2025-03-26

Amazon.co.jp: サムスンは生き残れるか  逆境の韓国経済 : 細川幸太郎: Japanese Books

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サムスンは生き残れるか  逆境の韓国経済 Tankobon Softcover – January 10, 2025
by 細川幸太郎 (Author)
3.4 3.4 out of 5 stars 3 ratings

【内容紹介】
 アジア最強企業、猛烈に働くエリート集団、ニッポン電機敗戦の元凶――。

 そんな言葉で語られてきた韓国サムスン電子が揺れている。主力事業で中国企業の猛追を受け、競争力が静かに低下する。韓国内政の余波で創業家トップが逮捕・拘束される事態に発展し、2024年12月の大統領弾劾によってさらに政治リスクが高まった。

 15年間変わらない事業構造、挑戦を避ける大企業病、国内政治によって翻弄される経営、財閥創業家への国民からの嫉妬……。さまざまな逆風によってサムスン経営は立ちすくみ、成長の道筋を見つけられていない。

 サムスンの苦境は韓国経済の映し鏡でもある。成長の壁にぶつかり、もがくサムスンと韓国の実態を、電機業界と韓国経済に精通した日経記者が赤裸々に描く。

【目次】
はじめに

第1章 3代目の10年 国内政治に翻弄
1 涙の懺悔
  「父を超え、先代よりサムスンを大きくする」 
  財閥創業家は妬みの対象
  「子どもたちには経営権を譲らない」 
2 運命の判決
  天を仰ぐ3代目総帥
  拘置所ゲートの「希望の始まり」という皮肉
  「韓国の企業は二流、行政三流、政治は四流」
3 経営復帰もリーダーシップ見えず
  変わらぬ事業構造、成長スピードは鈍化
  創業家ではない陰の最高実力者
  サムスンもまた大企業病を患う
  ゼロからイチ、「創造」が不得手なエリート集団

第2章 「10年で全事業がなくなる」 先代会長の遺産
1 中興の祖、李健熙氏の死
  宿敵アップルCEOからの弔花
  寡黙に本質を突くカリスマ経営者
2 躍進の原動力は「グローバル志向」
  「妻と子ども以外はすべて変えてみよ」、経営方針を大転換
  1年間の「海外研修」 
  モーレツ社風の確立
  わずか5年で挫折した事業
3 10年で代表製品は消える
  グループ時価総額80兆円に達したが……
  李在鎔氏、最大の成果とは
  安定成長期に入った新事業
  苦戦を強いられる3つの「未来成長事業」 
4 創業者の「人材経営」に綻び
  創業86年目、初の禁忌破り
  10万人を食べさせる1人の天才を発掘するために 
  9割超が韓国人男性、時間を要す多様化
  定時に帰宅する20代、モーレツ文化の消失
Interview 「今のサムスンに必要なのはイノベーション、30年変わらぬ課題」 サムスン電子元顧問 福田民郎氏

第3章 世界一高いビルからアカデミー賞まで
1 韓国最大財閥、源流は干物貿易
  三星商会、1938年に創業
  子5人に承継、財閥が枝分かれ
2 オスカー獲得の裏にサムスン
  4冠の「パラサイト」を支援
  世界を席巻する韓国コンテンツ、その背景にも
  一大産業となったK―POPでも一役買うサムスン
3 創業家のメセナ活動
  モネやピカソを含む美術遺産は1兆円超
  北朝鮮と16世紀の絵画を奪い合い
 
第4章 日本に学べ、韓国企業に通底
1 3代にわたる日本留学
  サムスン電子、三洋電機と出発
  日本企業との連携、今も深く
2 日韓半導体連合を揺らした安倍政権の奇策
  想定を上回る韓国の反発
  日本企業へのブーメラン、未来にも影響
  韓国の政治やメディアにはびこる「ヌンチ」 
3 鉄・車・ラーメンも、日本から技術移転
  韓国では評価されない真実の経済史
  韓国産業界の源流、浦項総合製鉄の誕生
  日韓鉄鋼マンの「遺言」 
  政治対立に揺れない産業協力を

第5章 背後に迫る中国企業、歴史は繰り返す
1 中国でサムスンのコピー工場計画
  被告席にはサムスン元常務
  技術流出、検察の立証ハードル高く
  中国企業への転職、後を絶たず
2 技術流出は半導体以外でも
  「3年間、年俸3倍」で引き抜き
  流出先は中国だけではない
  韓国も技術を奪われる側に
  M&Aも監視対象へ、高まり続ける難度
3 週末バイト、2泊3日で報酬50万円
  自宅電話に突然の着信
  「売国奴」と呼ばれても転職する理由
4 ケタ違いの30兆円投資表明
  勃興サムスン半導体都市 街まるごと造成
  平沢の次、投資30兆円計画も浮上

第6章 「上得意先」中国の変化
1 韓国の輸出先、20年ぶり米中逆転
  「安米経米」への転換
  現代自動車の中国3工場売却の衝撃
  中国市場に苦悶する韓国財閥
2 中国は自前供給網構築へ
  「中国製造2025」が一定の成果
  中国国産化、その本丸とは
  半導体供給網で中国はずし
3 脱中国に動く韓国財閥
  高まるインドへの期待
  ベトナム皮切りに日本の牙城・東南アジアを攻略
4 防衛・原発で特異な立ち位置
  武器輸出、ウクライナ侵攻で急拡大
  脱原発は「バカげた政策」、原発再拡大を進める韓国
 
第7章 韓国経済蝕む静かな危機
1 止まらぬ少子化、出生率0.72の実相
  従来型の社会通念とSNS、若者の生きづらさと不安を増幅
  小3塾代、月30万円超
  かつては人口爆発が社会問題
2 老若男女それぞれの「生きづらさ」
  高齢者貧困率はOECD最悪
  「剥奪感」に下向く若年層、そして韓国社会
3 「国家均衡発展」の幻想
  五輪開催地は寒村に逆戻り
  造船の島は外国人頼み
  黄昏の第2都市・釡山の現在地
 
おわりに
 
参考文献

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