2018-08-28

もうすぐやってくる尊皇攘夷思想のために | 加藤 典洋 |本 | 通販 | Amazon



もうすぐやってくる尊皇攘夷思想のために | 加藤 典洋 |本 | 通販 | Amazon





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Product description

内容紹介

来年は明治150年。続く、新元号、東京五輪。新時代の予感と政治経済の後退期の狭間にある今、考えるべきこと。未来像を探る批評集
内容(「BOOK」データベースより)

2018年、明治150年―そして天皇退位、TOKYO2020。新たな時代の予感と政治経済の後退期のはざまで今、考えるべきこととは何か。戦後論の第一人者が、失われた思想の可能性と未来像を探る批評集。See all Product description


Product details

単行本: 323 pages
Publisher: 幻戯書房 (September 21, 2017)
Language: 日本語
ISBN-10: 4864881316
ISBN-13: 978-4864881319
Release Date: September 21, 2017
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Table of Contents



1 二一世紀日本の歴史感覚(もうすぐやってくる尊皇攘夷思想のために―丸山眞男と戦後の終わり 三〇〇年のものさし―二一世紀の日本に必要な「歴史感覚」とは何か)
2 スロー・ラーナーの呼吸法(ヒト、人に会う―鶴見俊輔と私
書くことと生きること ほか)
3 「破れ目」のなかで(矛盾と明るさ―文学、このわけのわからないもの
戦争体験と「破れ目」―ヤスパースと日本の平和思想のあいだ ほか)
4 明治一五〇年の先へ(上野の想像力八月の二人の天皇 ほか)
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takeshi Aoyagi

5.0 out of 5 starsあらためて、著者の思考の深化と凄みを感じたAugust 19, 2018
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戦後入門と(確か) 雑誌「新潮」に掲載されていたシン・ゴジラ論は、
個人的にあまり読んでもしっくりこなくて、物足りなさを感じていたが
やっぱりこの人はすごいなと思った。

同著者のほぼ同じタイミングで出た岩波ブックレットと野口良平「幕末的思考」を読むと、
論点や問題意識がより明確になると思う。

また、個人的にはルソーとドストエフスキーについての評論が、
とてもわかりやすくて、鋭かったので目から鱗が落ちまくった。

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S_Y

5.0 out of 5 stars尊王攘夷の至誠が尊王開国に転ずる日本的革命のダイナミズムNovember 5, 2017


尊王攘夷思想を突き詰め、その限界に突き当たることで突如「尊王開国」思想に国民全体のマインドが転換する・・・というダイナミズムこそが明治維新の本質である、と著者は説きます。

最初から尊王開国あるいは佐幕開国では革命は成就しえなかった。国民を糾合し政権を倒す力を持っていたのは尊王攘夷思想だけだった、という見立てはその通りだと思います。

私はかねてから、開明的な合理主義者であるなずの福沢諭吉が、「丁丑公論」で西郷の抵抗の精神を称揚し、「痩我慢の説」で勝の幕府への不忠を論難していることに、違和感を持っていました。

幕末期に開国派であった福沢が、結局のところ自らの合理主義は革命にとって無力であり、西郷的な尊王攘夷の至誠のエネルギーこそが革命を成就させ、文明開化の推し進める力になったことを自己批判的に認識していた・・・だからこそ、「丁丑公論」と「痩我慢の説」が書かれたのだという著者の説は、極めて説得的です。

そしてまた、勝もそれは先刻承知であって、尊王攘夷の至誠が尊王開国に転ずるダイナミズムを西郷とともに演出したのがおのれであるという自負があり、だからこそ「行蔵は我に存す、毀誉は他人の主張、我に与からず我に関せず」という返答を彼は返したのだ・・・という著者の整理は鮮やかです。

昭和維新においては、明治維新と異なり「尊王攘夷→尊王開国」に転換するキッカケを見失って、最後まで尊王攘夷のまま亡国の敗戦に突き進んでしまいました。

戦後70年が過ぎ、尊王攘夷的な言論が公に散見されるようになってきました。日本が米国の属国であることがあからさまになり、それに対する反発としての尊王反米の声が、例えば内田樹・宮台真司・小林よしのりのように、右派・左派の双方からあがっていることは、周知の通りです。

親米保守な安倍政権への抵抗軸としての尊王攘夷(反米)思想の機が熟しつつあるいま、先の敗戦の轍を踏まずに、「攘夷を突き詰めた限界の先にある開国」という日本的革命の成功ルートを歩むためには、我々はどうすればいいのか?

・・・本書を一読して、こういうことを考えさせられました。
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Bibliothekar

5.0 out of 5 stars鶴見俊輔と出会い、感化されてゆく回想はなかなか刺激的October 2, 2017


1970年代末にモントリーオール大学の東アジア図書館日本課の設置の為に国立国会図書館から赴任した著者が 鶴見俊輔と出会い、感化されてゆく回想はなかなか刺激的

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