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山崎 朋子
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かつて"からゆきさん"と呼ばれた女性たちがいたーー。歴史に埋もれた女性たちの声を刻みこむ「底辺女性史」の名著、新装決定版!
「からゆきさんと呼ばれる海外売春婦についての研究とも紀行ともつかないこの書物は、わたしが、この老からゆきさんと三週間あまりひとつ家に生活した記録であり、ふたりの偶然のめぐり逢いが決定的な契機となっている」(プロローグより)
“からゆきさん"―ー戦前の日本で十歳に満たない少女たちが海外に身を売られ、南方の娼館で働かされていた。そうした女性たちの過酷な生活と無惨な境涯を、天草で出会ったおサキさんから詳細に聞き取り綴った、底辺女性史の名著新装版。東南アジアに散った女性たちの足跡をたどるルポルタージュ『サンダカンの墓』も収録
大宅壮一ノンフィクション賞受賞作
新装版 サンダカン八番娼館 (文春文庫) (Japanese) Paperback Bunko – January 10, 2008
by 山崎 朋子 (著)
4.0 out of 5 stars 60 ratings
Product description
内容(「BOOK」データベースより)
“からゆきさん”―戦前の日本で十歳に満たない少女たちが海外に身を売られ、南方の娼館で働かされていた。そうした女性たちの過酷な生活と無惨な境涯を、天草で出会ったおサキさんから詳細に聞き取り綴った、底辺女性史の名著新装版。東南アジアに散った女性たちの足跡をたどるルポルタージュ『サンダカンの墓』も収録。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
山崎/朋子
1932(昭和7)年生まれ。福井県出身。福井大学学芸部二部修了後、小学校教師等を経て女性史研究に入る。1973年、『サンダカン八番娼館』(大宅壮一ノンフィクション賞受賞)で世評を得、以後「底辺女性史」を掘り起こす作品に力をこめた。海外売春婦より「青鞜」の評論家となった山田わかの人生をたどった『あめゆきさんの歌』、戦争の悲惨を描いた『鳴潮のかなたに』、『引き裂かれた人生』など。青春期、朝鮮青年との別れの体験から“アジア女性交流史”にも心を寄せ、『愛と鮮血―アジア女性交流史』『朝陽門外の虹―崇貞女学校の人びと』を書いている。自伝に『サンダカンまで』。児童文化研究家の夫・上笙一郎との共著に『日本の幼稚園』(毎日出版文化賞)『光ほのかなれども』(日本保育学会賞)がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
Product Details
Publisher : 文藝春秋; 新装 edition (January 10, 2008)
Publication date : January 10, 2008
Language : Japanese
Paperback Bunko : 438 pages
ISBN-10 : 4167147084
ISBN-13 : 978-4167147082
Amazon Bestseller: #167,479 in Japanese Books (See Top 100 in Japanese Books)
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モンブラン
3.0 out of 5 stars 自分勝手Reviewed in Japan on March 8, 2019
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彼女のこの本により、忘れてはいけないからゆきさんの存在と日本が犯した数々の蛮行を現代の私たちが知ることになったので、そうゆう意味では貴重な本であるとは思う。
が、この著者のおサキさんの取材の仕方に違和感を感じる。初めから取材と分かっていればもしかして話さなかったかもしれない内容を、こんな潜入の仕方で安心させて聞き出し、自分が聞きたいだけ聞き出せば「東京に子供を残してるから帰る」とはなんて勝手なんだろう。おサキさんは本を出すことを承諾してくれたとあるが、承諾とはまた違うのではないか。その昔騙されて南洋にいったのと同じように、また彼女の人生において自分の意思や希望さえ持つことも許されないような毎日を送り続け、人にnoということさえ忘れてしまった彼女は、「本を出す」と言われたらもううなづくしかなかったのではないか。「信頼してたのに目的はこれだったのか」と昔を思い出し唖然としたのではないか。それを自分にとって良いように解釈している著者。尋常じゃない辛いおサキさんの人生を勝手な解釈で世の中にだし、おサキさんは自身のからゆきさん時代の詳細が、近所だけでなく(しかも閉塞的な村社会で生きている)、日本国民に晒されることに対して本当はどんな心境だったのか。きっと小さな村社会ではおサキさんは特定されてしまったと思うが、その後の生活を安全に送れるように著者は配慮、保障はしたのか。こんなにも辛い人生をおくったおサキさんが、心の平安を保って残りの人生過ごしたことを祈ります。また著者のところどころ、自分を知識人とみなし、知識人ぶった上から目線の言い回しが不快感を感じる。また筆者自身がからゆきさんたちをある種特殊なものとしてみていることが伺える。ただ同じ女です。同じ女同士、同じ位置からそしてある種の敬意を払って文章を書けないものかと思う。
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hatayan
TOP 500 REVIEWER
4.0 out of 5 stars からゆきさんの当事者の記録Reviewed in Japan on October 1, 2018
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底辺の女性史の研究者を志す著者。戦前ボルネオ島の売春宿で娼婦として働き、故郷のあばら屋で一人過ごすおサキさんに出会い、歴史に埋もれそうになっていた海外売春婦「からゆきさん」の過酷な生涯を聞き取ります。
著者がおサキさんと起居をともにし、近づいた目的を告白するなかで、不遇ななかにあっても寛容さを失わなかったおサキさんの高潔な人格に著者は一筋の光明を見ます。
単行本は1972年の刊行。2008年に出た「新装版」は、からゆきさんの痕跡をたどった『サンダカンの墓』を合わせて収録。現地で見つけたからゆきさんの墓がことごとく日本に背を向けて立てられていたところに、祖国への複雑な心情を思わずにはいられませんでした。
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SIGシグザウアー
5.0 out of 5 stars 名作、一読をReviewed in Japan on July 22, 2019
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戦前の天草の暮らしから、その中で生き抜いた助成の人世を通して戦前戦後を描いた名作。
比較的保守派な自分が読んでも、思うところが多々あった。
食わず嫌いにならず若い人に読んでほしい。
NHKでドラマ化してほしい。
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あまぞん花子
4.0 out of 5 stars 他にもこんな本があると良いと思います。Reviewed in Japan on November 9, 2018
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詳しく分かって良かったです。作者の姿勢は最後に少し本人から責められてそれもあると思いました。結局取材したかっただけだったとも思いました。
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はくりん
4.0 out of 5 stars 歴史的価値のある名作Reviewed in Japan on October 25, 2020
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歴史に埋もれてしまった悲惨な女性たちを掘り起こしたことに対して非常に価値のある作品。ただ、「からゆきさん」=天草のイメージが定着してしまう恐れがあり、天草に対してマイナスのイメージを持ってしまう感があります。天草に限らず当時の日本の農村は貧しく、娘の身売りが多く行われていたこと背景があることを知った上で、天草を例として書かれていることを考えて読まれることをお薦めします。
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55福助
5.0 out of 5 stars 歴史Reviewed in Japan on August 24, 2014
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自分の母が熊本出身なこともあって、近頃は水俣病など九州の歴史に関わる書籍を読んでいたタイミングで、たまたま見付けた一冊。全くこの“サンダカン”という名称も知らなかったのだが、作者の女性の魅力にもぐいぐい惹き込まれて、一気に読了。中古で購入しましたが、読んで良かった!映画も後日DVDで購入。
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みおげし
5.0 out of 5 stars 驚愕Reviewed in Japan on October 24, 2016
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10歳にもならないうちに女衒に騙され、
マレーシアのサンダカンで客を取らされた、
壮絶な人生を生きた”老からゆきさん”の自宅に住み込み聞き取ったルポルタージュ
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ソマリア市民研究所
5.0 out of 5 stars 口之津歴史民俗資料館を訪ねてReviewed in Japan on October 10, 2017
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長崎に遊びに行く際、友人に何か勉強すべき点はないかと尋ねたところ「からゆきさん」という女性たちのことを初めて知りました。そこで、ネットで調べてみると長崎は南島原市に口之津歴史民俗資料館があり、そこでからゆきさんに関する資料が展示されていることを知り、訪れました。
館内の一角にはからゆきさんの持ち物や関連書籍、10分ほどのDVDの上映など観ることができ、からゆきさんを偲ぶ機会となりました。その後、より詳しく知りたいと思いこの本を手に取るに至りました。過去、貧困の中で女衒(ぜげん)に騙され、東南アジアで売春をさせられた少女、女性たちの半生に対して私は何もできませんが、これを心の中にとどめておきたいと思うとともに、これらの国々に日本が侵略し、多くの人々を殺害していたという事実もきちんととどめておくべきことだともこの本の最後の部分を読み、強く思いました。
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ヒロッチ
5.0 out of 5 stars とても良かった
Reviewed in Japan on December 16, 2012
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この本を読んだ後に、サンダカン八番娼館 望郷のDVDを見られることをお勧めします。
非常に考えさせられる一品でした。
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kotohnoOni
5.0 out of 5 stars 感動、開眼
Reviewed in Japan on September 25, 2017
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からゆきさんを通して、日本の過去の歴史を知らされる。
政治や経済の都合で人間性を痛めつけられてしまう人々がいる。
そういう人々は、からゆきさんだけではなく、東南アジアの人々であったという事実。
さらにからゆきさんが日本によるアジア侵略のための先遣隊であったという見方。
リビングストンやスタンリーが西洋によるアフリカの奴隷貿易や植民地化の先遣隊の役をしたという見方に通じる。
(cf. からゆきさんはザンジバルやアフリカ本土、特に東アフリカにまでいたという事実!!)
ものすごい本だ!! 著者の熱意や知性が感じられる。
特に日本の過去を知らない若い人たちにとって読まなければならない本だと思う。
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