2019-11-28

18 巨人の箱庭 平壌ワンダーランド


巨人の箱庭 平壌ワンダーランド 

単行本 – 2018/8/31
荒巻正行 (著)

5つ星のうち
4.6 3個の評価


商品の説明

内容紹介

北朝鮮のロック少女?! など撮り下ろし写真や図版を多数収録!

著者の20年にわたるフィールドワークをもとに「都市論」から北朝鮮を捉える。
独自のルートによるアプローチを経て何度も平壌を訪れ取材。
その過程における考察からベールに包まれた現代文明の秘境・平壌が著者独自の視点により解き明かされていく。知られざる北朝鮮の姿がここにある。

これまで誰も解読に成功することのなかった、北朝鮮という不可解なる暗号を解くカギとなるもの……それが外部の者が入ることが許されなかった秘境の世界、平壌という都市ではないでしょうか。
現代的感覚との、政治的な乖離がある北朝鮮の在り方が国際問題化してから久しく時間が経っていますが、良くわからないという理由などにより、平壌という都市自体が半ば無視されているのが現状です。
しかしパラダイムがシフトし、時代が変われば、平壌という都市文明とその独自文化が世界の社会人類学の興味の対象にもなるでしょう。
本書は、その先鞭をつけ、ひもとくための一助となる一冊となるでしょう。

【目次】
導入:平壌秘境論
序論:巨人の系譜論
本論:箱庭の平壌論
はじめに
Part1.金日成の新古典主義
Part2.金正日の構成主義都市
Part3.金正恩のSFバロック建築都市
おわりに
写真:平壌の芸術
Part1.アート&クラフト
Part2.プロダクトデザイン
人物:平壌の少女
まとめ:ピョンヤン・フィクション論

各メディアでも続々と紹介されています!
「FLASH」2018.9.18号/「朝日新聞」2018.9.22/「月刊WiLL」2018.11月号/「読売新聞」2018.09.30/「信濃毎日新聞」2018.10.14/「沖縄タイムス」2018.10.20
出版社からのコメント

現代感覚との政治的な乖離がある北朝鮮の在り方が国際問題化して久しいものとなっています。そのうえ、平壌という都市自体も無視されているのが現状ではないでしょうか。
そのような北朝鮮・平壌を著者である荒巻正行氏は20年にも及ぶフィールドワークを行ってきました。その成果としてまとめられたのが、本書に掲載している論文であり写真・図版であります。
ページを進めるにつれて、ベールに包まれた平壌が独自の視点により解き明かされていくのは必見・必読の価値あるものとなっています。商品の説明をすべて表示する


登録情報

単行本: 272ページ
出版社: 駒草出版; A5 上製版 (2018/8/31)
言語: 日本語
ISBN-10: 4909646051
ISBN-13: 978-4909646057
発売日: 2018/8/31
商品パッケージの寸法: 21 x 14.8 x 2.5 cm
おすすめ度: 5つ星のうち 4.6 3件のカスタマーレビュー


3件のカスタマーレビュー
トップレビュー

ダダイズム

5つ星のうち4.0なぜ文字の級数がこんなに低い?2019年5月9日
Amazonで購入
大変貴重な資料だと思います。
出版物としての体裁というか,なぜこんなに文字が小さいのか…老眼の私は疲れてしまいました。
あえて狙ってのことなのでしょうか?

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sasabon

殿堂入りNO1レビュアーベスト50レビュアーVINEメンバー
5つ星のうち5.0平壌を形作る不思議な建造物群の写真に魅入りました2018年12月5日

「北朝鮮が持つ強烈な重力にとらわれているのかもしれない(191p)」というスタンスで書かれています。平壌の都市構造を明確に示そうという本でした。
豊富な写真と、筆者の平壌の建造物に対しての考え方が詳しく述べられ、参考になりました。平壌の少女たちのポートレイトも豊富で、本論の展開とは別に珍しい切り口の北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)を見たという思いです。
ただ、文字のポイントが小さく、老眼を抱えている身には少し読みづらいのには閉口しました。

拉致も含めて多くの問題を抱えている北朝鮮は、情報統制のため、ほとんどその実態が分からないため、関心はあっても知らないことが多すぎるわけですが、この「巨人の箱庭 平壌ワンダーランド」は、その情報不足を補うのに有効で貴重な書籍でした。

冒頭で荒巻正行さんは「プロパガンダで紹介される平壌の建築群には、巨大な政治モニュメントのイメージがあるが、それらはソ連時代の社会主義リアリズムの影響を受けた新古典主義(スターリン様式)の建築である。」と明確に位置付けていました。
また、17pでは「新生ソ連で花開いたロシア・アバンギャルドの構成主義による都市計画は、結局実現しないまま終わったのである。」とし、「世界でただ一つの全体主義国家」だ、としています。大きな捉え方で、平壌の建造物群の特徴を説明していました。

「はじめに」の箇所で展開してあり、102pには「金正日による構成主義都市」という論を展開してありました。
「広場正面の丘の上に巨大な民族様式の屋根を備えた人民学習堂が建設された」とあります。シンボリックな建造物です。「金日成広場は前後左右に象徴建築を備えた、閉ざされた空間になった(113p)」わけで、本書のテーマとも関連する記述の箇所でした。
続いて、124pから「金正日の箱庭」論が書かれてあり、特異な都市構造の姿を浮き彫りにしていました。
なお、関連する建造物の写真は実に多く、これだけの平壌の建物の写真が掲載された書籍は珍しいのではと思うほどです。

他のメディアではほとんど紹介されない建物まで掲載してありますので、一つ一つ不思議な気分で読み進めました。よくこれだけの写真撮影が可能だったと感心しました。難しい取材作業ではなかったのでしょうか。

もっとも、絵葉書的な写真は実状の理解にはつながりません。庶民の日常生活は本文に全くと言ってよいほど書かれていません。取材の難しい北朝鮮の特殊性については理解していますが。
日本との国交もなく、拉致も解決せず、核問題についても灰色の決着が見られる同国ですが、本書を読むことで、虚像でもあり実像でもある平壌やそこに生きている人を理解することも我々にとっても必要ではないのかと思いました。

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Amazon カスタマー

5つ星のうち5.0貴重なデータが満載です2018年9月30日

難しい内容であるが、上手に構成されていて分かり易く読めました。著者は20年間平壌でのフィールドワークを続けて写真等も含めた多くのデータを蓄積し、特に建築様式に目をつけて平壌という人口250万都市の成り立ちを今までにないアートという独自の観点から分析した本である。平壌に関するいろいろな写真等視覚的情報もたくさん掲載されていてまたコラージュアート等ももりこまれていてデザイン的にも洒落ています。雑誌pen(11/15号)書評にて今月の一冊とのことで取り上げられていました。

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「巨人の箱庭」平壌ワンダーランド 
駒草出版


 北朝鮮の首都平壌ピョンヤンの街並みを、都市論の観点から豊富な写真・図版を使って紹介した『巨人の箱庭 平壌ワンダーランド』が、駒草出版から刊行された。

 著者で東アジア学研究者・記録写真家の荒巻正行さんは長年、北朝鮮で現地調査を続けてきた。閉鎖的な政治体制の下で発展してきた250万都市・平壌を「現代文明の秘境」と呼び、その特徴的な都市計画や建築について金日成キムイルソン、金正日キムジョンイル、金正恩キムジョンウン3代の指導者の街づくりを比較。それぞれを新古典主義都市、構成主義都市、SFバロック都市と定義し、世界から孤立した「ガラパゴス都市」を新たな視点で考察している。

読売新聞 「本よみうり堂」 書評より



著者:荒巻正行(あらまきまさゆき)

東アジア学研究者・記録写真家。1968年生まれ、大阪府出身。
米国・メリーランド大学カレッジパーク校人文学部東アジア研究学科卒。中国・首都経済貿易大学大学院留学。早稲田大学大学院修了、修士(国際関係論)。
北京を拠点に研究活動を行い、1997年より20年にわたり映像記録による北朝鮮での現地調査を続けている。また、チベット・北朝鮮をテーマにした報道ドキュメント作品を多数制作し、日本テレビ、TBS、NHKなどで放映されている。
2007年からは平壌の女子高生によるロック・プロジェクトを主宰している。

【朝日新聞 書評】
北朝鮮は今、私たちの紋切り型の先入見を置き去りにして、さらなる未来へと向けて急激に様変わりしつつあるのかもしれない。本書を手にして、その答えがおぼろげながら見えてきた。
​多摩美術大学教授・美術評論家 椹木野衣

​【神戸新聞・岩手日報・沖縄タイムズ等 書評】
彗星のように登場したのがこの本だ!!
狭い建築論ではなく、北朝鮮の思想・政治・経済などを説明しながら時代的な特徴を記述する。北朝鮮の初心者にもわかりやすい。
​京都大学教授 小倉紀蔵

​【雑誌「pen」 書評】
著者は、首尾一貫して日本人の固定化した北朝鮮像を刺激し、覆す。北朝鮮の本音を読み解くカギは、本書の延長線上にある気がしてならない。
​写真家・ジャーナリスト 菱田雄介

​【評論】
著者は、北朝鮮について、従来の政治学や国際政治学とは異なる観点から、この特異な国が長期に存続する理由を模索する。本書のような発想を念頭に置くことが、日朝交渉の成功にもつながるような気がする。​
国際政治学者 舛添要一



​現代のインテリゲンチャーの方々に贈る一冊「巨人の箱庭」

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