2020-08-01

朝鮮半島と日本の未来 (集英社新書) (日本語) 新書 – 2020/5/15 姜尚中






朝鮮半島と日本の未来 (集英社新書) (日本語) 新書 – 2020/5/15
姜尚中 (著)
5つ星のうち4.0 34個の評価
「これは、私の人生において最も大切な一冊なのだ」
朝鮮半島の統一はいつ実現するのか。
そして日本には何が起こるのか?
政治学者・姜尚中の真価を問う、渾身の論考!


1950年の朝鮮戦争勃発から70年が経過した。
朝鮮半島においては、様々な場面で南北の分断体制の限界が露呈している。
加えて、2018年には歴史的な米朝首脳会談が実現するなど、統一への動きが着実に進みつつある。
一方で、日本ではいたずらに嫌韓感情を煽ったり、むやみに脅威論を並べ立てたりする偏った報道ばかりが目立ち、なかなか事態の本質は見えてこない。
しかし、二国間関係での感情的な対立にばかり目を向けていては、その背景で進行しつつある深い次元での構造的な変化を見逃してしまいかねない。

コロナウイルスのパンデミックが宣言され、いっそうの混迷を深めるかに見える世界情勢。
しかし、著者はこの未曾有の危機にこそ、むしろ冷静にポジティブな未来像を描き出そうとする。
分断と対立の歴史を乗り越え、朝鮮半島が統一を遂げる日は来るのだろうか。
そして、その動きに日本はどのように関わっていけばよいのだろうか?
「第一次核危機」以降の北東アジア四半世紀を丹念に総括しながら、一脈の光明を見据えて朝鮮半島と日本の進むべき道を探った、政治学者・姜尚中の真価を問う渾身の論考!


【目次】
はじめに
序章 危機には変化が必要だ
第一章 なぜ北朝鮮は崩壊しなかったのか
第二章 南北融和と「逆コース」の三〇年
第三章 「戦後最悪の日韓関係」への道筋
第四章 コリアン・エンドゲームの始まり
終章 朝鮮半島と日本の未来
おわりに
資料1 朝鮮半島と日本の未来について考えるための基本書
資料2 朝鮮半島と日本をめぐる重要諸宣言文


【著者略歴】
姜尚中(カン サンジュン)
1950年熊本県生まれ。政治学者。東京大学名誉教授。鎮西学院学院長。熊本県立劇場理事長兼館長。
著書は累計100万部超のベストセラー『悩む力』とその続編『続・悩む力』『母の教え 10年後の「悩む力」』のほか、
『ナショナリズム』『姜尚中の政治学入門』『ニッポン・サバイバル』『増補版 日朝関係の克服』『在日』、
『リーダーは半歩前を歩け』『あなたは誰? 私はここにいる』『心の力』『悪の力』『漱石のことば』『維新の影』など多数。
小説作品に、いずれも累計30万部超の『母―オモニ―』『心』がある。


商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)
朝鮮戦争勃発から七〇年が経過した。朝鮮半島では様々な場面で南北の分断体制に限界が露呈するとともに、二〇一八年には歴史的な米朝首脳会談が実現するなど、統一への動きが着実に進みつつある。しかし日本では嫌韓感情を煽ったり、脅威論を並べたりする偏った報道が目立ち、事態の本質はなかなか見えてこない。コロナウイルスのパンデミックが宣言され、混迷を深めるかに見える世界情勢。しかし、著者はこの未曾有のピンチにこそ、むしろ冷静にポジティブな未来像を描こうとする。「第一次核危機」以降の北東アジア四半世紀の歴史を丹念に総括しながら、一脈の光明を見据えて朝鮮半島と日本の進むべき道を探った、渾身の論考!
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
姜/尚中
1950年生まれ。政治学者。東京大学名誉教授。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


登録情報

新書: 256ページ
出版社: 集英社 (2020/5/15)
言語: 日本語
ISBN-10: 4087211223
ISBN-13: 978-4087211221
発売日: 2020/5/15
商品の寸法: 10.6 x 1.2 x 17.3 cm
カスタマーレビュー: 5つ星のうち4.0評価の数 34
Amazon 売れ筋ランキング: 本 - 529位 (本の売れ筋ランキングを見る)
1位 ─ 朝鮮半島のエリアスタディ
1位 ─ 集英社新書
9位 ─ 政治入門


Would you like to tell us about a lower price?
この商品を出品する場合、出品者サポートを通じて更新を提案したいですか?


目次を見る





スポンサー




トップレビュー

Amazonレビュワー

5つ星のうち5.0 ニュートラルな視点で近未来を見通す2020年5月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
表紙に書かれた文言に違わぬ力作であった。
北朝鮮による「第一次核危機」(1994年)以降の朝鮮半島史を、日本やアメリカとの関係にも触れながら通覧していく。
なるべく、中立的な立場から客観的に叙述を行おうとしているのが伝わってきた。
普段、Twitterなどでは「反日」などと誹謗を受けている著者であるが、とんでもない。
たとえば文在寅政権の外交的「根回し」の拙さや不器用さ、そして日韓両国の国内世論に押される形での外交的強硬姿勢への批判など、きちんと述べるべきところは述べている。
そのうえで、現実的な路線としての「朝鮮半島統一」への道筋と、そこに至るまでに日本がとるべき態度についてもまとめられている。
投資家のジム・ロジャーズ氏も新書で述べていたように記憶しているが、本来、朝鮮半島の統一は地理的に近い日本にとっては、経済面で大いなる果実をもたらしてくれるはずなのである。
コロナ禍で冷え込んではしまったものの、これまでの日本の観光業の収益のそれなりの部分や、貿易黒字は韓国に支えられてきたことは明らかであり、今後の関係構築はメリットが多大だと言える。
それが、感情的な対立や情報戦(「歴史戦」と言うのか?)に絡めとられて泥沼化しつつあるのは、いかにももったいない。
本書は、日本人にとって冷静な視座を与えてくれる一冊である。
願わくば、翻訳などで韓国側でも本書が読まれ、反省すべき点を反省し、冷静な態度を取り直してくれるようになれば良いのだが……。

14人のお客様がこれが役に立ったと考えています
役に立ったコメント 違反を報告

mountainside

殿堂入りベスト10レビュアー
5つ星のうち5.0 南北朝鮮統一への願い!2020年5月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
①朝鮮半島統一へ向けての著者の願いが集約された総括的書物である。著者の思いは2018年に出された三文書によって証明される。1)「板門店宣言」2)「米中共同声明」3)「平壌協同宣言」である。
②「板門店宣言」は、目的が「朝鮮半島との平和と範囲い、〈統一〉」と明記されている。朝鮮戦争を「停戦」から「終戦」に変えて朝鮮半島の〈平和〉を確立し、南北朝鮮の〈繁栄〉を図り、最終目標の南北〈統一〉を実現するというシナリオ(道筋)が示されている。
※〈平和〉(朝鮮戦争の終結)→〈繁栄〉(両国の経済・文化交流)→〈統一〉という筋道が明確に示されていることが重要である。
③「米中の共同声明」は、朝鮮半島の〈非核化〉を米朝が確約することによって、朝鮮半島の緊張緩和を図る狙いがある。そのためには、北朝鮮の核兵器の廃棄と米韓共同軍事演習の縮小化、北朝鮮への経済制裁の解除が必要である。
④「平壌共同宣言」では、南北朝鮮統一に不可欠な経済文化交流、インフラ整備、夏季五輪南北共同開催等南北朝鮮の統一・一体感を高める行事の重視等が盛り込まれ、南北の〈繁栄〉のための方策が提示されている。
⑤こうして見ると、三文書は、朝鮮戦争の終結と南北の繁栄は、最終目標である南北統一へ向けてのステップであることが分かる。日本は韓国との間に横たわる「竹島(独島)領有権問題」、「従軍慰安婦問題」、「徴用工問題」に対処する必要がある。前年日本でも出版された『反日種族主義』で主張された韓国の反日政策の無意味さを理解し、日本へ向けた、先鋭化する「韓国ナショナリズム」を南北朝鮮統一へ向け換えるように働きかけることが必要である。『反日種族主義』の著者が言いたかったことは、「韓国ナショナリズム」を日本へ向けることの無意味さ、空しさであり、「韓国ナショナリズム」自体を否定するものではない。日本には南北朝鮮統一への経済橋渡し的役割を果たす責任がある。朝鮮を植民地支配した日本の責任は重い。しかし、それが内政干渉になってはならない。それは主権の侵害である。
⑥三文書に記載されていることで注目すべきは、アメリカ・中国の役割である。朝鮮戦争は冷戦が生んだ悲劇である。ベトナムとドイツが統一へされ、冷戦時代の残滓が残るのは、朝鮮半島のみである。そのためにアメリカと中国が果たすべき役割はあまりに大きい、
本書には著者の思いが結晶している。
お勧めの一冊だ。

11人のお客様がこれが役に立ったと考えています
役に立ったコメント 違反を報告

松下重悳

5つ星のうち5.0 朝鮮半島の百科事典と羅針盤2020年6月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
 朝鮮半島と周辺国の近代史的関係を百科事典のように描き、関係国がそれぞれ何を考えているかを客観的に解説し、どうすれば平和が訪れるかを提案している。筆者が尊敬する金大中大統領の太陽政策(<--北風でなく太陽で)を筆者の知見と言葉で語り直そうとした試みが本書だと、結語に書いてある。関係国間の協定書類が巻末に集められており、朝鮮半島の全てが網羅されている。
 北朝鮮は核保有国を指向したのではなく、共産圏崩壊の孤立の中で体制の保証を得ることを目的にClinton政権の米国と折衝し、まとまり掛かっていたが、Bush(Jr)政権のネオコン政策で水泡に帰した。仕方なく交渉力のために核開発に走ったという。
 また日本と韓国は双子のように国情が似ていて、高度成長後の成長を掴みかねており、国民に不満が鬱積しているという。国民が不満のはけ口を求めるとき、往々にして政府は世論の指導者であるよりは、その奴隷になりがちで、その結果日韓関係が戦後最悪になってしまったという。
 筆者の提案する太陽政策は、理性的に考えるとロマンチックで正しいのだが困難の山であり、特に韓国の世論を導く指導者が居ないと現実的には難しいと思えてしまった。それでも羅針盤を示すことが筆者の意図であろう。

3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
役に立ったコメント 違反を報告

softman

5つ星のうち2.0 駄文。論述も結論も曖昧な感想文の集まり。2020年7月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
事実と感想を区別無くだらだらと書き連ねているだけで、何が言いたいのかわからない。流し読みになってしまったがしようがない。事実関係で言えば、北朝鮮よりといわれている和田春樹、ブルース・カミングスの論を肯定的にとらえて事実としてとらえており本当かなと思いました。他の資料で調べる気はしませんでした。182ページから185ページまでの「南北統一は日本にとって脅威なのか」は辺真一「もしも南北統一したら」に書かれていることをまとめたものかと思うほど主張が似ており気持ちが悪い。205ページでは「「(金大中の)太陽政策」が今こそ、現実味を帯びて私たちの前に朝鮮半島と日本の未来を考える選択肢として浮上しつつあると言える」と主張している。金大中、盧武鉉の時代に北朝鮮を援助したことにより北朝鮮は核爆弾を作成することができ、現在、脅威になっていることには考えが及ばないらしい。

5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
役に立ったコメント 違反を報告

setsuzi

5つ星のうち4.0 日韓関係を考える基礎となります2020年6月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
丁寧に朝鮮半島の近代の歴史と日本の関わりを解説しており、今後を展望するのに最適だと思います。過激な論説を排除しているのも好感が持てます。

6人のお客様がこれが役に立ったと考えています
役に立ったコメント 違反を報告

上尾人

5つ星のうち5.0 朝鮮問題とは何か2020年7月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
南北朝鮮の対立、冷戦、そして日韓関係、今後の解決方向まで歴史を振り返りながら、時々の基本条約、宣言の文献の背景に至るまでわかりやすく解説され、眼から鱗の状態にさせられました。
コロナ禍の収束後、新しい世界が始まる予感もします。朝鮮半島と日本、東アジアの今後、日本のイニシアで平和を作りたいです。

1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
役に立ったコメント 違反を報告

軍師の条件

5つ星のうち4.0 最近、著者のエッセイ本ばかり2020年6月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
最近、著者のエッセイ本ばかり出版されていたがようやく本業の本が登場したという感じです。ただし、今日の挑戦半島情勢を解決するための処方箋を十分に描いていないような気がします。

2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
役に立ったコメント 違反を報告

Amazonのお客様

5つ星のうち5.0 朝鮮半島の平和2020年6月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
朝鮮半島と日本を歴史を辿りながら、俯瞰し冷静に事実に基づき記述している。これからの朝鮮半島に対する方向性がよく理解できました。

3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
役に立ったコメント 違反を報

No comments: