2018-08-06

李容浩朝鮮外相 ARF演説文 | 高麗ジャーナル



李容浩朝鮮外相 ARF演説文 | 高麗ジャーナル




2018.08.05
李容浩朝鮮外相 ARF演説文







議長先生

私はまず、ASEAN地域フォーラム相会議を主催し、参加者を親切に歓待してくれている、シンガポール共和国政府に謝意を表します。

また、6月の成果な朝米首脳の対面と会談のために素晴らしい条件と便宜を提供してくれたシンガポール政府の誠意ある協助に、もう一度謝意を表します。

ここシンガポールで朝米関係史上初めて行われた首脳対面と会談はアジア太平洋地域の情勢の発展に最も深遠で肯定的な影響を及ぼした重大な出来事でした。

長年の敵対関係にあった国の間でもお互いに信頼を造成すれば、対話と交渉で地域と世界の平和と安全保障問題を解決していけるということを示した事に、シンガポール首脳対面が持つ巨大な国際的意義があります。

アジア太平洋地域は、その地政学的位置と日々増大する巨大な成長の機会に、戦略的重要性が拡大し続けて、世界的な介入が増えており、それにより、多くの複雑な問題点も新たに生まれている地域です。

この地域で大国の利益が互いに衝突する問題が発生したり悪化しており、その過程で、地域の国々の団結と協力関係、情勢安定に不利な影響を与える要素が現れています。

発展と繁栄の必須条件である地域の平和と安全を危険にさらす事態が頻繁になっています。

このような時こそ地域の国々は、地域問題の解決の主人、当事者としての自主的立場をさらに確固に堅持して団結と協力を強化していくべきでしょう。

私は、朝鮮民主主義人民共和国が「東南アジア親善および協助条約」に加入してから10周年になる意味深い年に、朝鮮半島情勢で画期的な転換を遂げ、地域全体の平和と安全に意味深い寄与をすることができるようになったことを特に嬉しく思います。

私はこの機会に、朝鮮民主主義人民共和国 国務委員会委員長 金正恩同志の大胆な決断と平和守護の意志、精力的な実践活動により、朝米関係の新しい歴史の章が広げられ、朝鮮半島と北東アジア情勢に根本的に新しい肯定的な気流が形成されたことを誠心に支持歓迎してくれた地域の国々に、深い謝意を表します。

自主権尊重、平等、互恵の原則で、地域のすべての国と友好協力関係を積極的に発展させ、ASEAN地域フォーラムの信頼醸成と予防外交実現のための共同の努力に、引き続き貢献しようとする私たちの立場に変わりはありません。

議長先生

朝鮮半島に形成された平和と安定の新しい気流は、アジア太平洋地域全般情勢の安定的で建設的な発展のために、地域のすべての国が共同の努力で積極的に関心して大事にしながら強固にしていかねばならない貴重な芽です。

朝鮮半島に強固な平和を構築するための道のりは、今、歴史的な一歩を踏み出したに過ぎません。

過去の不信と敵対の長い歴史を見る時、信頼を造成し朝鮮半島に平和を確固なものに定着させる過程は、時間と手間がかかる長久な道のりにならざるをえません。

現在の朝鮮半島情勢は一言で言って、古いものを打破し新しいものが誕生する歴史の瞬間と言えます。

科学の世界と同じように政治の世界でも、新しいものの誕生は古いものとの闘争を伴わざるをえません。

去る6月、ここシンガポールのセントーサ島で、朝米首脳は、失敗を重ねてきた過去の方式から大胆に抜け出し、まったく新しい方法で新しい歴史を記していくことの世紀的な合意を成し遂げました。

その結果、第1に、新しい朝米関係の樹立、第2に​​、朝鮮半島での恒久的で強固な平和体制の構築、第3に、朝鮮半島の完全な非核化、第4に、米軍遺骨発掘及び送還を内容とする歴史的な朝米共同声明が採択発表されました。

朝米共同声明を責任的に、誠意をもって履行していこうとする朝鮮民主主義人民共和国の決心と立場は確固不動です。

朝米共同声明の完全な履行を担保する根本的な鍵は、信頼醸成です。

信頼は一朝一夕に積み上げられる感情ではなく、朝米間の十分な信頼醸成のためには、必ず双方の同時的な行動が必須的であり、できることから一つずつ順次的にしていく段階的な方式が必要です。

もし米国が共同声明で第3と第4の条項のみを先に履行することを主張し、私たちは第1と第2の条項だけを先に履行することを主張するなら信頼は造成されにくいだろうし、共同声明の履行そのものが難関にぶつかるでしょう。

信頼醸成を先行させ、共同声明のすべての条項を均衡的に、同時的に、段階的に履行していく新たな方法だけが、成功できる唯一の現実的な方途と私たちは信じています。

米国が、私たちとしても心おきなく近寄ることができるようにしてくれる時、私たちもまた、米国に心を開いて、それを行動で見せることができるようになります。

これが朝米両国首脳が成し遂げた合意精神の根本核です。

憂慮すべきは、米国内で首脳部の意図とは異なり、古いものに戻ろうとする試みが、しつこく続けて表出している事です。

朝鮮半島の非核化のために、核試験とロケット発射試験の中止、核試験場廃棄など、私たちが主動的に先にとった善意の措置に対する答えどころか、米国ではむしろ、我が国に対する制裁を維持しなければならないという声がさらに高まっており、朝鮮半島の平和保障の初歩の初歩的措置である終戦宣言問題からも後退する姿勢を見せています。

ましてや、今年9月に迎えることになる共和国創建70周年慶祝行事に、他の国が高位級代表団を送らないように圧力を加えるような、極めて穏当でない動きまで現れています。

焦りは決して信頼醸成の助けにはならず、特に一方的な要求にだけにしがみつくのは、信頼ではなく逆に不信だけを甦らせることになります。

朝米共同声明が、米国の国内政治の犠牲物にされて首脳たちの意図と異なる逆風が生じることを許してはなりません。

私たちはすでに、米国が建設的な方案を持って来るならば、それに相応して何かをする考えもしていたが、米国が、私たちの懸念を消し去ってくれる確固たる用意を行動で示さない限り、私たちだけが一方的に先に動くことは絶対にありません。

朝鮮のことわざに「ゆっくりでも牛の歩み」という言葉がありますが、朝鮮半島の非核化を実現するためには、一つ一つの段階的な同時行動を通じて信頼を着実に積み上げていくことが最も速く、確実な近道です。

ASEANが地域協助機構として発足して以来、今日のように親善と協助の雰囲気が溢れる機構に、国際的な尊敬と信頼を受ける機構に発展するために50年以上の歳月がかかったし、地域の平和と安全に対する国際的協調のために、朝鮮民主主義人民共和国がASEAN地域フォーラムに加入して以来、今日のような朝鮮半島情勢の画期的な転換を目撃することになるまで、18年という期間がかかったという歴史的事実を想起してみるべきでしょう。

議長先生

朝鮮民主主義人民共和国は4月、経済建設に総力を集中させる新たな戦略的路線を選択しました。

我が国で経済を復興させ人民の生活を高めれば、地域全体の平和と安全性、経済的成長のために良ければ良いし、決して悪いことはないでしょう。

その実現のため、私たちはこれまでよりも朝鮮半島とその周辺の平和的環境を必要としています。

国際社会は、当然、私たちが非核化のために先ず取った善意の措置に、朝鮮半島の平和保障と経済発展を鼓舞し推し動かす建設的な措置で応えねばならないでしょう。

私はこの場を借りて、会議に参加したASEAN地域フォーラムのすべての加盟国が、苦労して作られた朝鮮半島情勢転換の世紀的な機会を大切にして、朝鮮半島問題を根源的に解決するのに役立つ事をするだろうという期待と確信を表明するものです。

ありがとうございます。
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