Kim Heechul
3 h ·
予告していた通り14日、日本市民団体「Fight for Justice(ファイト・フォー・ジャスティス)http://bit.ly/37W4scQ 」が、日本史研究会・歴史学研究会・歴史科学協議会・歴史教育者協議会などの学術団体と共にオンライン・セミナーを開いた。このセミナーで学者たちは、米国ハーバード大学のマーク・ラムザイヤー教授の、旧日本軍が犯した「慰安婦」被害者たちのことを「自発的な契約にもとづく売春婦」と規定した論文について、「基本的な学術論文の要件も備えていない」と批判した。
今回のセミナーで、日本国内の慰安婦研究の第一人者に挙げられる中央大学の吉見義明名誉教授は、
「慰安婦の契約について論じている論文なのに、たった1枚の契約書も提示していない。ここでの契約は、社会で通用している一般的な契約ではなく、女性の奴隷的拘束を引き起こす『犯罪的人身売買契約』という事実を無視している。ラムザイヤー教授の論文は、当時の契約書を一枚も提示したり検討したりしていない」
「当時契約書にサインした慰安婦は日本人女性の大部分と一部の朝鮮人女性だけであり、契約はないままに軍と業者によって略取あるいは誘拐によって慰安所に拘束された多くの女性たちがいた。契約書がある場合にも、契約期間が終わって、お金を全額返済したにもかかわらず帰国できない女性が数えきれないほど多くいた」
「ラムザイヤー教授の論文にはその主張を裏付ける証拠が提示されていないか、自分勝手に作り出した話まである。このように見るならこの論文は破綻しており、問題が多すぎて学術論文として認めがたい」「何より『慰安婦』は性奴隷制の被害者であったという重大な人権侵害を、無視しているというのは致命的だ」と評価した。
吉見教授は、「慰安婦」制度を作る際に軍と政府が深く関与していたことを示す文書を、1992年に初めて発見した人物で、その後、日本政府が「慰安婦」動員の強制性を認めた1993年の「河野談話」を発表する際にも影響を与えた。
日本の近代公娼制度と日本軍「慰安婦」制度を研究してきた立教大学の小野沢あかね教授も、この日のセミナーで慰安婦制度を公娼制度と同様に見たラムザイヤー教授の論文を批判して
「自分の主張に合う文献と資料だけを恣意的に使って他の根拠は無視した。慰安婦制度は何よりも旧日本軍が主体となって慰安所を設置して慰安婦を募集した点で公娼制度とは違う」
「この論文は、遊女契約は事実上の人身売買契約という多くの先行研究を無視しており、資料的根拠がない主張で、遊女と慰安婦制度の実態を論じているとは到底言えない」
「植民地と日本軍の占領地域で『慰安婦』として募集された女性のほとんどは、日本軍または日本軍の指示を受けた業者によって暴力、詐欺、人身売買などの手段により募集されたものだ」と評した。
今回のセミナーには、関連専門家であるシンガポール国立大学の茶谷さやか教授や東京外国語大学の金富子教授、大阪産業大学の藤永壮教授や同志社大学の板垣竜太教授、カナダ・トロント大学の米山リサ教授らが参加した。
当タイムライン http://bit.ly/3bNql0g でも触れたが、これに先立ち、「Fight for Justice」と日本学術団体は10日、ラムザイヤー教授の論文を批判する、緊急声明を発表している。
このセミナーでは「慰安婦問題に対する日本政府の態度を批判する意見も出された。藤永氏は討論で、韓国の崔鍾文(チェ・ジョンムン)外交部第2次官が国連で「旧日本軍慰安婦は普遍的人権問題」と指摘すると、日本側が2015年慰安婦合意を挙げて反発した事実に言及して「このような日本の態度は歴史を隠そうとするものだ」と指摘した(中央日報)」
歴史を否定したり隠そうとする現日本政府の態度は、言うまでもなくその根底にあるのは、歴史修正主義そのものだ。
知ってか知らずか、「日本会議」や日本の極右翼(似非右翼、右翼もどき)やネトウヨたちが「宗教化」した、醜悪で姑息な日本の歴史修正主義は、日本社会全般を蝕み腐らせる。その結果、日本社会そのものが自前の「ガラパゴス化」とは別に、世界の「科学的・歴史的真理」から遊離する羽目に陥る。これが愛国なら、愛国が悲しく空しいすぎるではないか。
何度でも言うが、日本の歴史修正主義の主張の焼き写しで問題だらけのラムザイヤー教授の論文、この噴飯物の「事件」を早く終息させてはならない。醜悪で姑息、「戦争美化」の危険極まりない日本の歴史修正主義は、今更いうまでも無く韓日間の2国間の問題などではない。国際問題だ。
「慰安婦=性奴隷」にされた人たちは、日本人・朝鮮人・台湾人・中国人・フィリピン人・インドネシア人・ベトナム人・マレー人・タイ人・ビルマ人・インド人・ティモール人・チャモロ人・オランダ人・ユーラシアン(白人とアジア人の混血)・ドイツ人(最近オランダの学者が発表)などの若い女性たちだ。
ラムザイヤー教授の論文の波紋はどこまで広がるのか? 広がる国際世論を巻き込んで、波紋が波紋を呼び、世界の隅々まで広がるところまで広がればよい。日本の歴史修正主義が国際的・日常的にイシュー化され、普遍化したいわゆる『ナチス禁止法』のような『特別法』が制定されるまで。響き共鳴するものは何でも鳴らせ! 執拗に!
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