2023-06-04

Amazon.co.jp: 昭和・平成精神史 「終わらない戦後」と「幸せな日本人」 (講談社選書メチエ) : 磯前 順一: Japanese Books

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Japanese Books




昭和・平成精神史 「終わらない戦後」と「幸せな日本人」 (講談社選書メチエ) Tankobon Softcover – August 10, 2019
by 磯前 順一 (著)
4.3 4.3 out of 5 stars 6 ratings

280 pages
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商品説明
私たちは今なお「戦後」という時間のなかを生きている。「戦後」はいつ終わるのか。米軍基地問題、被災者、戦後の傷跡…急激な経済発展の裏側で切り捨てられた人びとの声に耳を傾け、時代の真の姿を静かに問い直す。【「TRC MARC」の商品解説】

 敗戦から70年以上が過ぎ、元号も2度あらたまって、いよいよ昭和も遠くなりつつある。「もはや「戦後」ではない」という宣言から数えてもすでに60年以上が経った。しかし、私たちが生きているのは、今なお「戦後」なのではないだろうか。毎年、戦後何年になるかを数え、ことあらば「戦後初」をうたう。私たちが生きている時間は、つねに「戦後」を起点とし、「戦後」に規定されている。これはいったいなにを意味しているのだろうか。令和の時代を迎えても加速する一方の「息苦しさ」、「生きづらさ」は、実はこの「終わりなき戦後」の終わらなさにこそ原因があるのではないか――。
 本書は、「戦後」という幸福な悪夢の外側に、どうにかして越え出るために、昭和・平成を貫く時代精神の真の姿を映し出す試みである。
 太宰治の絶望、ゴジラに仮託された不安、力道山が体現した矛盾、さらにオウム真理教という破綻と癒えることのない東日本大震災の傷。戦後日本社会の精神史は、東京オリンピックや大阪万博、インターネットの普及など華やかな出来事や物質的豊かさの影で、それを支えるためにそこから排除されてきた人々の嘆きと悲しみの声に満ちている。その声に耳を傾け、「息苦しさ」と「生きづらさ」の根源から目を逸らさず、その姿を受けとめること。「戦後」を終わらせるため、声高になることなく、著者は静かに繰り返し私たちに語りかける。
 うわべだけの「幸せな日本人」を脱ぎ捨て、敗戦から日本社会が抱えこんできた絶望を直視したときにはじめて、希望もまた輝きはじめる。「終わりなき戦後」から、かけがえのない一歩を踏み出すのための、時代に捧げる鎮魂歌。
【商品解説】

目次
はじめに――人生は泳ぐのに、安全でも適切でもありません
第1章 「戦後」というパンドラの匣――太宰治からの問い
第2章 失われた言葉――東日本大震災と「否認」の共同体
第3章 謎めいた他者――ゴジラと力道山、回帰する亡霊たち
第4章 真理の王――オウム真理教と反復される天皇制
第5章 民主主義の死――シラケ世代と主体性論争、そして戦争のトラウマ
第6章 戦後の「超克」――沢田研二、その空虚な主体の可能性
おわりに――戦後社会という世界の外で
参考文献
著者紹介
磯前順一
略歴〈磯前順一〉1961年茨城県生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程中退。博士(文学)。国際日本文化研究センター教授。著書に「近代日本の宗教言説とその系譜」「記紀神話と考古学」など。




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Product description

内容(「BOOK」データベースより)
毎年、戦後何年目かを数え、ことあらば戦後初をうたう。私たちは今なお「戦後」という時間のなかを生きている。便利で豊かで、息苦しさが募るばかりの「戦後」はいつ終わるのか。太宰治の絶望、ゴジラに仮託された不安、力道山が体現した矛盾、オウム真理教という破綻と癒えることのない東日本大震災の傷。急激な経済発展の裏側で切り捨てられた人びとの声に耳を傾け、敗戦で抱え込んだ矛盾を直視する時、はじめて「戦後」の外側が見えてくる。「戦後」に訣別するための、二つの時代に捧げる鎮魂歌。

著者について
磯前 順一
1961年、茨城県生まれ。東京大学 大学院人文科学研究科博士課程中退。博士(文学)。現在は国際日本文化研究センター教授。専門は宗教学、批判理論。
主な著書に『近代日本の宗教言説とその系譜』(岩波書店)、『喪失とノスタルジア』(みすず書房)、『記紀神話と考古学』(角川学芸出版)、『宗教概念あるいは宗教学の死』(東京大学出版会)、『どこにもいないあなたへ』(秋山書店)、『閾の思考』(法政大学出版局)、『ザ・タイガース』(集英社)、『死者のざわめき』(河出書房新社)など。

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Product Details
Publisher ‏ : ‎ 講談社 (August 10, 2019)
Publication date ‏ : ‎ August 10, 2019
Language ‏ : ‎ Japanese
Tankobon Softcover ‏ : ‎ 280 pages
4.3 4.3 out of 5 stars 6 ratings

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goodmooning

5.0 out of 5 stars 稀代のストーリーテラーReviewed in Japan on September 18, 2022
Verified Purchase
現在、目下進行中の物語であると感じたので増補版も欲しい一冊であります。
さまざまな著名人の引用がなされており、分かり易く論を唱えており、
大変為になりました。弱者の声も炙り出しており通低は仄暗いですが、
それが社会の実相でもあり、希望に向けて歩みださねばならないのでしょう。
投壜通信的なメッセージを拾えることが出来れば有難いです。
著者のストーリーに乗っかかるのも一興です。

HelpfulReport

2021/06/23
 13 投稿元:読書メーター

思想史ではなく「精神史」なので、ラカンの「大文字の他者」という概念が中枢に置かれて戦後日本が分析される。在日、原爆、オウム真理教、3.11などを扱いながら、戦争責任と天皇制についての日本人の「否認」の構造を明らかにして、「現代の超克」を提示。それほど真新しい視点ではないが、昭和から平成にかけての様々なトピックを一つのテーマで繋げているため面白く読めた。丁寧だが心に突き刺さる文体。

2020/01/23
 13 投稿元:読書メーター

オウム、ヒロシマ・ナガサキの被爆、東日本大震災のときの被曝、軍隊が駐留している米国植民地日本などを取り上げる。経済優先の繁栄を信じる(信じたふり?)日本の陰の、小さな声なき声。それは充分承知している、それでどこへ話を進めていくのだろう、と戸惑いながら、読むのをやめようかという気持ちを抑えつつ読了。➡

2021/04/30
 6 投稿元:読書メーター

日本のことが知りたくて読んだのだけど、物事を様々な角度から見るって難しいよね。難しいからと言って諦めたくはない。

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