未来をひらく歴史 - Wikipedia
未来をひらく歴史
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『未来をひらく歴史』
(みらいをひらくれきし)
著者 日中韓3国共通歴史教材委員会
発行日 2005年5月26日
発行元 高文研
ジャンル 歴史
形態 単行本
ページ数 223
公式サイト 高文研
コード ISBN 9784874983416
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『未来をひらく歴史』(みらいをひらくれきし)は、日本・中国・韓国の研究者、中学・高校教員、大学院生、市民活動家が編集・執筆し、2005年に日本語版は高文研、韓国語版はハンギョレ新聞出版部、中国語版は社会科学文献出版社から出版された学校副教材。副題は『日本・中国・韓国=共同編集 東アジア3国の近現代史』。
目次
1執筆者
2韓国の反響
3批評
4脚注
韓国の反響[編集]
盧武鉉大統領は、出版社から見本を取り寄せ熟読して、出版記念会に祝賀メッセージを贈り、教育部はこの本を全国各地の中学・高校の校長に寄贈した[1]。それは盧武鉉政権支持で経営危機にある韓国語版の版元のハンギョレ新聞への実質的な経営支援ともいわれる[1]。
批評[編集]
下川正晴は、『未来をひらく歴史』の朝鮮戦争の項目について、
北朝鮮の人民軍が半島南部の解放をめざして南下をはじめたのです。— 日本語版 (p188)
北韓の人民軍が武力統一を目標に南侵したのである。— 韓国語版 (p214)
と日本語版と韓国語版は異なっており、「半島南部の解放」戦争という朝鮮戦争観は、この教材作りに参画した日本側執筆者の旧態依然たる共産党史観であり、またブルース・カミングスに影響を受けた修正主義史観によるものとしている[1]。盧武鉉左翼政権の韓国でも学校副教材に朝鮮戦争を「半島南部の解放」戦争と書くわけにはいかず、カメレオンのように姿を変える歴史修正主義者たちの奇々怪々さにはあきれるしかなかった、と述べている[2]。また、朝鮮戦争における韓国、北朝鮮、中国の被害に関する言及はあるが、米兵の犠牲者についての記述はなく、東アジア3国中心主義の反米史観との批判も免れないだろうとしている[2]。またチベット問題、天安門事件、中越戦争、文化大革命、大躍進政策も記述がないとも述べている[3]。
下川は、「お粗末」な記述になったのは、日本側執筆者の大日方純夫が、ハンギョレ新聞(2005年5月15日)のインタビューで、「2005年春に出版することが実践的な課題だった」と発言しており、2005年の焦点の『新しい歴史教科書・改訂版』の検定・採択に対抗することが先決だったためだろうと見做している[4]。また、歴史記述に政治的運動を介入させるなら、その歴史記述の質が、無残なまでに低下するのは明らかであり、歴史研究者としては自殺行為であり、まともな歴史研究者の中では『未来をひらく歴史』に対する評価はきわめて低い、と評している[4]。
脚注[編集]
^ a b c 下川正晴 (2005年7月22日). “ソウル発!! 人&風(サラム&パラム) 第18回 日中韓副教材への疑問(その1)”. 毎日新聞. オリジナルの2006年6月19日時点によるアーカイブ。
^ a b 下川正晴 (2005年7月26日). “ソウル発!! 人&風(サラム&パラム) 第19回 日中韓副教材への疑問(その2)”. 毎日新聞. オリジナルの2006年12月9日時点によるアーカイブ。
^ 下川正晴 (2005年7月29日). “ソウル発!! 人&風(サラム&パラム) 第20回 日中韓副教材への疑問(その3)”. 毎日新聞. オリジナルの2005年12月23日時点によるアーカイブ。
^ a b 下川正晴 (2005年8月2日). “ソウル発!! 人&風(サラム&パラム) 第21回 日中韓副教材への疑問(その4)”. 毎日新聞. オリジナルの2005年12月23日時点によるアーカイブ。
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