金正恩氏は若い。今後50年統治するつもりなら…
2月27日、28日にはベトナムで二回目の米朝首脳会談が開催される。
北朝鮮の核廃棄に向けて具体的な一歩を踏み出すことが出来るのか、それとも再び抽象論でおわるのか。非核化に向けての期待が一気に冷め、再び朝鮮半島に緊張が戻ることも十分考えられる。米朝首脳会談を前に現状をできる限り客観的に分析・評価してみよう。
米国の情報当局や軍幹部、更には北朝鮮から亡命した外交官などは北朝鮮が核兵器を放棄することなどありえないと論ずる。確かに経済的停滞で国力の衰えた北朝鮮が、韓国や米国さらには中国との関係でも抑止力を持ち得るためには核兵器保有しかないと考えているのだろう。
しかし問題は、核を保持し続けて生き残れるか、ということだ。
金正恩国務委員長は若い。これからおそらく50年でも統治していくつもりだとすれば、自身が掲げる「核と経済開発の並進路線」が最良の選択と考えているのだろう。
ただ核を保有していては開発に必要な外国の支援は得られない。だとすれば核を段階的に廃棄し、見返りに安全と経済支援を得る道を選んだとしても不思議ではない。
だからといって北朝鮮が現段階で核を全面的に廃棄する決断をしている訳ではなかろう。当面、プルトニウム型核爆弾製造は放棄しても濃縮ウラン型核爆弾製造は保持し続けるといった考えなのではないか。
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「圧力」から「対話」へ切り替える時期
昨年6月12日に行われた第一回米朝首脳会談で合意されている米朝の新しい関係を象徴する意味で平壌に米国政府連絡事務所を開設するという合意はあり得るのではないか。
そもそも1994年の米朝枠組み合意でも基本合意がされているところで、実現に大きな障害はないし、米国にしてみれば北朝鮮核廃棄の検証作業にも恒常的な連絡事務所は必要となる。
もしこれが実現すれば6カ国協議を構成していた日・米・韓・中・露のうち恒常的な連絡事務所がないのは日本だけという事になる(中露は大使館、韓国は開城に連絡事務所を設置済み)。
はたして日本はどういう姿勢をとるべきか。
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