「地政心理」で語る半島と列島 | ロー・ダニエル |本 | 通販 | Amazon
「地政心理」で語る半島と列島 (日本語) 単行本 – 2017/10/21
ロー・ダニエル (著)
5つ星のうち2.0 3個の評価
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商品の説明
内容紹介
半島と日本は、本当に似た国か!? 『竹島密約』で第21回アジア・太平洋賞大賞を受賞した著者の、日本第二弾!
◎従来の「地政学」でも「地経学」でもない、「地政心理」という新しい概念で朝鮮半島と日本列島の関係を読み解いた、初めての書!
◎東アジアの隣国どうしで、古代から交流があった半島と列島。相似形とも見られるが、果たしてそうだろうか!?
◎ギクシャクする日韓関係および北朝鮮問題を打開する糸口がここにある!
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序論 「深層心理」で日韓関係を解き明かす
第一部 地理・風土・心理の織り成す関係性
第1章 対照的な地理と風土
第2章 地政学と、心理への影響
第3章 地政心理で「国柄」を読み解く
第二部 「地政心理」でみる日韓関係
第4章 自然観、そして欲望と言動の相違
第5章 抵抗する半島・無関心な列島
第6章 対立する歴史認識――機能主義の日本・当為主義の韓国
第三部 北朝鮮の地政心理――二律背反の文明
第7章 北朝鮮の人々、自然、風土
第8章 北朝鮮の内政と二律背反
第9章 対外関係の二律背反
あとがき/本書関連年表/参考文献/索引
-------------------------
出版社からのコメント
◎竹島・独島、従軍慰安婦、徴用工賠償など、日韓の間で歴史をめぐる葛藤はすでに数十年間も続いてきたことである。同じことについて数十年にわたり押し問答をしている両国民は、ヨーロッパの先進国間で見られるような健全でハイ・レベルな関係を築く意志や能力が足りないのだろうか。
◎この疑問を解いて日韓が未来志向の関係を築いていくためには、今こそ、両国民の間に絡まる心理の複合を理解する必要性が切実である。本書はこの課題に挑戦する。日韓関係を「心理」という切り口から説明するという作業は、これまで試みられなかった「実験的」なことであるにちがいない。本書は、日韓関係を政策や出来事などの社会的「言説」のレベルではなく、日本人と韓国人の肉と骨、そしてその身体にこもっている魂と情緒という一番低い「分析のレベル」で日韓関係の再解釈を試みる。
(本書より)
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登録情報
単行本: 400ページ
出版社: 藤原書店 (2017/10/21)
言語: 日本語
ISBN-10: 4865781390
ISBN-13: 978-4865781397
発売日: 2017/10/21
梱包サイズ: 19 x 13.6 x 3.4 cm
カスタマーレビュー: 5つ星のうち 2.0 3件のカスタマーレビュー
Amazon 売れ筋ランキング: 本 - 496,251位 (本の売れ筋ランキングを見る)
1515位 ─ アジア史
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カスタマーレビュー
5つ星のうち2.0
星5つ中の2
評価の数 3
星5つ 0% (0%)
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星4つ 0% (0%)
0%
星3つ 35%
星2つ 30%
星1つ 35%
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3件のカスタマーレビュー
トップレビュー
Beka
5つ星のうち3.0 韓国の理解は、進みます2019年12月8日
Amazonで購入
韓国の方が書かれているので、韓国のことは良くわかります。が、日本のことは紋切り型で、引用されてる人も、知らない方が、多いですし。
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mh
5つ星のうち1.0 嫌韓の踏み絵は「韓国の嘘」を認めるかどうか.2019年10月30日
ダニエル氏や小倉氏は韓国の主張に疑義を挟んでも「嘘」と断定しない.古田博司先生は,嘘と断言する.木村幹や浅羽祐樹は日本の方が嘘という.
役に立ったコメント 違反を報告
その他大勢
5つ星のうち2.0 問題設定は面白いが分析は表面的2018年1月28日
島国の日本と半島の朝鮮はそれぞれどのような世界観を持つのか、その原因を地政学的な観点から論じようとしている。その点は非常に面白いのではあるのだが、ではどのように比較したかという点がお粗末。
まず、今現在の日本と朝鮮半島の政治観や地域社会との関係を取り上げる。確かに移動が自由な朝鮮半島と急峻な山と川で分断されている移動が自由ではない日本として世界観の違いを論じる。これは明らかにおかしい。日本の移動の制限は、五人百姓制度によるもので、この制度が入る前は科名r日本人は自由に国内を移動している。
次に、牛に関する点であるが子fれも大きな違いがあると主張する。日本は平安時代だから牛車として動力で使われているし、水田や畑作の耕作に使われてきた。ただ、牛を去勢しない、肉を食べなかったのは仏教の影響であり、半島は仏教よりも儒教の影響が大きい。歴史的背景をすっ飛ばしている点が問題である。
それでもなお、制度が地形に影響されるというのであれば、それをもっと論証して欲しい。
その他にも多数あるが、せっかく問題設定が面白いのに分析方法が雑すぎて読み物レベルにも達していない。
地政を言うのであれば、類似した事例、例えばイギリスとイタリアのように(これ自体が妥当か否か分からないが)、他にも応用出来る事例を出してもらいたい。
8人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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半島と日本は、本当に似た国か!? 『竹島密約』で第21回アジア・太平洋賞大賞を受賞した著者の、日本第二弾!
◎従来の「地政学」でも「地経学」でもない、「地政心理」という新しい概念で朝鮮半島と日本列島の関係を読み解いた、初めての書!
◎東アジアの隣国どうしで、古代から交流があった半島と列島。相似形とも見られるが、果たしてそうだろうか!?
◎ギクシャクする日韓関係および北朝鮮問題を打開する糸口がここにある!
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序論 「深層心理」で日韓関係を解き明かす
第一部 地理・風土・心理の織り成す関係性
第1章 対照的な地理と風土
第2章 地政学と、心理への影響
第3章 地政心理で「国柄」を読み解く
第二部 「地政心理」でみる日韓関係
第4章 自然観、そして欲望と言動の相違
第5章 抵抗する半島・無関心な列島
第6章 対立する歴史認識――機能主義の日本・当為主義の韓国
第三部 北朝鮮の地政心理――二律背反の文明
第7章 北朝鮮の人々、自然、風土
第8章 北朝鮮の内政と二律背反
第9章 対外関係の二律背反
あとがき/本書関連年表/参考文献/索引
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出版社からのコメント
◎竹島・独島、従軍慰安婦、徴用工賠償など、日韓の間で歴史をめぐる葛藤はすでに数十年間も続いてきたことである。同じことについて数十年にわたり押し問答をしている両国民は、ヨーロッパの先進国間で見られるような健全でハイ・レベルな関係を築く意志や能力が足りないのだろうか。
◎この疑問を解いて日韓が未来志向の関係を築いていくためには、今こそ、両国民の間に絡まる心理の複合を理解する必要性が切実である。本書はこの課題に挑戦する。日韓関係を「心理」という切り口から説明するという作業は、これまで試みられなかった「実験的」なことであるにちがいない。本書は、日韓関係を政策や出来事などの社会的「言説」のレベルではなく、日本人と韓国人の肉と骨、そしてその身体にこもっている魂と情緒という一番低い「分析のレベル」で日韓関係の再解釈を試みる。
(本書より)
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登録情報
単行本: 400ページ
出版社: 藤原書店 (2017/10/21)
言語: 日本語
ISBN-10: 4865781390
ISBN-13: 978-4865781397
発売日: 2017/10/21
梱包サイズ: 19 x 13.6 x 3.4 cm
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Beka
5つ星のうち3.0 韓国の理解は、進みます2019年12月8日
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韓国の方が書かれているので、韓国のことは良くわかります。が、日本のことは紋切り型で、引用されてる人も、知らない方が、多いですし。
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mh
5つ星のうち1.0 嫌韓の踏み絵は「韓国の嘘」を認めるかどうか.2019年10月30日
ダニエル氏や小倉氏は韓国の主張に疑義を挟んでも「嘘」と断定しない.古田博司先生は,嘘と断言する.木村幹や浅羽祐樹は日本の方が嘘という.
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その他大勢
5つ星のうち2.0 問題設定は面白いが分析は表面的2018年1月28日
島国の日本と半島の朝鮮はそれぞれどのような世界観を持つのか、その原因を地政学的な観点から論じようとしている。その点は非常に面白いのではあるのだが、ではどのように比較したかという点がお粗末。
まず、今現在の日本と朝鮮半島の政治観や地域社会との関係を取り上げる。確かに移動が自由な朝鮮半島と急峻な山と川で分断されている移動が自由ではない日本として世界観の違いを論じる。これは明らかにおかしい。日本の移動の制限は、五人百姓制度によるもので、この制度が入る前は科名r日本人は自由に国内を移動している。
次に、牛に関する点であるが子fれも大きな違いがあると主張する。日本は平安時代だから牛車として動力で使われているし、水田や畑作の耕作に使われてきた。ただ、牛を去勢しない、肉を食べなかったのは仏教の影響であり、半島は仏教よりも儒教の影響が大きい。歴史的背景をすっ飛ばしている点が問題である。
それでもなお、制度が地形に影響されるというのであれば、それをもっと論証して欲しい。
その他にも多数あるが、せっかく問題設定が面白いのに分析方法が雑すぎて読み物レベルにも達していない。
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2019年09月18日
9/14朝日新聞で小倉紀蔵さんが『「地政心理」で語る半島と列島』を「近年のもっともすぐれた韓国論」と紹介
9月14日『朝日新聞』にて、小倉紀蔵さんが「(ひもとく)日韓関係 「反」「親」より「知」こそ重要」と題して、ロー・ダニエル著『「地政心理」で語る半島と列島』を取り上げています(当該部分は有料記事)。
「ロー・ダニエルによって書かれた『「地政心理」で語る半島と列島』が、近年のもっともすぐれた韓国論だ。手続き主義・機能主義が支配的である日本と、「こうあるべきだ」という当為主義が支配的な韓国の違い。規範・権威・欲望などへの態度が日韓でこれほどくっきりと違うのか、と読者は驚くだろう。」
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紙の本
日韓問題
2017/12/31 19:24
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Freiheit - この投稿者のレビュー一覧を見る
世界から見ると、日本と韓国はよく似ていると見られるが、日本人、韓国人はそう思っていない人が少なくない。そのような問題を深く理解できる。
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紙の本
じゃあどうするか
2020/01/28 14:37
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:怪人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「冷戦の子供」と自称する韓国生まれで、アメリカ留学、日本での研究者生活も過ごした著者の朝鮮人論、日本人論である。日本語も堪能らしく、本書は日本語で書かれている。
韓国や北朝鮮の内情について初めて知ることも多く興味深い。日本と韓国を二項対立のように対比させながら、うまくいかない日韓関係について地政心理により説明しようとしている。確かに歴史的な背景、由来等だけでなく、風土に根を張った国民性もあるだろうし、地政学的環境に影響され形成されたものもあるだろう。現在の韓国、北朝鮮とも抗日軍の創設や反日政府の設立を国や憲法の起源としており、反日政策を基本としていることは同じである。最近の一連の韓国に於ける不買運動や訪日客の急減現象をみると、このような両国の反日政策、反日教育も影響しているのかと思える。
歴史的な経緯を紐解いて、国内勢力の紛争対立時に外国勢力を引き込んで解決しようとする朝鮮半島の国民性を強調する研究者もあり、日韓二国間の問題にアメリカを巻き込もうとした最近の動きはそのような論調の傍証かもしれない。
両国関係はお互い様なのであろうが、ネロナムブル(私がやればロマンスだが他人がやれば不倫)ともいわれ、自己中心主義にもなりかねない独断的な当為主義を貫く限り日韓の改善は難しいようだ。著者の分析は良いとしても、日韓両国の改善方策は不透明のままだ。
9/14朝日新聞で小倉紀蔵さんが『「地政心理」で語る半島と列島』を「近年のもっともすぐれた韓国論」と紹介
9月14日『朝日新聞』にて、小倉紀蔵さんが「(ひもとく)日韓関係 「反」「親」より「知」こそ重要」と題して、ロー・ダニエル著『「地政心理」で語る半島と列島』を取り上げています(当該部分は有料記事)。
「ロー・ダニエルによって書かれた『「地政心理」で語る半島と列島』が、近年のもっともすぐれた韓国論だ。手続き主義・機能主義が支配的である日本と、「こうあるべきだ」という当為主義が支配的な韓国の違い。規範・権威・欲望などへの態度が日韓でこれほどくっきりと違うのか、と読者は驚くだろう。」
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日韓問題
2017/12/31 19:24
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世界から見ると、日本と韓国はよく似ていると見られるが、日本人、韓国人はそう思っていない人が少なくない。そのような問題を深く理解できる。
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「冷戦の子供」と自称する韓国生まれで、アメリカ留学、日本での研究者生活も過ごした著者の朝鮮人論、日本人論である。日本語も堪能らしく、本書は日本語で書かれている。
韓国や北朝鮮の内情について初めて知ることも多く興味深い。日本と韓国を二項対立のように対比させながら、うまくいかない日韓関係について地政心理により説明しようとしている。確かに歴史的な背景、由来等だけでなく、風土に根を張った国民性もあるだろうし、地政学的環境に影響され形成されたものもあるだろう。現在の韓国、北朝鮮とも抗日軍の創設や反日政府の設立を国や憲法の起源としており、反日政策を基本としていることは同じである。最近の一連の韓国に於ける不買運動や訪日客の急減現象をみると、このような両国の反日政策、反日教育も影響しているのかと思える。
歴史的な経緯を紐解いて、国内勢力の紛争対立時に外国勢力を引き込んで解決しようとする朝鮮半島の国民性を強調する研究者もあり、日韓二国間の問題にアメリカを巻き込もうとした最近の動きはそのような論調の傍証かもしれない。
両国関係はお互い様なのであろうが、ネロナムブル(私がやればロマンスだが他人がやれば不倫)ともいわれ、自己中心主義にもなりかねない独断的な当為主義を貫く限り日韓の改善は難しいようだ。著者の分析は良いとしても、日韓両国の改善方策は不透明のままだ。
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日韓関係は「反」「親」より「知」こそ重要 小倉紀蔵・京都大学教授
日韓両政府後援の「日韓交流おまつり」の開会式で歌う日本人学校の子供たち=1日、ソウルこの記事の連載は・・・・・・ひもとく
漱石の『三四郎』ではないが、「日本は亡(ほろ)びるね」といいたくなる。ある週刊誌が品のない嫌韓特集をしたらしい。それをテレビのワイドショーが批判する。しかしその番組も韓国政界の重要人物を「タマネギ男」といって笑いものにしているのだ。テレビの床屋談議を何時間聴いても、韓国の深層はわからない。床屋談議だとわかってやっているならまだましだが、そこに安っぽい正義感が加わると危険だ。
戦前の日本が中国との泥沼の戦争に突入した背景に、大衆の差別意識と正義感があったことを忘れてはならない。日本では20年前から、北朝鮮に対する揶揄(やゆ)と蔑視に満ちた床屋談議をテレビが連日繰り返し、北朝鮮がいまにも崩壊するかのような幻想を国民に与えた。そのあいだに北朝鮮は軍事力と外交力を高めていまに至ったことを、この国のマスメディアは忘却してしまったのか。
深層から洞察を
ここはいちど冷静になって、日韓を深層レベルで理解する必要がある。そのためには、「洞察」が必要なのである。たとえば公共哲学の理論家である韓国の金泰昌(キムテチャン)氏は、「いま韓国では、反日なら愛国、親日は売国といわれる。しかしわたくしは、知日こそ愛国だといいたい」という。洞察である。「反」や「親」よりもまず、「知」が重要なのだ。それでなければ根源的な批判もできない。
ここでは、日本論・韓国論・日韓関係論の三つに関して、洞察に溢(あふ)れた本を紹介する。
まず日本論。韓国の李御寧(イーオリョン)による『「縮み」志向の日本人』が白眉(はくび)である。日本文化を貫通する「小さく縮めること」への偏愛と情熱を、流麗な筆致で分析しつくした本。日本には、「込める」「折畳(おりたた)む・握る・寄せる」「取る・削る」「詰める」「構える」「凝(こご)らせる」という六つの型ですべてを縮める文化があるという。外国人の書いた日本文化論の最高傑作だと思う。なぜ「韓国人による日本論」が重要なのか。西洋と日本、中国と日本の比較では、日本のことはわからない。韓国という媒介項を入れることによって、自他の像がくっきりと浮かび上がるのである。
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気難しい文豪の顔もほころぶ「伝統和菓子」魅了される甘い関係
「Tokyo 甘味物語」プロジェクト
反省土台に未来
次は韓国論。ロー・ダニエルによって書かれた『「地政心理」で語る半島と列島』が、近年のもっともすぐれた韓国論だ。手続き主義・機能主義が支配的である日本と、「こうあるべきだ」という当為主義が支配的な韓国の違い。規範・権威・欲望などへの態度が日韓でこれほどくっきりと違うのか、と読者は驚くだろう。この違いによって、政治・文化・社会だけでなく領土問題や歴史問題も明晰(めいせき)に分析している。政策立案にも役立つような内容だ。
日韓関係に関しては、大沼保昭の『「歴史認識」とは何か』がおすすめである。江川紹子との対談の形式だから読みやすい。大沼は現場でたたかう東京大学法学部教授だった。20代で反入管闘争に没頭する。30代から戦後責任問題、サハリン残留朝鮮人問題、在日コリアンの人権問題(特に出入国管理行政)、そして慰安婦問題(アジア女性基金)に取り組む。こう書くと左翼のようだが、そうではない。人間は完璧ではない、不完全な存在であるという意識から歴史を考えよ、という彼の姿勢は、リベラルと保守を包摂する。
左翼と保守にきれいに分かれてしまっている歴史認識において、わたしは、大沼と若宮啓文(元朝日新聞主筆)こそ、日本の「真ん中の軸」であると信じて疑わない(だがふたりとも故人になってしまった)。それは「反省を土台にするが批判もし、未来をともにつくる」という、まったくど真ん中の軸なのである。この軸の重要性は、いくら強調してもしきれない。=朝日新聞2019年9月14日掲載
漱石の『三四郎』ではないが、「日本は亡(ほろ)びるね」といいたくなる。ある週刊誌が品のない嫌韓特集をしたらしい。それをテレビのワイドショーが批判する。しかしその番組も韓国政界の重要人物を「タマネギ男」といって笑いものにしているのだ。テレビの床屋談議を何時間聴いても、韓国の深層はわからない。床屋談議だとわかってやっているならまだましだが、そこに安っぽい正義感が加わると危険だ。
戦前の日本が中国との泥沼の戦争に突入した背景に、大衆の差別意識と正義感があったことを忘れてはならない。日本では20年前から、北朝鮮に対する揶揄(やゆ)と蔑視に満ちた床屋談議をテレビが連日繰り返し、北朝鮮がいまにも崩壊するかのような幻想を国民に与えた。そのあいだに北朝鮮は軍事力と外交力を高めていまに至ったことを、この国のマスメディアは忘却してしまったのか。
深層から洞察を
ここはいちど冷静になって、日韓を深層レベルで理解する必要がある。そのためには、「洞察」が必要なのである。たとえば公共哲学の理論家である韓国の金泰昌(キムテチャン)氏は、「いま韓国では、反日なら愛国、親日は売国といわれる。しかしわたくしは、知日こそ愛国だといいたい」という。洞察である。「反」や「親」よりもまず、「知」が重要なのだ。それでなければ根源的な批判もできない。
ここでは、日本論・韓国論・日韓関係論の三つに関して、洞察に溢(あふ)れた本を紹介する。
まず日本論。韓国の李御寧(イーオリョン)による『「縮み」志向の日本人』が白眉(はくび)である。日本文化を貫通する「小さく縮めること」への偏愛と情熱を、流麗な筆致で分析しつくした本。日本には、「込める」「折畳(おりたた)む・握る・寄せる」「取る・削る」「詰める」「構える」「凝(こご)らせる」という六つの型ですべてを縮める文化があるという。外国人の書いた日本文化論の最高傑作だと思う。なぜ「韓国人による日本論」が重要なのか。西洋と日本、中国と日本の比較では、日本のことはわからない。韓国という媒介項を入れることによって、自他の像がくっきりと浮かび上がるのである。
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日韓関係に関しては、大沼保昭の『「歴史認識」とは何か』がおすすめである。江川紹子との対談の形式だから読みやすい。大沼は現場でたたかう東京大学法学部教授だった。20代で反入管闘争に没頭する。30代から戦後責任問題、サハリン残留朝鮮人問題、在日コリアンの人権問題(特に出入国管理行政)、そして慰安婦問題(アジア女性基金)に取り組む。こう書くと左翼のようだが、そうではない。人間は完璧ではない、不完全な存在であるという意識から歴史を考えよ、という彼の姿勢は、リベラルと保守を包摂する。
左翼と保守にきれいに分かれてしまっている歴史認識において、わたしは、大沼と若宮啓文(元朝日新聞主筆)こそ、日本の「真ん中の軸」であると信じて疑わない(だがふたりとも故人になってしまった)。それは「反省を土台にするが批判もし、未来をともにつくる」という、まったくど真ん中の軸なのである。この軸の重要性は、いくら強調してもしきれない。=朝日新聞2019年9月14日掲載
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