中国「日本は米国に戦争させたがっている」 韓国に伝達
ソウル=牧野愛博
2017年9月25日07時00分
日本の北朝鮮政策について、中国の外交当局者が今月、韓国との協議の席で「まるで米国に戦争をさせたがっているようだ」などと批判した。中韓関係筋が明らかにした。韓国の文在寅(ムンジェイン)政権が北朝鮮への人道支援を決めたことなどを巡って、日米と韓国の足並みはそろっていない。中国の発言の背景には、日米韓の連携を弱めたい思惑があるとみられる。
同筋によれば、中国側は安倍晋三首相が今月、米ニューヨーク・タイムズ紙への寄稿で「北朝鮮と対話しても行き詰まる」と訴えたことなどに言及。好戦的だとして不快感を示したという。韓国側は特にコメントしなかった模様だ。
韓国政府内では、国連機関を通じた北朝鮮への人道支援に対して、日本側が再三懸念を示していることに不快感が広がっている。政府関係者の一人は「政治と人道問題は区別すべきだ。すぐに実施するとも言っていない」と語る。
このため同筋は、中国が韓国に対して日本批判を展開したことについて、北朝鮮との対話の余地を残したい韓国政府の方針を利用し、「韓国と日米間の関係を悪化させたい狙いがあるのではないか」と語った。
韓国の専門家の間では、中国が米軍の高高度迎撃ミサイルシステム(THAAD〈サード〉)の韓国配備に反対している背景について、「ミサイル防衛を通じ、韓米日の安保協力が進むことを懸念している」との声が出ている。中国はこれまで靖国神社参拝や歴史認識問題などで、韓国側に日本批判の共同歩調を持ちかけたこともある。
日米韓は10月半ばに、ソウルで外務次官級協議を開き、結束を確認したい考えだ。(ソウル=牧野愛博)
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