平成はなぜ失敗したのか (「失われた30年」の分析) (日本語) 単行本 – 2019/2/7
野口 悠紀雄 (著)
5つ星のうち3.7 57個の評価
内容(「BOOK」データベースより)
失敗の検証なしに、日本は前進できない!日本人が遅れを取り続ける原因を徹底解明。平成経済史が一気にわかる。
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平成経済史が一気にわかる。
「平成」という時代の失敗の検証なしに、日本は前進できない!
日本人が遅れを取り続ける原因を徹底解明。
平成の30年間を一言で言えば、世界経済の大きな変化に日本経済が取り残された時代でした。平成時代を通じて、日本経済の国際的な地位は継続的に低下したのです。
ここで重要なのは、「努力したけれども取り残された」のではなく、「大きな変化が生じていることに気がつかなかったために取り残された」ということです。改革が必要だということが意識されず、条件の変化に対応しなかったのです。
平成の時代が終わることから、平成回顧ブームが起き、多くのメディアが「平成を振り返る」という特集を組んでいます。
振り返るのであれば、過去を懐かしむだけでなく、なぜこの時代が日本にとっての失敗の時代になってしまったのか、その原因を明らかにすることが重要です。そうすることによって、平成回顧ブームを意味あるものにすることができるはずです。
本書は、このような観点から、平成時代の経済を分析し、重要な選択の局面において、本当はどうすべきだったかを考えます。
それらを、いまの日本経済が抱える問題との関連で取り上げ、将来に向かって日本が何をなすべきかを検証します。主として日本の経済について述べますが、それだけでなく、世界経済についても言及します。とくに中国の変貌と成長が重要な関心事です。
本書が平成のつぎの時代において少しでも役に立つことができれば幸いです。
(「はじめに」より)
目次
第1章 日本人は、バブル崩壊に気づかなかった
第2章 世界経済に大変化が起きていた
第3章 90年代末の金融大崩壊
第4章 2000年代の偽りの回復で改革が遠のく
第5章 アメリカ住宅バブルとリーマン・ショック
第6章 崩壊した日本の輸出立国モデル
第7章 民主党内閣と東日本大震災
第8章 アベノミクスと異次元金融緩和は何をもたらしたか?
第9章 日本が将来に向かってなすべきこと
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著者について
1940年東京生まれ。63年東京大学工学部卒業、64年大蔵省入省、72年エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。一橋大学教授、東京大学教授、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを経て、2017年9月より早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター顧問。一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論、日本経済論。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
野口/悠紀雄
1940年東京生まれ。63年東京大学工学部卒業、64年大蔵省入省、72年エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。一橋大学教授、東京大学教授、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを経て、2017年9月より早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター顧問。一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論、日本経済論。著書に『情報の経済理論』(東洋経済新報社、日経・経済図書文化賞)、『財政危機の構造』(東洋経済新報社、サントリー学芸賞)、『バブルの経済学』(日本経済新聞社、吉野作造賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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単行本: 295ページ
出版社: 幻冬舎 (2019/2/7)
言語: 日本語
ISBN-10: 4344034252
ISBN-13: 978-4344034259
発売日: 2019/2/7
カスタマーレビュー
5つ星のうち3.7
野口さん 平成時代 バブル崩壊 金融緩和 構造改革 日本経済 水平分業 人口の減少 経済学者 サービス産業 年代以降 リーマンショック 野口悠紀雄 金融機関 構造転換 日本企業 産業構造 平成はなぜ失敗 経済発展 社会保障
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ベスト500レビュアー
5つ星のうち1.0 無責任、無自覚!
2019年3月13日に日本でレビュー済み
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著者の野口さんに言いたいのですが、あなたたちこそが平成の中心指導者だったのではないのですか?だとすると、ご自分たちの責任をこそ考えるべきではないのですか?細かな内容についていろいろと反論はあるのですが(例えば、消費税で社会保障費を賄おうとして成功した例はない等)、まず著者の執筆の基本姿勢に疑問を感じました。図々しい仲間褒めにも呆れました。あなたのようなひとに今日本を何とか再建しようとしている人たちを批判する資格などありません。この書評では細かな反論はしません。さっさと退場して下さい。
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Awadama Fever
5つ星のうち5.0 失われた30年と日本経済の停滞という事象の解明に一石を投じる好著
2019年2月17日に日本でレビュー済み
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本書は、大蔵官僚から東大教授などを歴任した著者が、1990年代以降に起きた世界の大きな潮流とそれに乗り遅れた日本を題材に、要因分析と今後のあるべき姿について論じたものである。わが国経済の今後の発展の鍵を探るうえで極めて示唆に富む内容であり、多くの方にぜひ一読をお勧めしたい。
1989年のベルリンの壁崩壊以降、ソビエト連邦崩壊、中国の工業化、IT革命とインターネットの普及、製造業での水平分業の拡大などが進展し、世界経済には大きな構造変化が起きていた。その間、日本はGDPで中国の逆転を許し、米国には大きく差を広げられてしまったが、その主因は構造転換の失敗にあると著者は言う。
新興国の経済発展を受け、メーカーが企画・販売以外は途上国に委託する形の高度サービス産業への転換を図った米国では新興のGAFA等が台頭し世界経済をリードしているが、日本では旧態依然のものづくりに頼る発想から転換できておらず、国内経済も停滞したままである。
著者はまた、日銀が異次元緩和で資金供給を増やそうとしても、日本企業にそもそも資金需要がないため効果が出ていないと指摘する。確かに、真の資金需要がないのに低金利の資金が大量に供給されてきたことが、昨今のアパート・ローン不正問題や巨額の不動産詐欺の遠因になっているとも考えられる。詳細については本書を確認していただきたいが、金融政策の目標として適切ではない物価上昇目標は廃止し、実質賃金上昇率を目標とすべきであるというのが著者の金融政策についての提言である。
わが国では労働力不足、社会保障支出増大、経済構造変化などへの対処が必要であり、そのため規制緩和による既得権の打破が成長には不可欠であると著者は説く。大蔵官僚や東大教授などを歴任した著者ならではの、現実的かつ論理的な主張には説得力を感じる。政府や通貨当局の政策への批判とも取れる内容が含まれており、著者の見方については議論の余地があるかもしれないが、いずれにしても本書は平成という日本にとって失われた30年とも称される事象の本質を見事に分析した好著であると思う。
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最悪
5つ星のうち1.0 最悪
2019年2月16日に日本でレビュー済み
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内容が極めて薄い。
どこが分析・検証なのか。
ただの感想日記に過ぎない。
本代返して欲しい。
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大鷹広
5つ星のうち5.0 ポスト平成時代における日本経済の復活に向けて
2019年2月26日に日本でレビュー済み
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平成時代の経済実績推移の分析においてハット気付かされる重要ポイントが幾つもある。
〔1〕バブルの後始末処理の遅さ:日本はバブル崩壊後金融機関への資本注入開始に8年を要した。米国はリーマン・ブラザーズ倒産後僅か1ヶ月後に機関企業への資本注入を実施した。日本のバブル処理に関するノウハウは米国には役にたたなかった。
〔2〕中身の無かった小泉改革:郵政事業の国営から公社への移行と巨額な郵便貯金の運用機関「大蔵省資金運用部」の廃止は小泉政権発足前に完了していた。
〔3〕経済成長なき30年間:90年代以降GDP、実質経済成長率、法人企業売上高、営業利益、従業員給与いずれも殆ど伸びていない。売上高や営業利益の伸びは、ユーロ危機沈静化後の国際的投資資金の流れに伴う円安と原油価格の下落による売上原価の低下という一時的な外的要因によるものであった。
〔4〕新しい時代に適合した事業戦略の欠如:日本企業はリーマンショック後中国の4兆元(約57兆円)の景気対策の恩恵とエコカー減税等の政府支援という他力依存体質を継続した。情報通信技術の進歩、新興工業国の台頭、低付加価値商品の製造からサプライチェーン上の高付加価値分野(先端情報通信技術を駆使しバーチャル・リアリテイ空間を活用したビジネスモデルの開発等)への大胆なコア・コンピタンスの置き換え等の世界の大きな変化に対応したビジネスモデルの転換はなされなかった。
〔5〕効果のない金融緩和策:政府は日本経済衰退の原因をデフレに求め、金融緩和による物価引上げで解決できるとし、異次元の金融緩和に着手したが資金実需がないためマネタリーベースは増えたが、マネタリーストックは増えていない(新たな資金は、金融機関が日銀に保有する日銀当座預金に振り込まれたまま市場に出てこない)。米国とEUは金融緩和策から金利引上げへ舵を切ったが、大量の国債を抱える日銀は金利上昇により巨額の含み損を抱えるため(1%で23兆円、3%で69兆円)低金利政策を放棄できずにいる。金融緩和や円安では成長は達成できないことが分かった。
著者は、新興工業国を活用したアウトソーシングと水平分業の必要性も説いているが、家電製品等コモデイテイー商品を生産する日本企業においては自前主義の拘りが競争力喪失に繋がるとの捉え方が既に定着している。筆者の考えから多少外れるかもしれないが、成長戦略のポイントは、例えば製造業に関しては、低付加価値商品の製造を新興工業国に売却し、真似できない独自の高度な製造技術に先端情報通信技術を融合し、生命・安全に必要な高品質と長期耐久性を担保できる重厚長大的製品の製造に特化することだと考える。日本の製造事業が目指すひとつの具体的イメージは、PC等コモデイテイー品の製造部門を売却し、ヘルスケア、医療機器、輸送機器、電力・オイル・ガス関連インフラ機器等の製造に特化し、営業利益率10%以上確保できているジーメンス(ドイツ)である。
「中国製造2025」の重点分野における中国の現行世界シェアは、携帯インフラ機器 44%、白物家電 18%、粗鋼 49%、太陽パネル 72%、鉄道車両 43%、航空宇宙 8%、産業用ロボット 6%、炭素繊維 12%、電気自動車 37%、医薬品 10%である。日本の製造業はビジネスモデルの転換に更に遅れをとると重厚長大の製造分野においても中国に大きな遅れをとるだろう。また、日本が米中を相手とする世界市場に残るには大手民間企業の戦略的再編も検討する価値があるだろう。(トヨタの敵は、フォルクスバーゲンでもゼネラルモーターズでもない。敵はグーグルだ。だからソフトバンクとアライアンスを組んでサバイバルを計るのだ。)
筆者は人口の高齢化による深刻な労働力不足についても言及している。15歳から64歳までの人口は2015年78百万人から2040年60百万人へ18百万人減少し、同年齢帯の現行労働力率76%が不変とすれば労働人口は2040年13百万人、同様の計算をすると2060年には22百万人の労働力不足が生じるとしている。高齢者と女性の労働力率を上昇させることで18百万人程度の労働力を確保できる可能性はあるものの、外国人労働者の受け入れの必要性も力説する。質の高い外国人の移民についても正面から取り組む必要があるとして、選挙権と社会保証制度の享受権の付与等様々な制度を用意周到に準備する必要があるとする考えには同感である。
一方、本書では言及されていない「AIと人間の共働」も当然に追求していく必要がある。ロボテイクスも含む高度なエレクトロニクス技術力を持つ日本が、この分野において世界をリードできるビジネスモデルの開拓に資することを期待する。
平成30年間の経済政策の欠陥を明らかにすることは、世界市場における日本の地位を高めるための真の戦略立案に不可欠であり、本書はその戦略立案のキーポイントを授けてくれる啓蒙的書籍である。
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レインマン
5つ星のうち1.0 平成の学者はこのレベルだったということ
2019年3月16日に日本でレビュー済み
後講釈をしているだけで、内容が薄い。誰でもわかってる。
聞きたいことは、昭和に平成をどう予想して、それが、どうずれたか。
平成を回顧する経済学者で、これをしている人はいない。
著者もこのレベルというのが平成だった、ということ。
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Iwata, Yuichi
5つ星のうち2.0 若い人の分析ならともかく
2019年3月16日に日本でレビュー済み
平成という時代を同時代的に一線の学者として歩んできた方の分析としては、極めて物足りない。
「なぜ構造転換ができなかったのか/どうしたらできていたのか/そこでそれを妨げたものは何か/その妨げは今後どうしたら除去可能か」
この4点を明快に抉り出さないことには、ポスト平成へのメッセージ足り得ない。(逃げ切り世代、との揶揄も、甘んじて受け入れていただかねばならないのかもしれない)
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ぬこ😸
5つ星のうち5.0 産業構造の転換が必要だと云う点は至言
2019年4月1日に日本でレビュー済み
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いまだに日本の政治家・官僚は自動車産業で働くライン工が日本の経済のエンジンだと考えていて、その雇用を守ることにエネルギーを浪費しているが、これこそが著者の指摘している「古い体質の製造業」を変革する事の妨げになっている。
トヨタや日産のライン工は大幅に削減して中国や欧米、アジア諸国の各国の工場の現地でのライン工を採用して海外で大部分を生産するように切り替える必要があり、また、自動車を大量に輸出して外貨を得ると云うやり方を廃して海外への投資から配当を獲得すると云う方法で外貨を得る方式に切り替え、それで原油等の必要な資源を輸入して確保するのが正しい。
自動車産業のライン工は大量に失業するが、それは時代の流れであり、いずれは製造業のライン工はほとんど全て日本では必要なくなる。その雇用を守ることに日本の政治家が無駄にエネルギーを浪費している現状は愚の骨頂。
これからは、新しいプロダクトを自ら企画・考案・設計・開発・試作出来る人しか国内には必要なくなる筈。量産体制は深圳で構築すれば良い。労働倫理も深圳の中国人労働者の方が派遣会社に搾取されている日本人ライン工よりも遥かに高い。
日本で試作まで行って深圳で量産する体制で新しいプロダクトを多数発明して世界に供給してその生活環境・水準を飛躍的に高めて行けば歴史が変わる。
日本で量産する事にこだわり続ける古い体質を脱却出来ないメーカーは全て淘汰される筈。
何故、日本のメーカーが古い考え方を捨てられないか。それは、年功序列、終身雇用を廃止する覚悟を企業経営者が持たないから。社内政治を駆使して昇進した多くの経営幹部は自らの保身を最優先にする。正規雇用のライン工をリストラした場合に自らをもリストラしなければ示しがつかない。それを恐れているから正規雇用のライン工をリストラ出来ないし、終身雇用や年功序列を廃止出来ない。
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小林朗
5つ星のうち5.0 スッキリしました❗
2019年3月7日に日本でレビュー済み
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昭和60年から新宿、平成2年から銀座、5年から横浜で勤務してました。時系列に自分史を並記してスッキリしました。
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