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海を渡る「慰安婦」問題――右派の「歴史戦」を問う 単行本(ソフトカバー) – 2016/6/24
山口 智美 (著), 能川 元一 (著), & 2 その他
5つ星のうち 3.5 10個の評価
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商品の説明
内容紹介
「米中韓が連携し、「慰安婦」問題で日本を攻撃している」。そんな危機感を抱く歴史修正主義者たちは「歴史戦」と称して、アメリカなど海外への情報発信を強めている。ネットによる情報拡散のみならず、現地での集会や訴訟も展開。政府も加わった「歴史戦」の実態を詳細に報告し、歴史認識と政治のあり方を問う。
内容(「BOOK」データベースより)
「米中韓が連携し、「慰安婦」問題で日本を攻撃している」。そんな危機感を抱く歴史修正主義者たちは「歴史戦」と称して、アメリカなど海外への情報発信を強めている。ネットによる情報拡散のみならず、現地での集会や訴訟も展開。政府も加わった「歴史戦」の実態を詳細に報告し、歴史認識と政治のあり方を問う。
登録情報
単行本(ソフトカバー): 160ページ
出版社: 岩波書店 (2016/6/24)
言語: 日本語
ISBN-10: 4000222325
ISBN-13: 978-4000222327
発売日: 2016/6/24
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目次を見る
目次
第1章 「歴史戦」の誕生と展開(「歴史戦」前史―転機としての「一九九七年」
情報戦―第一次安倍内閣時代の右派論壇 ほか)
第2章 アメリカ「慰安婦」碑設置への攻撃(日系アメリカ人が「慰安婦」碑に反対しているという誤報 - 実態のない「日本人いじめ」 ほか)
第3章 謝罪は誰に向かって、何のために行うのか?―「慰安婦」問題と対外発信(マウマウ記念碑 - 「連累(implication)」という概念 ほか)
第4章 官民一体の「歴史戦」のゆくえ(男女共同参画批判と「慰安婦」否定論
一九九〇年代の歴史修正主義と「慰安婦」否定論 ほか)
15
単行本(ソフトカバー)
¥1,760
文藝 2019年秋季号
雑誌
¥1,518
歴史戦と思想戦 ――歴史問題の読み解き方 (集英社新書)
山崎 雅弘
5つ星のうち 3.9 43
新書
¥1,012
日本軍「慰安婦」制度とは何か (岩波ブックレット 784)
吉見 義明
5つ星のうち 3.8 31
単行本(ソフトカバー)
¥572
---------------------------
カスタマーレビュー
5つ星のうち3.5
星5つ中の3.5
評価の数 10
星5つ 45%
星4つ 11%
星3つ 11%
星2つ 12%
星1つ 20%
-----------------------------
10件のカスタマーレビュー
トップレビュー
ミスター・ディグ
5つ星のうち5.0「歴史戦」の起源、実状、そしてその虚妄性を懇切丁寧に解説してくれる佳作2018年11月14日
Amazonで購入
本書を始めて手に取った時、その薄さに驚いた。全部で160ページという事だが、巻末付録に慰安婦問題に関する年表と、「河野談話」、「戦後70年談話」が掲載されており、それを含めての数字なので、実際の本文の文章はもっと少ない。3時間もかからずに全体を読み通せてしまう。
だが、短い文章の中でも、慰安婦問題の「歴史戦」に関する記述は簡潔でしかも丁寧であり、慰安婦問題をよく知らない人でもすんなりと知識が頭に入ってくるだろう。裏を返せば、「歴史戦」というものがそれだけ中身が無い、本書の表現を借りれば「虚構」である事を表しているとも言える。
本書は4章に分かれており、4人の著者がそれぞれ1章を担当している。第1章は、能川元一が日本の論壇における「歴史戦」の起源及びその展開について追っている。「歴史戦」は90年代半ば頃から始まっており、当初は「情報戦」という名前だった事、「歴史戦」は偏狭なナショナリズムと深い関係がある事、「歴史戦」を戦う人達は、日本国内での歴史論争には完勝したと思い込んでおり、それ故に海外での活動が上手くいかない事に苛立っている事などが語られている。
第2章では、アメリカ在住の日本人、小山エミが、アメリカでの慰安婦碑建設をめぐる係争と、それに関わる日本政府の行動や、この係争が与える日系アメリカ人コミュニティへの影響について解説する。
アメリカにおいて慰安婦や、慰安婦碑建設に反対する活動を行っているのは、アメリカ生まれの日系人ではなく、バブル期以降に渡米した「新一世」と呼ばれる人達が大多数を占めていると言う。そういった人達が主張し、かつ活動の根拠にしている「慰安婦碑は日系人へのいじめを引き起こしている」という事実は全く確認されておらず、デマだった事が判明している。慰安婦碑に反対する裁判では、日本政府が関与しており、日系人コミュニティに接触して慰安婦碑建設反対に回らせたという興味深い事実もある。(本書出版の時点では、裁判はまだ終わっていなかったが、結局最高裁で日本側の敗訴が確定した)日本人グループは他にもアメリカの大学などで慰安婦否定の講演会などを開いているが、言動が余りにも韓国側に酷く差別的で、アメリカ人の反感を買ってしまっており、逆効果になっている。
主な内容は上記の通りだが、日本側の活動が赤裸々に明かされており、本書の中でも一番のハイライトである。
第3章は、イギリスで生まれ育ち、オーストラリアに移住した経験を持つテッサ・モーリスースズキが、日本人の過去の歴史の否定や、そのような歴史観に基づいた外国への情報発信について批判している。
割り当てられたページ数は2章と同じぐらいだが、3章は内容がやや薄い気がする。「戦後70年談話」を発表しながら、それに反する行動を取る安倍総理及び日本政府を批判する、日本人は過去の戦争において直接的責任は無いが間接的な責任はある、多数の、外国人に日本政府が慰安婦を否定する本を送り付けている、などが主な内容である。
第4章は、山口智美が、慰安婦問題に関する否定派の運動・活動の流れを概観し、それに対する与党や政府の関与を説明している。非常に多岐に亘って日本側の運動・活動について解説されており、参考になる。「テキサス親父」で有名なトニー・マラーノの名前も出てくる。とにかく、外国人に本やパンフレットを配る、送り付ける、日本に都合の悪い意見を持つ外国人には大々的にバッシングを行い、トニー・マラーノのような外国人は持ち上げるなど、日本側のなりふり構わない活動が印象に残る。それによって、ますます日本の立場が悪くなってしまうという悪循環が発生していると言える。
160ページしかないとは言え、非常に参考になる本だった。ただ、1700円と言う値段については、少し高いのではないかと思う。
22人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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nakanaka
5つ星のうち5.0今も必要な本2019年5月19日
Amazonで購入
今公開中の映画「主戦場」の中で、アメリカでの慰安婦像を巡る訴訟(グレンテール訴訟)が描かれています。大変よくまとめられたいい映画ですが、この本には、その背景も含め丁寧に書かれていますのでおすすめです。「慰安婦」像を巡っては、吉村大阪市長(当時)がサンフランシスコ市との姉妹都市を解消しましたが、その後大阪府知事に当選。彼のような歴史認識を持つ人物が、大阪万博を進めていく資格があるのか、大いに疑問です。日本では、「従軍慰安婦はなかった」との論説が多いですが、世界ではどう見られているかを知ることは、今も必要だと感じます。
14人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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能手 聖利
5つ星のうち1.0歴史修正主義?2018年11月11日
歴史修正主義と批判している人々の主張をまとめると、
・兵士1人が日本刀1本で100人以上斬り殺せるほどの戦闘能力と有り余る予備の日本刀を持ち
・銃剣と単発銃のみで80万人以上殺すなど、原爆以上の破壊力を持つ携行兵器を誇り
・各植民地で無駄に現地人を殺してまわるほど武器弾薬が余っていて
・中国で320万人もの現地労働者を動員し、そのうち100万人が死に
・機密保持の為に1万人を生き埋めにするほどの労働条件でも反乱を起こさせないほどの統率能力を使って
・国境地帯に計19ヶ所、4700kmにおよぶ要塞および1700kmもの地下要塞を作り
・さらにこの超巨大要塞を60年間に渡って秘匿しつづける程、情報管理が徹底していて
・沖縄で米軍上陸後も市民に玉砕命令が出せるほど命令系統がしっかりしていて
・何百万人を殺しておきながら、戦後半世紀以上も、殺害時期、殺害方法、日本兵の心理状況などこと細かな内容迄隠し通す機密保持の高さを誇り
・当時オランダ領だったインドネシアにも開戦前から日本軍用の慰安婦を送り込むほど先見性があり
・揚子江の川幅約20kmを2m以下にしたりするほどの高い土木技術を持ち
・人口20万人の南京市で30万人を虐殺し、かつその死体を1台のトラックで2週間で片付けられるほどの行動力があり
・日本兵の数を上回るほどの従軍慰安婦を一日に一人あたり何十人も暴行するほど体力と食料が有り余っていて
・AVが無かった時代にも関わらず慰安婦に顔射するほど独創性に富み
・韓国で文化施設はもちろん一般家庭にある辞書から料理本に至るまで処分してまわるほど暇で
・保護するために植民地ではなく「併合」したにも関わらず、韓国の運気を捻じ曲げるために、山の頂上に鉄杭やら真鍮杭を埋め込むほど風水に明るく
・人間の脂肪から、航空燃料を作れるほど錬金術に長け
・写真の影さえ消せる位の隠密行動に長け、銃殺しても血が流れない銃を開発し
・韓国の優れた建築施設・街・鉄道を全て接収することなく破壊し尽くした上、新たに日本のダメな建築物に建て替えるほど資材と資財と人材が有り余っていて
・当時の朝鮮の人口のおよそ半数近くを日本へピストン輸送するほど燃料と船舶が豊富で
・960万平方kmもの大地をもつ中国の3分の2を支配し
・家々に火を放ちまくり6年間で1万7000以上の村を焼き払うほどの行動力があり
・250種類もの殺人方法を思いつくほどに残虐で
・無駄に虐殺した5000万人もの民間人の死体を一カ所に集めてたっぷりとガソリンをまいて燃やすほど石油資源に余裕があり
・中国の近代化を50年も遅らせるほどの徹底的な破壊を行い
・わずか70万人の関東軍で戦闘の合間に20万人もの中国人慰安婦を満足させるほど絶倫で
・広く険しい中国大陸を大軍勢で移動していたにも関わらず、各地区の兵士や民間人が逃げる暇も無い程のスピードで動き回るなど金メダル級の運動能力を誇り
・山東省で広島+長崎の核2発分の犠牲者数を超える42万人を殺戮するほどの細菌兵器を保有し
・田舎から都市部まで全ての街道を余す所無く隅々まで破壊し尽くし、さらに人気の無い山の奥深くでさえ草一本残さず毟り取る程の根気と几帳面さを兼ね揃え
・11歳が戦場で暴れ回るほど若い内から逞しく、14歳で731部隊に採用されるほど医学を習得し
・15歳の少年に細菌戦部隊での軍務が務まるほどの教育水準を持っていて
・さらに細菌兵器開発のため20万人を生体実験出来るほど医療設備が充実しており
・1941年の大東亜戦争開戦時にダム一つ作るために延べ360万人を動員し9年間に83名もの犠牲者を出し
・圧倒的科学力を誇る朝鮮の反日勢力になぜか圧勝するほど運がよく
・中国での最初の慰安所「大一サロン」にはハイテクエアコンを完備させ
・中国呼倫貝爾市の地下に60年も見つからない、広さが東京ドーム2.5個分の毒ガス実験室を作れるほどの優れた土木技術と豊富な資源、人材を保有し
・それが建設後60年間誰一人として発見できないような隠蔽を行えるほどの科学技術を誇り
・半世紀以上放置されても使用出来る毒ガスを作れるほどの科学力を誇り
・金の掛かる化学兵器砲弾を200万発も生産して中国全土に埋め
・終戦間際の補給線が断たれた時期にマニラで一日3000人を殺害する継戦能力を保持し続け
・朝鮮人を殺しまくりながら人口を2倍にし、その上でもともと無い記憶を奪えるという摩訶不思議な技術を持ち
・日本一の深度を持つ田沢湖を朝鮮人に掘らせ
・終戦後になぜか意味の無い強制連行を行いまくるほどの軍備と余裕があり
・敗戦国でありながらGHQを手玉にとって朝鮮戦争を起こすようコントロールするほど政治力と外交能力に長ける
ということになってしまうのだけど?
19人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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くまじ
ベスト50レビュアー
5つ星のうち5.0大金を投じて全世界に恥を晒す。2017年12月30日
日本の歴史修正主義者が海外で何かしているらしいという事はなんとなく知っていたが、本書によって実際にどういうことをやっているのかがよくわかった。しかも日本国政府までもが一緒になってやっている。「慰安婦」問題にしても「南京事件」にしても今さら否定のしようがないことには学問的・国際的にもかたがついている。それにもかかわらず官民挙げてそれを否定して回れば、当然世界中に馬鹿を晒す結果になるわけだ。そのための予算は600億円とかで大変な浪費だ。
しかし本書でも言及されているように、日本国内では彼らは「なかった」が通じると思っていられる現状がある。こういう事実に触れると、集団としての日本国乃至日本人が無理筋の戦争をやらかした挙句に、収拾がつかなくなって痛い思いをした過去に全く懲りていないことがよくわかる。自分も含めてこのような集団は核とか軍隊とか危ないものを不用意に弄ばない方が良い、と再確認した次第。
しかし、今後このことで日本国が世界中の笑い物となり、それをきっかけに日本に住む皆が自分たちの至らなさを自覚できるのなら600億円も全くの無駄ではない。
37人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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blue fire
5つ星のうち5.0Shame on You!2017年12月15日
日本の右派が、海外で日本国の評価を必死になって貶めようとしている実態が明らかにされています。正に恥を知るべき。
28人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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Mike Alpha
5つ星のうち4.0官民の歴史修正主義を概観2016年11月29日
民間団体だけでなく、外務省など官を巻き込んだ歴史修正主義運動を概観する一冊。
現在までの流れを知るには最適な本。
69人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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おっちゃん
5つ星のうち5.0右派のトンデモ言説に正面から向き合った学術書2016年7月4日
Amazonで購入
一気に読了。右派(歴史修正主義者)の「歴史戦」なるものがまったくの妄想によるドン・キホーテであることが立証される。一昔前ならトンデモ本扱いの言説が、今や政府の公認となりつつあることに戦慄。第一級の学術書。
131人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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せう
5つ星のうち1.0歴史修正主義者って何だ?2017年3月20日
歴史修正主義者って何だ?間違っている事を正しく修正しても歴史修正主義者なのだろうか?例えば慰安婦における左派の主張に大きな捏造あり、問題となった事実はどのように説明するのだろうか?それは彼らが否定する歴史修正主義者の姿そのものではないのか?。
海外で韓国人が主張している慰安婦の説明は、日本人で左派や韓国人が主張している慰安婦とは全く別物だ。より酷い内容にグレードアップされ、様々な話が追加されており捏造とされている部分も健在だ。それを批判する事が歴史修正主義者なのだろうか?
どうやら韓国の言い分やプロパガンダ・捏造だろうが全て無条件で受け入れ、犬になければ歴史修正主義者となるようだ。軍事国家時代の日本のように全てを無批判に受け入れているようでは、平和や民主主義は遠のいていくだろう。これでは軍事国家時代に逆戻りだ。
68人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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単行本(ソフトカバー)
¥1,760
文藝 2019年秋季号
雑誌
¥1,518
歴史戦と思想戦 ――歴史問題の読み解き方 (集英社新書)
山崎 雅弘
5つ星のうち 3.9 43
新書
¥1,012
日本軍「慰安婦」制度とは何か (岩波ブックレット 784)
吉見 義明
5つ星のうち 3.8 31
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5つ星のうち3.5
星5つ中の3.5
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10件のカスタマーレビュー
トップレビュー
ミスター・ディグ
5つ星のうち5.0「歴史戦」の起源、実状、そしてその虚妄性を懇切丁寧に解説してくれる佳作2018年11月14日
Amazonで購入
本書を始めて手に取った時、その薄さに驚いた。全部で160ページという事だが、巻末付録に慰安婦問題に関する年表と、「河野談話」、「戦後70年談話」が掲載されており、それを含めての数字なので、実際の本文の文章はもっと少ない。3時間もかからずに全体を読み通せてしまう。
だが、短い文章の中でも、慰安婦問題の「歴史戦」に関する記述は簡潔でしかも丁寧であり、慰安婦問題をよく知らない人でもすんなりと知識が頭に入ってくるだろう。裏を返せば、「歴史戦」というものがそれだけ中身が無い、本書の表現を借りれば「虚構」である事を表しているとも言える。
本書は4章に分かれており、4人の著者がそれぞれ1章を担当している。第1章は、能川元一が日本の論壇における「歴史戦」の起源及びその展開について追っている。「歴史戦」は90年代半ば頃から始まっており、当初は「情報戦」という名前だった事、「歴史戦」は偏狭なナショナリズムと深い関係がある事、「歴史戦」を戦う人達は、日本国内での歴史論争には完勝したと思い込んでおり、それ故に海外での活動が上手くいかない事に苛立っている事などが語られている。
第2章では、アメリカ在住の日本人、小山エミが、アメリカでの慰安婦碑建設をめぐる係争と、それに関わる日本政府の行動や、この係争が与える日系アメリカ人コミュニティへの影響について解説する。
アメリカにおいて慰安婦や、慰安婦碑建設に反対する活動を行っているのは、アメリカ生まれの日系人ではなく、バブル期以降に渡米した「新一世」と呼ばれる人達が大多数を占めていると言う。そういった人達が主張し、かつ活動の根拠にしている「慰安婦碑は日系人へのいじめを引き起こしている」という事実は全く確認されておらず、デマだった事が判明している。慰安婦碑に反対する裁判では、日本政府が関与しており、日系人コミュニティに接触して慰安婦碑建設反対に回らせたという興味深い事実もある。(本書出版の時点では、裁判はまだ終わっていなかったが、結局最高裁で日本側の敗訴が確定した)日本人グループは他にもアメリカの大学などで慰安婦否定の講演会などを開いているが、言動が余りにも韓国側に酷く差別的で、アメリカ人の反感を買ってしまっており、逆効果になっている。
主な内容は上記の通りだが、日本側の活動が赤裸々に明かされており、本書の中でも一番のハイライトである。
第3章は、イギリスで生まれ育ち、オーストラリアに移住した経験を持つテッサ・モーリスースズキが、日本人の過去の歴史の否定や、そのような歴史観に基づいた外国への情報発信について批判している。
割り当てられたページ数は2章と同じぐらいだが、3章は内容がやや薄い気がする。「戦後70年談話」を発表しながら、それに反する行動を取る安倍総理及び日本政府を批判する、日本人は過去の戦争において直接的責任は無いが間接的な責任はある、多数の、外国人に日本政府が慰安婦を否定する本を送り付けている、などが主な内容である。
第4章は、山口智美が、慰安婦問題に関する否定派の運動・活動の流れを概観し、それに対する与党や政府の関与を説明している。非常に多岐に亘って日本側の運動・活動について解説されており、参考になる。「テキサス親父」で有名なトニー・マラーノの名前も出てくる。とにかく、外国人に本やパンフレットを配る、送り付ける、日本に都合の悪い意見を持つ外国人には大々的にバッシングを行い、トニー・マラーノのような外国人は持ち上げるなど、日本側のなりふり構わない活動が印象に残る。それによって、ますます日本の立場が悪くなってしまうという悪循環が発生していると言える。
160ページしかないとは言え、非常に参考になる本だった。ただ、1700円と言う値段については、少し高いのではないかと思う。
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nakanaka
5つ星のうち5.0今も必要な本2019年5月19日
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今公開中の映画「主戦場」の中で、アメリカでの慰安婦像を巡る訴訟(グレンテール訴訟)が描かれています。大変よくまとめられたいい映画ですが、この本には、その背景も含め丁寧に書かれていますのでおすすめです。「慰安婦」像を巡っては、吉村大阪市長(当時)がサンフランシスコ市との姉妹都市を解消しましたが、その後大阪府知事に当選。彼のような歴史認識を持つ人物が、大阪万博を進めていく資格があるのか、大いに疑問です。日本では、「従軍慰安婦はなかった」との論説が多いですが、世界ではどう見られているかを知ることは、今も必要だと感じます。
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能手 聖利
5つ星のうち1.0歴史修正主義?2018年11月11日
歴史修正主義と批判している人々の主張をまとめると、
・兵士1人が日本刀1本で100人以上斬り殺せるほどの戦闘能力と有り余る予備の日本刀を持ち
・銃剣と単発銃のみで80万人以上殺すなど、原爆以上の破壊力を持つ携行兵器を誇り
・各植民地で無駄に現地人を殺してまわるほど武器弾薬が余っていて
・中国で320万人もの現地労働者を動員し、そのうち100万人が死に
・機密保持の為に1万人を生き埋めにするほどの労働条件でも反乱を起こさせないほどの統率能力を使って
・国境地帯に計19ヶ所、4700kmにおよぶ要塞および1700kmもの地下要塞を作り
・さらにこの超巨大要塞を60年間に渡って秘匿しつづける程、情報管理が徹底していて
・沖縄で米軍上陸後も市民に玉砕命令が出せるほど命令系統がしっかりしていて
・何百万人を殺しておきながら、戦後半世紀以上も、殺害時期、殺害方法、日本兵の心理状況などこと細かな内容迄隠し通す機密保持の高さを誇り
・当時オランダ領だったインドネシアにも開戦前から日本軍用の慰安婦を送り込むほど先見性があり
・揚子江の川幅約20kmを2m以下にしたりするほどの高い土木技術を持ち
・人口20万人の南京市で30万人を虐殺し、かつその死体を1台のトラックで2週間で片付けられるほどの行動力があり
・日本兵の数を上回るほどの従軍慰安婦を一日に一人あたり何十人も暴行するほど体力と食料が有り余っていて
・AVが無かった時代にも関わらず慰安婦に顔射するほど独創性に富み
・韓国で文化施設はもちろん一般家庭にある辞書から料理本に至るまで処分してまわるほど暇で
・保護するために植民地ではなく「併合」したにも関わらず、韓国の運気を捻じ曲げるために、山の頂上に鉄杭やら真鍮杭を埋め込むほど風水に明るく
・人間の脂肪から、航空燃料を作れるほど錬金術に長け
・写真の影さえ消せる位の隠密行動に長け、銃殺しても血が流れない銃を開発し
・韓国の優れた建築施設・街・鉄道を全て接収することなく破壊し尽くした上、新たに日本のダメな建築物に建て替えるほど資材と資財と人材が有り余っていて
・当時の朝鮮の人口のおよそ半数近くを日本へピストン輸送するほど燃料と船舶が豊富で
・960万平方kmもの大地をもつ中国の3分の2を支配し
・家々に火を放ちまくり6年間で1万7000以上の村を焼き払うほどの行動力があり
・250種類もの殺人方法を思いつくほどに残虐で
・無駄に虐殺した5000万人もの民間人の死体を一カ所に集めてたっぷりとガソリンをまいて燃やすほど石油資源に余裕があり
・中国の近代化を50年も遅らせるほどの徹底的な破壊を行い
・わずか70万人の関東軍で戦闘の合間に20万人もの中国人慰安婦を満足させるほど絶倫で
・広く険しい中国大陸を大軍勢で移動していたにも関わらず、各地区の兵士や民間人が逃げる暇も無い程のスピードで動き回るなど金メダル級の運動能力を誇り
・山東省で広島+長崎の核2発分の犠牲者数を超える42万人を殺戮するほどの細菌兵器を保有し
・田舎から都市部まで全ての街道を余す所無く隅々まで破壊し尽くし、さらに人気の無い山の奥深くでさえ草一本残さず毟り取る程の根気と几帳面さを兼ね揃え
・11歳が戦場で暴れ回るほど若い内から逞しく、14歳で731部隊に採用されるほど医学を習得し
・15歳の少年に細菌戦部隊での軍務が務まるほどの教育水準を持っていて
・さらに細菌兵器開発のため20万人を生体実験出来るほど医療設備が充実しており
・1941年の大東亜戦争開戦時にダム一つ作るために延べ360万人を動員し9年間に83名もの犠牲者を出し
・圧倒的科学力を誇る朝鮮の反日勢力になぜか圧勝するほど運がよく
・中国での最初の慰安所「大一サロン」にはハイテクエアコンを完備させ
・中国呼倫貝爾市の地下に60年も見つからない、広さが東京ドーム2.5個分の毒ガス実験室を作れるほどの優れた土木技術と豊富な資源、人材を保有し
・それが建設後60年間誰一人として発見できないような隠蔽を行えるほどの科学技術を誇り
・半世紀以上放置されても使用出来る毒ガスを作れるほどの科学力を誇り
・金の掛かる化学兵器砲弾を200万発も生産して中国全土に埋め
・終戦間際の補給線が断たれた時期にマニラで一日3000人を殺害する継戦能力を保持し続け
・朝鮮人を殺しまくりながら人口を2倍にし、その上でもともと無い記憶を奪えるという摩訶不思議な技術を持ち
・日本一の深度を持つ田沢湖を朝鮮人に掘らせ
・終戦後になぜか意味の無い強制連行を行いまくるほどの軍備と余裕があり
・敗戦国でありながらGHQを手玉にとって朝鮮戦争を起こすようコントロールするほど政治力と外交能力に長ける
ということになってしまうのだけど?
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くまじ
ベスト50レビュアー
5つ星のうち5.0大金を投じて全世界に恥を晒す。2017年12月30日
日本の歴史修正主義者が海外で何かしているらしいという事はなんとなく知っていたが、本書によって実際にどういうことをやっているのかがよくわかった。しかも日本国政府までもが一緒になってやっている。「慰安婦」問題にしても「南京事件」にしても今さら否定のしようがないことには学問的・国際的にもかたがついている。それにもかかわらず官民挙げてそれを否定して回れば、当然世界中に馬鹿を晒す結果になるわけだ。そのための予算は600億円とかで大変な浪費だ。
しかし本書でも言及されているように、日本国内では彼らは「なかった」が通じると思っていられる現状がある。こういう事実に触れると、集団としての日本国乃至日本人が無理筋の戦争をやらかした挙句に、収拾がつかなくなって痛い思いをした過去に全く懲りていないことがよくわかる。自分も含めてこのような集団は核とか軍隊とか危ないものを不用意に弄ばない方が良い、と再確認した次第。
しかし、今後このことで日本国が世界中の笑い物となり、それをきっかけに日本に住む皆が自分たちの至らなさを自覚できるのなら600億円も全くの無駄ではない。
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blue fire
5つ星のうち5.0Shame on You!2017年12月15日
日本の右派が、海外で日本国の評価を必死になって貶めようとしている実態が明らかにされています。正に恥を知るべき。
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Mike Alpha
5つ星のうち4.0官民の歴史修正主義を概観2016年11月29日
民間団体だけでなく、外務省など官を巻き込んだ歴史修正主義運動を概観する一冊。
現在までの流れを知るには最適な本。
69人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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おっちゃん
5つ星のうち5.0右派のトンデモ言説に正面から向き合った学術書2016年7月4日
Amazonで購入
一気に読了。右派(歴史修正主義者)の「歴史戦」なるものがまったくの妄想によるドン・キホーテであることが立証される。一昔前ならトンデモ本扱いの言説が、今や政府の公認となりつつあることに戦慄。第一級の学術書。
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せう
5つ星のうち1.0歴史修正主義者って何だ?2017年3月20日
歴史修正主義者って何だ?間違っている事を正しく修正しても歴史修正主義者なのだろうか?例えば慰安婦における左派の主張に大きな捏造あり、問題となった事実はどのように説明するのだろうか?それは彼らが否定する歴史修正主義者の姿そのものではないのか?。
海外で韓国人が主張している慰安婦の説明は、日本人で左派や韓国人が主張している慰安婦とは全く別物だ。より酷い内容にグレードアップされ、様々な話が追加されており捏造とされている部分も健在だ。それを批判する事が歴史修正主義者なのだろうか?
どうやら韓国の言い分やプロパガンダ・捏造だろうが全て無条件で受け入れ、犬になければ歴史修正主義者となるようだ。軍事国家時代の日本のように全てを無批判に受け入れているようでは、平和や民主主義は遠のいていくだろう。これでは軍事国家時代に逆戻りだ。
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