“記憶”と生きる
元「慰安婦」姜徳景の生涯
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映画『“記憶”と生きる』今夏公開予定! 韓国における「慰安婦」問題のシンボルだった姜徳景の半生を追った記録。
著者 土井 敏邦 著
ジャンル 政治・社会・労働
出版年月日 2015/04/20
ISBN 9784272521067
判型・ページ数 4-6・232ページ
定価 1,980円(本体1,800円+税)
この本の内容
本書は韓国における「慰安婦」運動のシンボルだった姜徳景の半生を追った記録である。1994年12月から、肺がんで死去する直前の97年1月までの生活と語りを記録し、さらに独自に姜徳景の足跡をたどる現地取材をおこなった。
目次
はじめに
第1章 ナヌムの家
死の床/姜徳景との出会い/撮影開始/ナヌムの家のハルモニたち/ナヌムの家の日常生活
第2章 女子挺身隊
少女時代/「女子挺身隊」の痕跡/寄宿舎生活
第3章 「慰安所」生活
強姦/「慰安所」/再訪/解放と妊娠/出産
第4章 悔恨
帰郷/子どもの死/屈折した加害者への心情/「コバヤシ」捜し
第5章 求婚の拒絶
弟・姜炳熈/求婚を拒む秘密/自殺未遂/米軍基地での仕事
第6章 同棲
ソウル上京/隠された同棲生活/愛人の死と堕落/封印されたもう一つの「同棲生活」
第7章 告白
荒んだ農園生活/初めての告白/元「慰安婦」としての申告
第8章 金順徳
金順徳の「慰安婦」生活/〝申告〟の逡巡/自尊心
第9章 「償い金」
ナヌムの家の不協和音/「慰安婦」問題のシンボル
第10章 伝達と表現
ドキュメンタリー映画『低い声』/絵画で訴える元「慰安婦」
第11章 最期
肺がん末期の宣告/ナヌムの家再訪/最後のたたかい
あとがき
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“記憶”と生きる: 元「慰安婦」姜徳景の生涯 Tankobon Hardcover – April 20, 2015
by 土井 敏邦 (著)
4.1 out of 5 stars 5 ratings
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本書は韓国における「慰安婦」運動のシンボルだった姜徳景の半生を追った記録である。1994年12月から、肺がんで死去する直前の97年1月までの生活と語りを記録し、さらに独自に姜徳景の足跡をたどる現地取材をおこなった。巻頭には姜徳景が描いた絵をカラーで掲載。
Product description
内容(「BOOK」データベースより)
心と身体に刻まれた傷。アジア太平洋戦争下、「慰安婦」にされた一人の朝鮮人女性の半生を追い、その“顔”と“痛み”を描き出す。
著者について
1953年生まれ。中東専門雑誌の編集者を経て、現在フリー・ジャーナリスト。1993年よりビデオ・ジャーナリストとしての活動も開始。日本ビジュアル・ジャーナリスト協会(JVJA)正会員。著書に『沈黙を破る─元イスラエル軍将兵が語る“占領”』(岩波書店、2008年)ほか多数。映像作品に『飯舘村―放射能と帰村』(2013年)『“異国”に生きる―日本の中のビルマ人』(同)ほか。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
土井/敏邦
1953年佐賀県生まれ。ジャーナリスト。ドキュメンタリー映像シリーズ『届かぬ声―パレスチナ・占領と生きる人びと』(全4部)の第4部『沈黙を破る』で第9回石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞(公共奉仕部門)を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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Product Details
Publisher : 大月書店 (April 20, 2015)
Publication date : April 20, 2015
Language : Japanese
Tankobon Hardcover : 231 pages
Customer reviews
4.1 out of 5 stars
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高橋美津子
5.0 out of 5 stars 一人の従軍慰安婦の人間ドラマ
Reviewed in Japan on April 23, 2017
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この本を読む前は、従軍慰安婦問題に関して苦々しい思いしかなかった。しかしこの本を読んで、従軍慰安婦にさせられた人もいろいろな事情があったことを知り、安易に従軍慰安婦と定義して問題に対処しようとする恐ろしさを感じた。この本は一人の人間ドラマとして淡々とつづられており、筆者の一人の人間として真摯に主人公と向き合う態度に心洗われる思いがした。従軍慰安婦問題にネガティブな思いを持っている方に是非読んでもらいたい本である。
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yama
4.0 out of 5 stars 「記憶」を引き継ぐ
Reviewed in Japan on August 11, 2015
人をかたちづくる大きな要素の一つは「記憶」だ。
多くの時間は忘却され、わずかな時間だけが記憶として蓄積されていく。
太平洋戦争時「慰安婦」にされた多くの女性たちがいた。
本書は、韓国の元「慰安婦」姜徳景さんをはじめ、6人のハルモニたちの姿を収めている。
「慰安婦」を巡る議論の中で、「当事者一人ひとりの”顔”と”痛み”」が見えていないことに危機感を覚えた著者が捉えた彼女たちの半生が記録されている。
元「慰安婦」たちの戦時中の体験談を聞いたり読んだりする機会はあったが、その後彼女たちがどうやって生きてきたのか、にはあまり触れる機会がなかったことに本書を読んで改めて気が付かされた。
彼女たちが傷つけられ、奪われたのは10代20代の数ヵ月~数年の間だけではないのだ。
その後の生涯をずっと浸食され続け、傷つけられ続けたことに胸が痛む。
彼女たちは聖人ではない。
苦労してきたぶん、アクも強く、人間くさい。
けれど、つらい記憶と向き合い続けた彼女たちの痛々しくも強く、たくましい生涯に敬意を表する。
彼女たちだって強くなりたかったわけではないのだ。
強くならなければ生きてこれなかったのだ。
本書に登場する彼女たちは既に全員この世にいないことに衝撃を受けた。
日本という国は、彼女たちに直接向き合う機会を永遠に失ってしまったのだ。
それでも、私は彼女たちを忘れない。
彼女たちの「記憶」の断片を引き継いで生きていこう。
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tennalp
1.0 out of 5 stars 大正国道11号
Reviewed in Japan on August 14, 2019
秦郁彦や土井敏邦は、姜徳景証言にある「丸一日もかからずに着いた」地を松代大本営と推定している。大正国道11号は当時ほとんどが未舗装・狭隘区間であった。季節は春先であり、道路はいたるところ残雪や泥濘で通行に障害があったことは容易に想像できる。軍用車両でも、その程度の時間で移動するのは困難と思われる。
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影
5.0 out of 5 stars あまりに壮絶な人生に絶句
Reviewed in Japan on June 7, 2015
証言してくれた姜徳景さんに感謝したい。この記録を残してくれた著者に感謝したい。
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