ぐものでした。オンライン経費支給も他学が5万7万のところ、明治大学は1万円。馬鹿にされています。誰にも会わず課題をするだけなら、通信制の大学です。学費は通信制の大学と同等で良いのではと思ってしまいます。(明治大学・1年生の保護者)
●娘は医療系大学で、まだ1度も学校へ入れて貰えないし大学で授業も1回も受けてません。なのに8月から病院実習に1週間行くのです。大学でなんの指導も説明も受けないまま。さらに1年生が大学に1度も入って授業受けて居ないのに、同じ8月に高校生とその保護者約270名招待しオープンキャンパスを開催するんです。許せないです。新入生や在校生の対応より受験生集めに必死の大学に落胆と憤りしかありません。新入生は1度も顔合わせしてません。オープンキャンパス270人入れるなら新入生100人オリエンテーション出来るはずなのに。(医療系大学1年生保護者) --
このままでは退学・休学も……
●普通の総合大学に進学する意味合いが皆無です。後期から退学する学生が大量にいても何も不思議ではないですね。それによって部活、サークル、ゼミが成り立たなくなるようなところもあるでしょうね。私自身も特待生じゃなければ退学してました。今現在考えていることは休学です。なぜなら大学生活を送れる保証がないからです。
●私の大学はオンライン授業の開始が5月の最終週からでした。1月後半から春休みに入り、4カ月も春休みがありました。その分の施設費や授業料は返ってきません。授業が始まったと思えば、レジュメが送られてきてレポートを書くだけ。レポートを書くのはいいとして、答えが返ってこないから、成績に反映されているのかが不安で仕方ないです。子供は学校、大人はgotoキャンペーンで旅行。その中間にいる大学生は家にいて課題に追われる日々を送るしかないのでしょうか。心が限界にきています。もういっそのこと大学を辞めてしまいたいとも思います。(3年生)
●東京都でコロナが広がった事で、実習先であった病院から待ったが掛かってしまいました。私の目指す職種は病院の実習無くしては資格を取得できません。現在、病院の方も何かと問題が起きているようで、学生に構う暇も無いのかも知れませんが、私達学生はどう対応したらいいか路頭に迷っております。実家にある親の飲食店は潰れてしまい、私もバイトのシフトになかなか入れない状況です。もし、このままカリキュラムを消化できず、留年ということになれば、大学を辞めざるをえません。(東京・医療系)
オンライン賛成の声もあがる
●「1年間ずっと隔離状態で、友達すら出来ていないのに!」という新入生の気持ちは理解できます。私も1年間外にほとんど出られないこの状況を憂いています。ですが、楽観視しすぎた行動、感染者が再び増え続けていて且つ春よりも数が増えていてより危険な状態や、感染リスクを無視した、「後期からは対面授業を開始しろ」「1年間どうしてくれるんだ」「こんな事をするために大学に来たわけではない」と言い続けるのは違うと思うのです。そもそも、この状況を作ったのは大学のせいではないですし、現在蔓延っているウイルスが劇的に減少しない限りは対面授業はやるべきではないと私は思います。加えて私は喘息持ちなので他の人以上に感染するわけにはいかず、「後期からの対面授業開始」が実現されてしまった場合、私は死刑宣告をされたも同然の状況に陥ってしまいます。(青山学院大学・2年生)
●個人的にはとても助かっている部分が大きいです。私はうつ病患者で、その為に従来のシステムだと全く授業や課題についていけずに苦労していましたが、オンライン化で自分のペースで課題を勧められる時間が増え、病状をきちんと学校側に伝える時間ができ助かっています。大変だと、苦労していると皆口を揃えて言う。そんなの新しいことをしているのだから当たり前。それよりもっと先にある未来に向けて新しい時代の可能性の光に目を向けるべきではないかと思っています。わるいところに目を向けるのはもちろん大切だけれども、そこでずっと足の引っ張り合いをしている場合では無いと考えております。
●私はこのオンライン授業の期間を決して無駄にしたくないと考えております。たしかに通常の授業と比較すると失われるものはあると思います。しかしそれ以上に新たな試みとして評価されるべきところはあるのです。そこをなんらかの不快感から「オンライン授業は微妙だから対面がいい」と、二項対立的に考えるのではなく、「オンラインだと対面に比べて何が足りていないから、それをいかにテクノロジーで解決するか」に着目すべきなのです。ですがあたかも対面授業に戻るまでの“出来ない期間”とみなされて、応急処置的に扱われているのがとてももったいないと思っております。テクノロジーの進歩による遠隔での可能性を最大限まで実験することで、このコロナを少しでも有益に過ごしていきたいと私は考えています。(慶應大学)
●大学生は大学側と対立する事を望んではいません。大学対学生の構図では根本的な解決に至らないことを学生は知っています。学生も大学も苦しいなら一緒に連帯して変えたいと思っている学生もいるということも伝えてほしいです。
●体感的にはオンラインの方がいいです。今まで大学に通うのがひたすらだるくて、引きこもり体質な大学生は“強制オフライン制度”に虐げられてきました。やっと自分たちの時代が来たなと、そう思っております。zoomのチャットで気軽に教授に質問ができるので、大講義室で挙手する勇気のない人でもインテラクティブに授業が受けられます。大学の社会的側面を注視してオンラインに反対する声も大きいですが、逆にその社会的側面によって純粋に学問へと向き合う時間が減らされていたのも事実であります。
●私の学部は平時では200~300席ほどの大講義室での授業がほとんどで、多くの授業で席数が足りずに地べたで聴講する生徒がいるような状況ですので、教員と講義室を増やさない限りはとても対面授業を再開できるような環境ではありません。一方、オンライン授業では時間と場所の制約が無く学習を進められるおかげで普段よりも自分の時間が取れていますし、少なくとも私の履修している講義では教員の方々が工夫して資料の作成や課題の設定、オンデマンドでの講義配信などを行なってくださっていますし、質問フォームに投稿すれば丁寧に回答をしていただけます。そうした手厚いサポートのおかげでオンライン授業が始まってからは学習に対する意識が平時より向上していますし、精神衛生も良好です。少なくとも教員数のあまり多くない国公立大学かつ座学中心の学部に限っては遠隔授業の方が適しているということを多くの人に知っていただきたいです。(地方・国立)
大学関係者からもコメントが
●大学側としても、対面授業を再開したい気持ちはおおいにあるのですが、新型コロナウイルス感染リスクを考慮し、秋学期・後期は、「原則オンライン授業」という方針にせざるをえない状況です。特に新入生については、大変申し訳なく思っているのは、多くの大学関係者の共通見解かと存じます。最近、「小中高は学校が再開しているのに、なぜ大学の対面授業は再開できないのか」という意見・苦情が多いですが、小中高と比べると学生数と生徒数が2~3桁は違う(大学は千人単位、下手すると万人単位)/授業もそうだが、学園祭などのイベントがあると、人が過密する/長い通学時間。小中高と比べて、県またぎの通学者が多い/教室・設備数が多い、時間割・座席が固定的ではない、各個人ごとの時間割がバラバラであるため、罹患者が出た場合の、濃厚接触者の洗い出しが困難である/高齢な教員が多い/若者は無自覚・無症状で通学してくる/狭い空間での語学やディスカッション重視の授業では、飛沫による感染リスクが高い/小中高よりも、大学側、学生側のオンライン授業の環境が整っている。この春学期はいろいろあったが、受講環境は整ってきている/部活動やサークル活動などの、集団活動による感染もある。中央大学合宿所のケースがそうだった/夕方に授業をやると、まっすぐ家に帰らずに、呑みに行く(東北工業大学のケースがそうだった。キャンパス内ではなく夜の街のクラスターで、罹患する可能性がある)などの問題があります。全面的に再開したくても、出来ないのが現状です。学生や親御さんには、「声の数の多さ」では決められない点を、ご理解いただきたく存じます。(首都圏大学関係者)
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アフターコロナに、大学はどうあるべきなのか?それが今こそ問われている。東西主要大学11校の学長インタビューや、オンライン授業への各校の対応、そして今後の入試や大学選びとは。ぜひ週刊ダイヤモンド本誌で確かめてほしい。 --
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