2020-09-28

嘘だらけの日米近現代史 (扶桑社新書) | 倉山 満 | 世界史 | Kindleストア | Amazon

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ryu

5つ星のうち5.0 歴史上の等身大のアメリカ像がわかる 2018年10月18日に日本でレビュー済み
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 現在、アメリカは超大国だといってよいだろう。その経済力や軍事力は、他の諸国を圧倒している。しかし、以前からそうだったのではないことが、この本ではよくわかる。

 特に興味深いのは、江戸幕府の開国にかかわる事実だ。当時の大国、イギリスとロシアでは、外交上の問題が大きすぎるので、「ほどほどの小国であった」当時のアメリカと条約を結んだとういことだ。こういう外交上の駆け引きは江戸幕府も十分に行っていたわけだ。どこかの大学入試の問題で、ペリーが座乗していた軍艦の名称を問う愚問があったと聞くが、我が国の学生に頭を使う入試対策をさせるためにも、倉山氏の本を教科書に取り入れると効果的なのではないだろうか。

 国際連盟を実質的に支えたのが日本であった事実も興味深い。イギリスやフランスよりも寄与度は高かったのである。

 また、大東亜戦争後の我が国の状況を、一種の鎖国であるというのもうなずける指摘である。人や物資の交流を断っているわけではないが、思考の閉塞状況は一種の鎖国といえると思う。

 しかし、満州事変以後の帝国陸軍の動きを「なぜか」南下したという点は、いかがなものであろうか。第2次上海事変が生起したのは、ドイツに使嗾された蒋介石の国民党軍が、上海に合法的に駐留する日本軍に攻撃を仕掛けてきたことが原因だし、それに対応して陸軍が派兵したのも、「なぜか」というべきものではあるまいと思う。海軍陸戦隊だけでは支えられないほどの大攻勢だったからだ。だから、杭州湾上陸作戦と南京攻略戦は国民党軍の攻勢を押し返すうえで必要なことであったはずだ。「なぜか」を問うならば、その後の、近衛声明の方ではないだろうか。シナ事変を、あの段階で早期終息させようとする陸軍参謀本部に対して、愚かな近衛声明を出したことが事変長期化の原因である。また、当時の国民党と密約を結んでいたドイツを、国民党から引きはがすために結んだ日独同盟こそ「なぜか」と問わねばならないと思う。

 この本の中で特筆されていた、石井菊次郎は確かに名外交官であったが、彼は「ドイツは悪しき同盟国であって、ドイツと結んで幸福になった国はない」と言って反対している。ただ、この事実は書かれていないが、その後の歴史は、石井の言葉が正しかったことを証明している。

 とはいえ、総じて、非常に有益な本である。ぜひ読んでいただきたい。

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mountainside


殿堂入りベスト10レビュアー
5つ星のうち4.0 世界大戦で得したのはソ連なのか? 2020年7月7日に日本でレビュー済み
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①二度の世界大戦で得したのはソ連であると著者は言う。しかし、本当にそうなのであろうか?
②二度の世界大戦で最も戦死者を出したのは、ソ連である。第一次世界大戦に疲弊した兵士・労働者・農民がソヴィエトに終結し、レーニンが主導したのがロシア革命であった。第一次世界大戦が起こってなければ、ロシア革命は起こらなかったかもしれない。しかもソ連は反革命・干渉戦争を戦い、戦争が継続し、戦時共産主義の実施を余儀なくされたのである。
③共産主義体制により世界恐慌の影響を受けずに五ヵ年計画を達成し、重化学工業化を実現したのはソ連のメリットであった。
しかも、独ソ戦により疲弊し、多大の戦死者を出してようやく勝利した事実を「得」と言えるのであろうか?しかも、ナチスによって多数のユダヤ人がホロコーストの犠牲になっている。
④こうした史実を見ると、とてもソ連が得したとは言えないと思われる。
二度の世界大戦で「得」した国は存在しないのだ。国力を消耗し、疲弊したあげく、国際的地位を失うのがイギリス・フランスである。ソ連は社会主義経済に失敗し、解体を余儀なくされる。しかもスターリンの粛正により、多くの人命を失った。とても「得」等とは言えない。
とはいえ、著者の説明は面白く、参考になる。こういう歴史書があってよい。
お勧めの一冊だ。

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スカンピンボーイ


ベスト1000レビュアー
5つ星のうち5.0 アメリカはほんと恐ろしい国だということを痛感しました 2019年5月26日に日本でレビュー済み
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アメリカの僅か独立200年の歴史も美化されねつ造されているというのがよく分かった。
実際はリンカーン登場の150年でしかないということ。
日本にとっての1番の友好国ではあるが、アメリカにとっては経済だけが興味あるだけで、その他は属国扱いされているというのも勉強になった。
前から少しずつ分かってきてはいたが、アメリカはほんと恐ろしい国だということを痛感しました。

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5つ星のうち5.0 楽しく読んで下さい 2019年10月9日に日本でレビュー済み
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倉山節炸裂。相変わらず鋭い切り口で面白い。但し、p79の張学良に関する記述はほんの数行ではあるが正確とは言えない。元々日本との戦いを望んでいなかった蒋介石から張学良は関東軍とは極力戦わないように指示を受けていたと言うことを知っておくべきである。従って関東軍が戦った相手は彼の管轄していた軍隊のほんの一部に過ぎず、撃破圧勝出来たのは当たり前だったということ。それをあたかも石原莞爾の功績であるかのように説明してある書物もあるが、それは日本側からの一方的な見方に過ぎない。

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快傑ズバット

5つ星のうち4.0 題名に偽りなし。 2017年5月8日に日本でレビュー済み
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確かに一般に知られている日米史とかなり。
異なる状況が述べられていて多くが納得させられた。
しかし何故そう言う経緯になってしまったのかを詳しく突っ込んで解説してくれると完璧だった。

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5つ星のうち5.0 よりわかりやすい 2018年10月27日に日本でレビュー済み
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kindle版で読んだが、注釈を拾いやすく読みやすかった。本書の内容の素晴らしさは言うまでもない。米国にハラワタ煮えくり返る事も、日米同盟の代え難い重要性も、一字一句、共感できる一冊である。その上で、日本人としての誇りを実感し、また日本人として日本国の復権を祈る気持ちが湧く。これはそういう本だと思う。

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春夏秋冬

5つ星のうち5.0 必読の書ですね。 2020年1月18日に日本でレビュー済み
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米国に騙されていたと言う怒りより、未だに国民が嘘され続けている情報を国民に知らせない日本のメディアに怒りを覚えた。地上波のニュースに関わっている人には全員読んで貰いたい。

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5つ星のうち1.0 性格が悪い 2020年7月26日に日本でレビュー済み
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書かれている内容の正誤を判断する知識は私にはありません。
ただ著者の性格の悪さに読んでいて気分が悪くなりました。

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