北朝鮮で考えたこと (集英社新書) (日本語)Paperback Shinsho – 2012/5/17
by テッサ・モーリス-スズキ (著), 田代 泰子 (著, 翻訳)
2.4 out of 5 stars 2 customer reviews
Paperback Shinsho
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北朝鮮へのエクソダス―「帰国事業」の影をたどる
テッサ・モーリス・スズキ
3.4 out of 5 stars 15
単行本12 offers from ¥677
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Product description
内容紹介
この国で生きるとはどういうことなのか?
1910年に無名の英国人女性が残した「幻の紀行文」を手に、英米圏を代表する日本研究者が、北朝鮮を訪れる。そこで見たものとは? 北東アジア地域が経験した100年間の意味を問う力作!
内容(「BOOK」データベースより)
1910年、名もなきイギリス人女性が、満州と朝鮮を旅した。それはまさに大日本帝国による朝鮮併合の瞬間でもあった―。本邦未訳のそのE・G・ケンプの「幻の紀行文」を手にした著者は、一世紀後、彼女が辿ったルートを再訪する。そこで見えてきたものとは?英米圏を代表する日本研究者が、北朝鮮で生きる人々の日常を鮮やかに描出し、北東アジア地域が経験した100年間の意味に思いを馳せる。イザベラ・バードの古典的名著『朝鮮紀行』にも比すべき、貴重な歴史記録。See all Product description
Product details
新書: 256 pages
Publisher: 集英社 (May 17, 2012)
Language: 日本語
ISBN-10: 4087206432
ISBN-13: 978-4087206432
Release Date: May 17, 2012
: 6.8 x 4.2 x 0.6 inches
Average Customer Review: 2.4 out of 5 stars 2 customer reviews
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食わせ者
4.0 out of 5 stars北の体制と人民の区別、歴史の中に位置づける試みJune 24, 2012
著者は、日本人の夫を持つオーストラリア在住の日本研究者(日本近代史)として著名である。北朝鮮に関しては『北朝鮮へのエクソダス 帰国事業の影をたどる』(朝日文庫)という作品がある。姜尚中氏との対話の記録等を通じて、著者が北朝鮮問題への情緒的接近を嫌っていることを知ってはいたが、北朝鮮という不可解な国家を訪れて著者がどういう感想を持ったのかに興味があって、この本を手にした。
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テッサ・モーリス・スズキ
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この国で生きるとはどういうことなのか?
1910年に無名の英国人女性が残した「幻の紀行文」を手に、英米圏を代表する日本研究者が、北朝鮮を訪れる。そこで見たものとは? 北東アジア地域が経験した100年間の意味を問う力作!
内容(「BOOK」データベースより)
1910年、名もなきイギリス人女性が、満州と朝鮮を旅した。それはまさに大日本帝国による朝鮮併合の瞬間でもあった―。本邦未訳のそのE・G・ケンプの「幻の紀行文」を手にした著者は、一世紀後、彼女が辿ったルートを再訪する。そこで見えてきたものとは?英米圏を代表する日本研究者が、北朝鮮で生きる人々の日常を鮮やかに描出し、北東アジア地域が経験した100年間の意味に思いを馳せる。イザベラ・バードの古典的名著『朝鮮紀行』にも比すべき、貴重な歴史記録。See all Product description
Product details
新書: 256 pages
Publisher: 集英社 (May 17, 2012)
Language: 日本語
ISBN-10: 4087206432
ISBN-13: 978-4087206432
Release Date: May 17, 2012
: 6.8 x 4.2 x 0.6 inches
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食わせ者
4.0 out of 5 stars北の体制と人民の区別、歴史の中に位置づける試みJune 24, 2012
著者は、日本人の夫を持つオーストラリア在住の日本研究者(日本近代史)として著名である。北朝鮮に関しては『北朝鮮へのエクソダス 帰国事業の影をたどる』(朝日文庫)という作品がある。姜尚中氏との対話の記録等を通じて、著者が北朝鮮問題への情緒的接近を嫌っていることを知ってはいたが、北朝鮮という不可解な国家を訪れて著者がどういう感想を持ったのかに興味があって、この本を手にした。
中国に住んだこともある友人と姉を伴って2009年に中国東北部を経て南北朝鮮を訪れた際の見聞録だが、訪問地を任意に選んでいる訳ではない。100年前の1910年に、E.ケンプというイギリス女性が友人と満州、朝鮮等を旅した記録を残しているのだが、著者は、ケンプ達の旅したのと同じ道を辿ろうとした。ケンプの旅行記を下敷きとして、そこに記録された事実に立ち返りながら自分の見聞を記録するという方法を採っている。1905年に日露戦争が日本の勝利で終わり、1910年が日韓併合の年であってみれば、ケンプの記録に立ち返ることを通じて、この地域の歴史的背景を読者が理解するという巧みな仕掛けが施されていることになる。
そして、著者の歴史家としての鋭い眼は、「北朝鮮の指導者たちが植民地都市の痕跡をすべて拭い去る決意を公言しても」、「二十世紀初頭に近代化をはかった日本人たちが敷設した碁盤目状の街路は主体思想の首都にとって格好の基礎となった」事実を見抜くのである。平壌からの報告を少なからず読んだが、こうした指摘に会うのは初めてだった。
ここに、「人はあらゆるものの主人であり、すべてを決定する」という、この国の拠って立つ思想とそのもたらした結果への著者の根源的批判を読み取ることは容易である。また、訪問客に対する「儀式を時計仕掛けのように正確に学習している」がその中身は分かっていそうもない子供達が、大人になった時に、このパーフォーマンスをどんな風に思い出すことだろうという指摘(205頁)も、盲目的愛国少年であった昭和一桁生まれとしては、身につまされる指摘である。政治的信条のために人が殺され拷問されている国の土を踏むことの是非をめぐる著者の悩み(朴政権時代の南についても感じた)を告白した部分(70−71頁)に、著者の根本的姿勢が表明されている。
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