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寺島実郎氏「イスラエルの右傾化とロシア系移民の関係」週刊エコノミスト Online
2025年7月5日

寺島実郎氏
ユダヤ教徒は世界人口の0.2%にすぎないが、思想や研究、そして世界情勢にまで大きな影響を与えてきた。マルクスもフロイトもアインシュタインもユダヤ人、もしくはユダヤ系だ。
筆者が米ニューヨークで勤務していた1980年代後半、有名なジョークを聞いた。次のようなものだ。
5人の偉人が天国で議論した。テーマは「人間の行動を本質的に規定するものとは?」。旧約聖書に登場する預言者モーゼは「理性だ」と語り、イエス・キリストは「愛だ」と反論した。次に共産主義を説いたマルクスは「経済だ」と答え、精神分析学のフロイトは「性、セックスだ」と反論し、最後に、相対性理論のアインシュタインが(有名な写真のように)舌をぺろっと出して「すべては相対的だ」と言った――との内容だ。
つまり、この5人はいずれもユダヤ人もしくはユダヤ系で、世界に影響を与える思想や研究を打ち出した偉人だ。世界人口の0.2%に過ぎないユダヤ教徒は、なぜ世界情勢に影響を与えているのか。
イスラエルが6月13日、イスラム教シーア派のイランを攻撃し、事実上の交戦状態に入った。一連の攻撃はユダヤの深層心理に根付く「マサダ・コンプレックス」の表れで、ユダヤを理解するキーワードの一つだ。
マサダとは西暦73年、ローマ軍に攻め込まれたユダヤ人約1000人が集団自決した場所だ。遺跡となったマサダの砦(とりで)は死海(イスラエル・ヨルダンにまたがる塩湖)を見下ろす大地にあり、筆者もかつて訪ねたことがあるが、多くのユダヤ人が涙を流して立ち尽くしていた。
ユダヤ人は「記憶の民」だ。安息日に…
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