2020-07-11

黒人ユース9人が語る、BlackLivesMatterと日本の人種差別 - i-D

黒人ユース9人が語る、BlackLivesMatterと日本の人種差別 - i-D

黒人ユース9人が語る、BlackLivesMatterと日本の人種差別
ブラック・ライヴズ・マター運動は決して対岸の火事ではない。日本特有の差別とは? 日本で暮らす9人の黒人ユースに自身の差別体験や、BLMにまつわる大きな誤解について訊いた。

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この数ヶ月でブラック・ライヴズ・マター(BLM)は国際的な話題となり、日本でもその広がりを見せています。しかし、日本で暮らす黒人の声や経験がメディアで取り上げられることは稀で、じゅうぶんとは言い難い状況です。日本にある黒人ディアスポラの存在はいまだに可視化されていません。今回のポートレイトとインタビュー企画では、黒人たちの日本における体験の独自性を紹介します。それはひとつのストーリー、ひとつのアイデンティティには収まらない多様なものです。大阪なおみだけだけが日本の黒人ではありません──アメヤ(フォトグラファー)

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モハ(21)@moha.jp
──何している人?

「大学生、モデル、YouTuber」

──日本歴は?

「4歳のときから今まで」

──日本で体験した差別を教えてください。

「何度も「国に帰れ」と言われてきた。黒人だからという理由で色々なアルバイトの面接で落とされた。電車やバスが混んでいるのにもかかわらず誰も隣に座らない。外国人だからこのマンションは借せませんと言われた」

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──人種差別をなくすために、これを読んでいる読者は何をするべきでしょうか?

「とにかく知識をつけること。無知の怖さは半端じゃない」

──BLMを初めて知ったのはいつでしたか?

「高校生のころ、スーダンに里帰りしたときにアメリカで生まれ育った従兄弟と実家で人種差別について話したことがあった。その時に彼がぼそっと「お前にはわからない」とつぶやいたのを今でも鮮明に覚えている。この時初めてアメリカの残酷さを目の当たりにし、BLMを知るきっかけになった」

──アメリカの黒人たちや彼らが闘っているものに共感できますか?

「彼らの怒りは共感できるが、正直苦しみや苦痛は僕には共感できないものだと思う。国家のシステム的な差別によって受けてきた彼らの苦しみは計り知れない」

──YouTubeの「日本で生まれ育った外国人が人種差別(いじめ)について話す。」動画の反響は?

「反響はとても大きかったけど、コメント欄を見るとまだまだ発信していく必要があるなと感じた。平気でNワードを書いてくる人や「日本から出て行け」という人もいた」

──BLMを知るためのオススメ映画は?

「ネットフリックスの『ボクらを見る目』」

──尊敬する人は誰ですか?

「マルコムX。彼のカリスマ性と人を惹きつける力を尊敬している」

──BLMについて一番誤解されていることはなんだと思いますか?

「日本には差別がないとおもっている人が多すぎる。確かに意識的な差別は少ないけど、日頃から無意識でしている差別はたくさんある」

──日本に感じる希望を教えてください。

「日本はまだまだ世界と比べたら外国人の数は少ない。だけど今後増えていくのは確実だから今から知識をつけることで、日本の未来は希望に満ち溢れていくはず」

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アミナ(20)@iamtsukada
──何している人?

「仙台に暮らす学生、イラストレーターです」

──日本歴は?

「トータルで13年」

──目の前に「日本には人種差別・レイシズムがない」と言う人がいたらなんて言いますか?

「反韓感情、反中感情、移民労働者に対する虐待・搾取、移民の不当拘束、ブラック/ブラウンの雇用拒否。これらはすべてレイシズムの行為です。ここ数年の移民の増加率を考えれば、日本社会に根付いている無意識の偏見(バイアス)と向き合うことは重要だと思います。こうした問題の緊急性を認識するのは不快で不便なことかもしれませんが、差別を受けている人たちはあなたのアテンションを必要としています。日本で社会的に周縁化された人たちの話に耳を傾け学んでください。心地よいバブルから抜け出して、現実と向き合ってくれたら嬉しいです」

──BLMについて知るためのオススメ作品、インスタを教えてください。

「チママンダ・ンゴズィ・アディーチェの小説『アメリカーナ』、マヤ・アンジェロウの自伝『歌え、翔べない鳥たちよ』、ジョナサン・コゾルの『Savage Inequalities』(未邦訳)。強く推したいのはアーネスト・J・ゲインズの『A Lesson Before Dying』(未邦訳)。無罪にもかかわらず16歳で死刑を宣告された黒人ウィリー・フランシスの史実に基づいた小説です。インスタなら、日本語で様々な情報を発信している@ko_archives、@hanasou.jp、@cocoalizzy、@noyouth_nojapan。ネットフリックスにある『13th』『投獄:カリーフ・ブラウダーの失われた時間』『マイ・ストーリー』は、アメリカで暮らす黒人が置かれた状況、BLMの緊急性を理解するのにおすすめです」

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──誰にインスピレーションを受けますか?

「常識の限界に挑戦する人たちに刺激を受けます。映画『ロード・オブ・ザ・リング』の制作チーム。それからBTS。誠実な作品を届けようとする努力とコミットメントだけでなく、オーディエンスに有意義で適切なメッセージを届けようとする彼らの責任感を尊敬しています。偏見なしに聴いてみてください」

──あなたのアートの着想源は?

「絵を描くときには何かを考えているわけではなくて、ペンを持ったらひたすら描くだけです。呼吸のようなもので、意図しつつも無意識的というか」

──今はどんなプロジェクトに取り組んでいますか?

「新しいプラットフォーム「COMMU」を紹介したいです。日本を拠点にしたコミュニティで、ソーシャル・ジャスティス(社会正義)について話し合う場をつくることを目指しています。こういうスペースは、様々なバックグラウンドをもつ人たちがつながり、知識や意見を共有するために不可欠で、今の日本に求められていると思います」

──日本に感じる希望を教えてください。

「本当に多くの人が日本でブラック・ライヴズ・マターのプロテストに参加している姿を見て嬉しくなりました。これは人々が聞く耳を持ちはじめた印だと思っています。いまはかつてないほど日本に住むブラック/ブラウンの人たちが可視化されて、意見にも耳を貸してくれる状況なので心強いです。なので日本と黒人のハーフ女性として、私もインクルーシブな日本を作るためにできるかぎりのことをしたいと思っています」

──最後に読者に伝えたいことは?

「日本で暮らすブラック/ブラウンの子供たちへのメッセージです。日本で活躍している私たちの記事や写真から、人生を生きていくための勇気を感じとってもらえたら嬉しいです」

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ダイサク(17)@deeskkrrrr
──何している人?

「高校生です。コラージュしたりスケボーしたりしてます」

──日本歴は?

「日本で生まれ育ちました」

──日本で体験した差別を教えてください。

「小学生の時の体験が一番深く心に残っています。寄ってたかって殴られたり暴言を吐かれたり、それをみている周りの大人や学校の先生たちは何も言わず僕のことを悪く言ったり。母親を外人好きの売春婦やビッチ呼ばわりされたりもしました。自分の存在を否定されているようでした。今はだいぶ前より外国人の方やハーフの人たちへの理解が広がってきてますが、差別は今でもたまに受けます。怖がられたり、差別的な発言を言われたり。あんまり気にならなくなりましたが、やっぱり生きづらいです」

──BLMを初めて知ったのはいつでしたか?

「アメリカにケイっていう友達がいて、彼や他の友達たちは僕と同い年ぐらいなんですけどNYのプロテストに参加していて、それで知りました。ケイは日本人だけど、列の先頭に立ち2回も催涙スプレーをかけられても正義を訴えていてすごく心を動かされました。それで自分は『友達が闘ってるのに何で自分は闘わないんだ』と強く思いました」

──インスタTVで、小さいときから差別を受けたことや若い世代のパワーについて話していました。どんな反響がありましたか?

「僕の周りだけではなく全く知らない人や自分と同じような経験をしてきた人たちからたくさんメッセージがきました。今まで意識してなかった人が意識し始めたり、この問題を変えたいと言ってくれた人も多くてすごくパワーを感じてうれしかったです」

──BLMを知るためのオススメ映画、インスタアカウントなどあれば教えてください。

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「IGだと@hanasou.jp。僕が見たなかでは『13th』。ちょっと過激的だから、苦手な人なら『親愛なる白人様』とかですかね」

──BLMについて一番誤解されていることはなんだと思いますか?

「白人と黒人だけの問題だと思われていること。差別は障害者の方やLGBTQの方、女性に対してもあります。日本には韓国の方や中国の方に対する差別の歴史もあります。日本人同士でも部落差別があります。これらはBLMと同じ人権の問題だと思います」

──最後に読者に伝えたいことは?

「差別してないと思っていても無意識な差別になる場合があります。自分は差別をしてないと思う前に、相手の立場になって考え、思いやりを持つことが大事だと思います。たくさん語り合い、行動し、みんなで声を出して変えていきましょう!」

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モハメド(22)@mohamed_01.png
──何している人?

「都内の企業でwebデザイナーをしています」

──日本歴は?

「日本生まれ日本育ちです」

──日本で体験した差別を教えてください。

「ジロジロ見られる、電車で隣に座られない、こちらを見ながら内緒話をされる..….etc。それは差別じゃないよと言われるかも知れませんが、幼少期からずっと経験していて辛い思いをしていたのは事実です」

──目の前に「日本には人種差別・レイシズムがない」と言う人がいたらなんて言いますか?

「『差別を受ける当事者でないとなかなか気づくのは難しいですよね』と言いますかね」

──人種差別をなくすために、これを読んでいる読者は何をするべきでしょうか?

「日本における差別の大半は無意識の偏見によるものなので、それを無くすのはなかなか難しいと思います。外国人に対してだけでなく、日本人同士でも性別、出身地、性的指向などを理由に通常と違った扱いを受けることも多いと聞きます。相手の目線に立ち、言動を慎重にすることで、差別を無くすための第一歩を踏み出せるようになるのではないでしょうか。ただ、この記事を読んでいる人の大半は差別問題に関心がある人だと思います。SNSで人種差別に関する記事をシェアすることも立派な行動になると思いますのでやってみてはいかがでしょうか」

──BLMについて知るためのオススメ作品は?

「『コミ・カレ!!』。ダークコメディでかなり笑えますが、ところどころ登場人物が発する差別的な発言とそれに対しての他の役の反応を見ることで、「こういった発言も差別になりうるのか」と気づくきっかけになります」

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ティファニー・レイチェル(22)@tiffrichx
──何している人?

「大学生です。最近トレードの取引(外国為替)をし始めました」

──日本歴は?

「16年。中学校と高校の6年間はアメリカで暮らしました」

──BLMを初めて知ったのはいつでしたか?

「アメリカに住んでいたとき。近所に住んでいる人とか教会・学校で会う知り合いやその家族の黒人が白人警察に殺害されて、その警察が誤った報告をするという事件が何度もあった。毎日のように起きたと言っても過言ではないくらい。黒人差別の状況はあまりにも酷くて、黒人として差別される気持ちや感覚がわからない方にはわかってほしくないくらい辛い」

──茨城で黒人として育ってどうでしたか。

「茨城県で暮らしていたときはみんな顔見知りでした。アメリカに引っ越すまでは「黒人」というよりも「アメリカ人」という意識のほうが強かったような気がする」

──目の前に「日本には人種差別・レイシズムがない」と言う人がいたらなんて言いますか?

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「正直言って、自分もそう言ってた人でした。自分が日本で差別されたことがないことから『日本は差別なんかしないよ』と主張していました。アメリカから帰ってきて、何人かの外国人やハーフの友達、兄から日本で受けた差別の話を聞いて初めて日本でも差別が起きているとわかった」

──アメリカと日本でどちらで住みたいですか?

「日本。アメリカでは差別が激しく、ありのままの自分を受け入れてくれなかった毎日が辛かったです。命の危機を常に感じるのも耐えられませんでした。日本に住んでたときの自由さはアメリカに住むまで気づきませんでした。高校卒業後に帰国したのも自由を取り戻すためです。もちろん日本にも日本なりの問題はありますが、アメリカにいるよりはずっといいと思っています」

──BLMや日本での差別について知るためのオススメのインスタアカウントは?

「@japaninsolidarity、@blmtokyojp、@hanasou.jp、@blossomtheproject、@donateyourloveandmoney」

──最後に読者に伝えたいことは?

「アメリカでは無知であることはかなり見下されている(特に人種差別に関しては)。日本でも「知識は力である」や「無知は罪」という言葉がある。そこで恐ろしいのはただ知ること。知識を持ってるだけでその知識を活用しなければ意味はない。今回初めてBLM運動を知ったという人はたくさんいると思うし、認知するのは大事な第一歩だけど、知ったうえで自分に何ができるかまで考えていかないと、日々苦労している黒人やこれまで殺された人たちのためにはなりません」

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オースティン・フリーマン(24)@nigenseii
──何している人?

「東京でライターをしています。社会政治やポップカルチャー、東京のレストランについての記事を書いています」

──あなたの日本歴は?

「2014年に来て、今年6年目です」

──日本に住む黒人ライターとして意見を聞いてもらえていると思いますか?

「まったく。東京やアジアで出ているBLMの記事はほとんど白人男性によって書かれています。そのなかには過去に人種差別的な言動をした記者も多くいます。公民権運動の真っ只中で、編集者たちが白人男性に知見を求めるのは馬鹿げています。BLMは私たちの専門分野であって、彼らのものではありません」

──日本での体験を記事にする意義はどこにあると思いますか?

「記録するためだけではなく、少しでも抑圧と闘うことが重要です。自分も日本に来る前、日本で黒人としていることはどのようなものなのか、ネットで必死に調べました。心の準備がしたかったんです」

──人種差別をなくすために、これを読んでいる読者は何をするべきでしょうか?

「黒人の声を聞くこと。在日コリアンの声を聞くこと。ムスリムの声を聞くこと。あなたが日本人でこの国の差別と闘いたいと思っているなら、そこにある差別を認める必要があります。私たちが自分自身の体験について話し合っているときに、悪魔の代弁者を演じない(わざわざ反論を差し込まない)こと。帝国主義の日本史を学べば、この国が差別の遺産のうえに成り立っていることがはっきりすると思います。知識を身につけましょう」

──日本とアメリカ、どちらで暮らしたいですか?

「日本のレイシズムにもアメリカのレイシズムにも等しくうんざりしています。ただ日本のほうが仕事がたくさんあるので、当面のあいだはここがホームです。どこでいても僕は黒人で、差別に直面します。レイシズムとの闘いは航空券を買っても終わりません。なのでどの大陸にいようと、僕は前衛に立つことになるのだと思います」

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──日本での差別について知るためのオススメの映画を教えてください。

短編映画の『Born with It』。子供がいる人は一緒に見てほしいです。

──BLMについて一番誤解されていることはなんだと思いますか?

「すべて。なかでも特に、暴力について。アフリカ系アメリカ人の歴史やアフリカ系ディアスポラに関する理解が根本的に欠けている。日本人は黒人が建物を燃やす映像だけ見て、黒人が公で殺されている映像を見ていない。警察が黒人の遺体と撮ったセルフィーを見ていない。黒人の肉体が被ってきた400年間の暴力を理解せず、それに対する私たち黒人の反応だけを見ている。BLMを理解したければ、その文脈を知らなければいけない」

──日本に感じる希望を教えてください。

「次の世代。日本人の友達と話していてもその変化は感じます。移民やハーフ、マイノリティの人口も増え続けているので、お互いに団結して強みを見つけていく。そしてその強みがアクションや変化を促すと思います」

──最後に読者に伝えたいことは?

「オール・ブラック・ライヴズ・マター(All Black Lives Matter)。ここには黒人のLGBTも含まれています。彼/彼女らはこれまで常に黒人開放のリーダーとして闘ってきた人々です。BLMもクィア黒人女性たちが始めた運動です。黒人を支持しながらアンチLGBTでいるということはあり得ません。みんなで自由になるか、それともみんな不自由のままか、二つに一つです」

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リジー(21)@cocoalizzy
──何している人?

「ニューヨークでモデルとユーチューバーをしながら大学でマーケティングについて学んでいます」

──日本歴は?

「生まれてから高校卒業するまでの18年間」

──YouTubeチャンネルを始めたきっかけは?

「私のような黒人ハーフの子たち、特に日本に住んでいる子たちは自分の肌に合うメイクやスキンケア、ヘアケアの方法を知らない人が多いと思うんです。その子たちに「日本人みたいになることだけが “美” とゆーわけじゃないんだよ」って伝えたくて始めました。自分の肌が暗いせいで、いろんなことを諦めてほしくないんです」

──BLMについて話したインスタ動画が200万回再生されて話題になりました。どんな反響がありましたか?

「私の動画を見るまで、今でも人種差別があることを知らなかったという人もいて、正直びっくりでした。でもその人たちはもともと差別のことを知っていた人よりも倍に学ぶ姿勢を見せて発信してくれています」

──日本で体験した差別を教えてください。

「日本の小中学校では髪の毛をチリチリといつもからかわれ、肌の色は焦げている、汚い、臭いと言われていました。高校生で初めてのバイト先で店長に何人かのお客さんが黒人から商品を買いたくないと苦情が来たと伝えられ、2ヶ月でクビになりました。新しいお店で働こうとしても、お客さんを怖がらせてしまうと言われ日本では人の前に出る場では働けないと思いました」

──昔の自分にアドバイスするとしたら?

「自分が黒人である事に誇りを持って、周りと自分を比べないで」

──東京とニューヨーク、どちらで暮らしたいですか?

「大好きな家族や友達、思い出もあるのでいつも日本での生活を考えてます。日本では警察や差別主義の人に命を狙われることもない。でもニューヨークに来てから、自分と同じ肌の色の人を沢山みて、黒人でいる自分が本当に好きになり始めたんです。日本にいた頃は 「肌の色が違うからこんな反応されるんだ」と辛かったので。選べないです!」

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──BLMを知るためのオススメ映画は?

「『それでも世は明ける』は実話の黒人奴隷の話で、どのようなして人種差別が始まったのかを分かりやすく伝えている。『ヘイト・ユー・ギヴ』は現代の黒人差別を描いた映画で、警察と黒人の関係も分かる」

──尊敬する人は?

「シェフのソフィア・ロウ。発言や声を届けるのが上手で、すごく素敵だなって思う。後は歴史に戻れば戻るほどこの400年間、黒人差別に対して立ち上がってくれた偉人たち。頭が上がらない」

──BLMについて一番誤解されていることはなんだと思いますか?

「自分は差別をしていないと思っている人が沢山いること。あとアジア人が受ける差別と黒人の差別が同じようなものだと思っている人たちが多すぎる。黒人は殺されてるの」

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イハブ(19)@lil_kebaby
──何している人?

「大学生」

──日本歴は?

「19年」

──日本で体験した差別を教えてください。

「幼い頃はよく肌の色でいじめられた。でもこれは子供が無知ゆえにしてしまうものだと思うから根に持っているわけでもないし、何も思わない」

──ケバブチャンネルの活動を教えてください。

「ビジネスです笑」

──「日本で生まれ育った外国人が人種差別(いじめ)について話す。」動画の反響は?

「結構伸びましたね。年齢層も上がってました」

──BLMについて一番誤解されていることはなんだと思いますか?

「日本には差別はないと言ってる人たちが結構いました」

──目の前に「日本には人種差別・レイシズムがない」と言う人がいたらなんて言いますか?

「差別がないというのは間違っている。日本人は黒人や外国人を怖がったりする人が多いから直接私たちを差別はしないけど、SNSなどで『国に帰れ』って言ったりしている人もいるし、私も直接言われたことがある」

──人種差別をなくすために、これを読んでいる読者は何をするべきでしょうか?

「これはシンプルに自分がされて嫌なことは人にしないです。黒人だけじゃなく韓国人や中国人への差別もひどいので、なくなってほしいです」

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マゼン・アズハリ(20)@mazen.of
──何している人?

「大学生、モデル、YouTuber」

──日本歴は?

「17年くらい」

──ケバブチャンネルってどんなYouTube番組ですか?

「幼馴染の4人組が5歳くらいからやってたことをコメディとして発信している」

──日本で体験した差別を教えてください。

「○満員電車でも自分の隣にはだれも座らない。○みんなが異物を見るような目でじろじろ見てくる。○学生時代に肌の色が違うだけでいじめにあった。○電話対応などで相手が普通に対応してたのに私の名前を聞いた瞬間からタメ口だったり簡単な日本語を使ってきたりすること。○誰でも受かるようなバイトが受からない」

──目の前に「日本には人種差別・レイシズムがない」と言う人がいたらなんて言いますか?

「シンプルにこれだけ発信してる人たちがいるなら少しは耳を傾けるべきだと思う。それでもなお言うんだったら、同じ体験をしてもらうしかない。やらないけどね?」

──BLMについて一番誤解されていることはなんだと思いますか?

「黒人も白人も黄色人も平等であるっていう前提から、黒人の犯罪率が高いのは黒人に原因があると誤解していること。三角貿易や奴隷の歴史、アメリカにおける黒人の人権の推移などを学んで、黒人の人権を他の人種と同じに戻そうとしている活動だっていうことを理解してほしいですね」

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──日本に感じる希望を教えてください。

「最近は海外の人と日本人との間に生まれているハーフが多く活躍していて、日本人の定義も自然と変わっていくと思うので、そこに関しては希望を持っています」

──最後に読者に伝えたいことは?

「『みんな違ってみんないい』小学校で習ったよね?この言葉が日本人にしか当てはまらないと思っているのなら、そんな考え捨てて今すぐ考え直したほうがいいと思う」




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