



急に具合が悪くなる
by 宮野真生子 (Author), 磯野真穂 (Author) Format: Tankobon Hardcover
4.5 4.5 out of 5 stars (698)
もし明日、急に重い病気になったら――
見えない未来に立ち向かうすべての人に。
哲学者と人類学者の間で交わされる
「病」をめぐる言葉の全力投球。
共に人生の軌跡を刻んで生きることへの覚悟とは。
信頼と約束とそして勇気の物語。
もし、あなたが重病に罹り、残り僅かの命言われたら、どのよう
に死と向き合い、人生を歩みますか? もし、あなたが死に向き
合う人と出会ったら、あなたはその人と何を語り、どんな関係を
築きますか?
がんの転移を経験しながら生き抜く哲学者と、臨床現場の調査を
積み重ねた人類学者が、死と生、別れと出会い、そして出会いを
新たな始まりに変えることを巡り、20年の学問キャリアと互いの
人生を賭けて交わした20通の往復書簡。



Product description
About the Author
宮野真生子(みやの・まきこ)
福岡大学人文学部准教授。2000年、京都大学文学部文学科卒業。2007年、京都大学大学院文学研究科博士課程(後期)単位取得満期退学。博士(人間科学)。専門は日本哲学史。著書に『なぜ、私たちは恋をして生きるのか──「出会い」と「恋愛」の近代日本精神史』(ナカニシヤ出版)、『出逢いのあわい──九鬼周造における存在論理学と邂逅の倫理』(堀之内出版)、藤田尚志との共編著に『愛・性・家族の哲学』(全3巻、ナカニシヤ出版)などがある。
磯野真穂(いその・まほ)
国際医療福祉大学大学院准教授。1999年、早稲田大学人間科学部スポーツ科学科卒業。オレゴン州立大学応用人類学研究科修士課程修了後、2010年、早稲田大学文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。専門は文化人類学、医療人類学。 著書に『なぜふつうに食べられないのか──拒食と過食の文化人類学』(春秋社)、『医療者が語る答えなき世界──いのちの守り人の人類学』(ちくま新書)、『ダイエット幻想──やせること、愛されること』(ちくまプリマ―新書)などがある。
Product Details
Publisher : 晶文社
Publication date : September 25, 2019
===
From Japan
Amazon カスタマー
5.0 out of 5 stars 言葉の解釈
Reviewed in Japan on July 17, 2026
Format: PaperbackVerified Purchase
解釈が難しい文面もあり、言葉を噛み締め、ゆっくりと、読み進めました。
感動いたしました。
映画も観たいです。
何度も読み返してみたい一冊です。
6 people found this helpful
Helpful
Report
Translate review to English
こぺ
5.0 out of 5 stars 多くの示唆。必読。
Reviewed in Japan on July 31, 2026
Format: PaperbackVerified Purchase
著者お二人の間で交わされる言葉のやり取りは一本の太い木を二人の彫り師が相互に一手、一手掘り進めていく作業のように映りました。「私たちは、おそらく互いに出会うと同時に自分に出合い直した。」この言葉はこの本を手にし、住み進める私にも無関係な表現ではありませんでした。何かが完結する物語ではありません。それだけにずっとずっと先まで自分に問いを投げかけてくる言葉の塊です。
4 people found this helpful
Helpful
Report
Translate review to English
はるちゃん
4.0 out of 5 stars 映画を観た人は本も読んでください。
Reviewed in Japan on August 1, 2026
Format: PaperbackVerified Purchase
映画を観てから、感動して、本を読みました。
哲学者と比較学者の10回にわたる往復書簡。
映画とはまるで違う設定。楽器の響き、飽きない映像、現代の社会の問題を見事にえぐりだした、監督。それらはないのに、映画に感じた、私達がこれから何を未来に向けて大切に生きるべきか、根っこは同じでした。
3 people found this helpful
Helpful
Report
Translate review to English
リトルマーラー
5.0 out of 5 stars 思想と思想を巡る対話が持つ大きな力
Reviewed in Japan on July 22, 2026
Format: PaperbackVerified Purchase
映画を観る準備として前知識なしに軽い気持ちで読み始めた。末期癌の宮野に磯野が死という言葉を解放してほしいと書く151ページあたりから対話の濃度が変わるように思う。いくつもの大事な論点が出されるが、そこからの宮野の書簡を読んで強く思ったのは、思想と思想を巡る対話が持つ力だ。
宮野は20年間九鬼周造を研究し読み続けてきた『偶然性の問題』の結論にある言葉の意味がやっとわかったと最後の書簡の最後に書く。死の3週間前だ。脳や骨にまで癌が移転し大量のモルヒネ摂取で意識が朦朧とすることもあったという時、彼女は考え続けることができた。それも磯野の対話の投げかけがあったからだ。
そして宮野は最後に記す。「なんて世界は素晴らしいのだろうと、私はその「始まり」を前にして愛おしさを感じます。偶然と運命を通じて、他者と生きる始まりに充ちた世界を愛する。これが、いま私がたどりついた結論です」
14 people found this helpful
Helpful
Report
Translate review to English
シュウ
5.0 out of 5 stars 私の人生の指針
Reviewed in Japan on July 12, 2026
Verified Purchase
映画を観て読みたくなった。そして、私の人生の指針となる本に出逢った。人との出会いと向き合い方を考え直そうと思った。こんなにも人は深く交わり合える。
6 people found this helpful
Helpful
Report
Translate review to English
hosizora daisuki
5.0 out of 5 stars 時間をかけても、読んで良かったです。
Reviewed in Japan on August 17, 2026
Format: PaperbackVerified Purchase
あたりまえのことだと思いますが、読者によって、気づきをもらえる点がさまざまに異なると思います。なので、先入観なく、読まれることをお薦めします。
One person found this helpful
Helpful
Report
Translate review to English
フジサンハス
5.0 out of 5 stars 遺偈
Reviewed in Japan on August 18, 2026
Format: PaperbackVerified Purchase
これは、哲学者、禅僧の遺偈、遺言の魂の叫び&九鬼周造さんの『偶然』の哲学が、死の間際に理解できた。と告白。は、わたしにとっても、感無量であった。
Helpful
Report
Translate review to English
Hiroko
3.0 out of 5 stars 2人の女性の書簡やりとりの記録
Reviewed in Japan on August 7, 2026
Format: PaperbackVerified Purchase
映画と原作はかなり違う内容です。
Helpful
Report
Translate review to English
多読書評ブロガー石井
5.0 out of 5 stars 泣きました
Reviewed in Japan on August 27, 2026
Verified Purchase
映画も泣きましたが、特定のストーリーラインがあるわけでもないものながら、書簡を酌み交わす二人のこのやり取りへの覚悟に圧倒されました。生きとし生きる多くの人にオススメしたい本です。
Helpful
Report
Translate review to English
Amazon カスタマー
4.0 out of 5 stars いつか、本当になる
Reviewed in Japan on August 5, 2026
Verified Purchase
哲学の話です。
Helpful
Report
Translate review to English
Translate all reviews to English
musicalmakiko
5.0 out of 5 stars Moving
Reviewed in Japan on July 24, 2026
Verified Purchase
Quote “Man is an animal suspended in a web of significance he himself has spun” ~ Clifford Geertz, that Dr. Isono refers to in the book reflects the book in multifaceted, multidimensional, and somewhat ironic ways
Helpful
Report
おやちゃん
5.0 out of 5 stars 手元に置いておきたい本
Reviewed in Japan on August 5, 2026
Format: PaperbackVerified Purchase
映画の原作として、読み始めましたが
知的な2人の会話にハマりました
Helpful
Report
Translate review to English
まこ
4.0 out of 5 stars 共に踏み跡を刻んで生きる
Reviewed in Japan on July 12, 2026
Format: PaperbackVerified Purchase
「ああしんどい、動く私なんて手放したい、全部ゆだねたい」と
病に侵された宮野氏が語る。
ガンの痛みは強烈のようだ。
私は内臓の炎症の痛みで体が震え40度の熱にうなされたことがある。
すると医者が
「痛いかなぁ。でもね、ガンがんの痛みはこの100倍だよ」と言われたことがある。
ガンは、とてつもない病だ。
彼女は、その痛みにずっと耐えてきた。弱音を吐いて当然だ。
ところが
「磯野真穂が紡ぎだす『共に踏み跡を刻んで生きる』中で
生まれる言葉が私をこの世界に引き戻してくれました」と彼女は続ける。
悲鳴のような痛みの中からも、磯野氏を伴走者として共に生きた。
「磯野真穂さん、あなたが語る物語は、決してあなただけのものではない。
踏み跡を刻む覚悟、出会いへと開かれた愛あるものだと私は思います」との言葉を最後に筆を折った。
「偶然と運命を通じて、他者と生きる始まりに充ちた世界を愛する」言葉を、私も引き継ぎます。
Helpful
Report
Translate review to English
進藤 丈
4.0 out of 5 stars 問題なし
Reviewed in Japan on July 18, 2026
Format: PaperbackVerified Purchase
特に問題なく、商品が届きました。
Helpful
Report
Translate review to English
kanncyan
4.0 out of 5 stars 人生観の見直し
Reviewed in Japan on July 20, 2026
Format: PaperbackVerified Purchase
面白い物語の流れですね。
何時どの様に 私の人生に変化が有るか、それを素直に受け入れられるか。
必ず、一つの筋道しか無いはずなのに、あたかも何通りもの人生があると勘違いしている私がいる。
ひとつを、一つとして真っすぐにに受け入れること。
3 people found this helpful
Helpful
Report
Translate review to English
スナ
4.0 out of 5 stars 考えさせられる
Reviewed in Japan on July 12, 2026
Format: PaperbackVerified Purchase
"もし運命というものがあるのなら、それは生きる過程で降りかかるよくわからない現象を引き受け、連結器と化すことに抵抗をしながら、その中で出会う人々と誠実に向き合い、共に踏み跡を刻んで生きることを覚悟する勇気であるような気がしています"2019年発刊の本書は哲学者と人類学者の人生を賭けた20通の往復書簡。映画化原作。
個人的には濱口竜介監督による映画を鑑賞後に手にとりました。
さて、そんな本書は2018年に出会った二人、哲学者・宮野真生子と医療人類学者・磯野真穂が、末期がんを生きる哲学者と、その言葉を受け止める人類学者として、一方向の関係ではなく対等。宮野は『病を生きる当事者』として、磯野はその『言葉を受け止める友人であり研究者』として、死の迫る時間のなかで、未来、選択、信頼、約束、そして「生きること」の意味を問い続けた実際のメール。20通の往復書簡が収録されているのですが。
宮野、磯野の二人の人物が素材になっている部分はあっても、認知症、ユマニチュードといった福祉や高齢化社会もテーマとして含めた映画化作品とは受ける印象がかなり違いますが。これはこれで感動する部分がありました。
また、当事者の症状の悪化と共に"どのような声をかけるべきか、かけるべきだったのか"。私自身もガンになった親族を看取った経験があるからこそ、切実に考えさせられました。
ガンになった家族や友人を持った人へ。また映画化原作としてもオススメ。
2 people found this helpful
Helpful
Report
Translate review to English
森綾子
5.0 out of 5 stars いろんな人に読んでほしい本
Reviewed in Japan on July 30, 2026
Format: PaperbackVerified Purchase
いろいろな事考えています。今の自分、過去、未来の自分…今まで出会った人、もう会えない人、今も会える人、これからも…良いこともある未来、そうでなければならない…そう考えたい…山田五郎氏、東野圭吾氏作品で知った方々ありがとう。
One person found this helpful
Helpful
Report
Translate review to English
グリーンカレー食べたい
5.0 out of 5 stars 映画を見ようかと調べていたら原作の方に興味をもった
Reviewed in Japan on July 22, 2026
Verified Purchase
私も点でいることなく、最後までラインをひき、踏みあとを残せる人でありたい。そう思いました。
若くして乳がんで旅立った友人がおりますが、私はここまで踏み込んだ会話をできなかった。彼女にまだ彼女らしさが残っていた頃に何を考えていたか、最後にして欲しいことはなかったか、聞きたかった。でも希望を捨てていない本人にそれを尋ねることはとても残酷なように思えてできなかった。
死がそばにあってもなくても、その日その日を大切に、心を込めて人や仕事と関わりたいと思います。
Helpful
Report
Translate review to English
Amazon カスタマー
4.0 out of 5 stars 理解したいあなたへ
Reviewed in Japan on July 10, 2026
Format: PaperbackVerified Purchase
ほんとうにそうなった人しか解らないであろう悩みが綴られている。なかなか近親者でも理解できないことや質問できないことも赤裸々に述べられている。今まさに悩んでいる人に読んで欲しい作品です。
3 people found this helpful
Helpful
Report
Translate review to English
Tad0812
5.0 out of 5 stars 深く引きこもまれる
Reviewed in Japan on July 20, 2026
Verified Purchase
今年のカンヌで話題になった映画『急に具合が悪くなる』の原作を読了。
「この本が、ああいう映画になるのか!」と、濱口竜介監督の手腕に改めて驚かされました。
映画と違ってストーリーがあるわけではなく、末期がんを患った哲学者・宮野真生子さんと、人類学者・磯野真穂さんによる10通の往復書簡が収められています。
文章はかなりアカデミックで、正直理解が難しい部分もありました。それでも終盤に向かうにつれて論じられている内容はどんどん深みを増し、何度も心を揺さぶられました。
映画を観たときに感じていた疑問――例えば「出会って間もない二人が、こんなに親密になることってある?」「なんとなく『性』の気配も感じるな」――も、原作を読むことで映画の中で丁寧に回収されていたことに気づきます。
「みんな等しく『急に具合が悪くなる』可能性を抱えている。ただ、多くの人は『今ではない』と思っている。」
それにしても、がん闘病のただ中にありながら、自分の身体や心の変化をここまで言葉にできる二人には、本当に圧倒される・・・。
6 people found this helpful
Helpful
Report
Translate review to English
Translate all reviews to English
719さつき
5.0 out of 5 stars 偶然を生きる
Reviewed in Japan on July 14, 2026
Format: PaperbackVerified Purchase
『偶然を受け止める』ことは、その中でどう自分が決断していくのかが問われる
生き方を選んだということだと思います。『偶然を受け止めるなかでこそ自己と呼ぶに値する存在が可能になる』
という一文が「急に具合が悪くなる」にあります。この一文に励まされます。
2 people found this helpful
Helpful
Report
Translate review to English
日本人
5.0 out of 5 stars すごい本
Reviewed in Japan on July 12, 2026
Verified Purchase
自分には、この本をレビューする言葉は書けないな。と思いました。でも、星付けるだけで済ませたくないと思いました。
アカデミックな会話と軽妙な掛け合いの中で、偶然、死と生、出会いを深く考察していく。
ちょっと難しい文章もありますが、自分なりに理解しようとすることが、読み応えにもなっていると思います。
偶然や必然、運命の重なりが、本に集約されている。そんな風に感じました。
そして、最後に希望を感じさせてくれる気持ちのいい本だなと思いました。
8 people found this helpful
Helpful
Report
Translate review to English
亀
3.0 out of 5 stars よく分からない。
Reviewed in Japan on August 3, 2026
Verified Purchase
残念ながらギブアップ。
読み下す根気が足りなかったのかもしれない。
Helpful
Report
Translate review to English
れんげ
5.0 out of 5 stars 究極の書簡
Reviewed in Japan on June 23, 2026
Format: PaperbackVerified Purchase
やや難しい文面もありますが、非常に深い内容で心に刺さります。
6 people found this helpful
Helpful
Report
Translate review to English
music lover
5.0 out of 5 stars 偶然を必然として引き受ける覚悟
Reviewed in Japan on June 26, 2026
Verified Purchase
本書を原作とした映画がカンヌ映画祭で主演女優賞ゲットとのことで、映画鑑賞前に予習という軽い気持ちで読み始めましたが、打ちのめされました。人と人が出会い、「魂を分かち合う」現場に疑似的にではあれ、立ち会うことができました。これを読書の醍醐味と言わずして何と言いましょう。
宮野真生子先生の最期の書簡(第10便)は、私のこれからの人生を照らしてくれる灯台のような存在になりそうです。私もこんな確信を持って現世から旅立ちたいものです。磯野真穂先生、よくぞこの偶然を必然として引き受けてくださいました。いつか文化人類学的に日本人女性におけるシスターフッドの在り方について分析をお願いしたいです。お二人の出会いが結んだラインが、次の世代に引き継がれると素敵だなと思います。
14 people found this helpful
Helpful
Report
Translate review to English
徳永雄大
5.0 out of 5 stars 出会えてよかった
Reviewed in Japan on June 13, 2026
Format: PaperbackVerified Purchase
それでも生きる。
3 people found this helpful
Helpful
Report
Translate review to English
ShinT
5.0 out of 5 stars 人と人の出会いと生き方の指針となる一冊
Reviewed in Japan on May 31, 2026
Verified Purchase
この本でのお二人のやり取りが土台となった映画が話題になり、どのような書簡のやり取りがあったのか気になって読み始めましたが、お二人の人柄と互いを気遣いつつ選ばれた言葉のやり取りに深い愛情と知性を感じさせてくれた良書だと思います。
13 people found this helpful
Helpful
Report
Translate review to English
シマコ
5.0 out of 5 stars 生きる意味を再考できました
Reviewed in Japan on June 7, 2026
Verified Purchase
カンヌ映画祭で話題になり,変わったタイトルが気になり,原作があることが分かったので,本を読んでみました。そして,初めてAmazonで購入した本に星5つをつけました。
心のありようをこれほど深く厳しく思索している言葉に出会ったことがありません。「みんな等しく「急に具合が悪くなる」可能性を抱えている」ことを自分事として考えることができました。自分が何気なく行ってきたことや言っていたこと,考えていたこと,生きることについてこれほど理路整然をと説明してもらえたことに感動しました。
21 people found this helpful
Helpful
Report
Translate review to English
散歩人
5.0 out of 5 stars 敗れざる者たち
Reviewed in Japan on May 31, 2026
Format: PaperbackVerified Purchase
死の淵に立つ哲学者と、彼女から伴走者として指名された文化人類学者のふたりの交換書簡。全10便の、読む者の心を揺さぶる、魂の声のやりとり。学者同士らしく、ロジカルで少し理屈っぽい。しかし、それを超えて、二人の間に流れる強い信頼と友愛にうたれる。
22 people found this helpful
Helpful
Report
Translate review to English
むらさきしきぶ
5.0 out of 5 stars 急に胸が熱くなる
Reviewed in Japan on May 28, 2026
Verified Purchase
あす手術を受けるという状況で、病室のベッドで読み終えました。たまたま病の疑いが起こり、たまたまカンヌ映画祭で本書を原作とした映画の女優たちの受賞があり、読むと内容が偶然性に関わるものでした。タイトルではないけれど、急に胸が熱くなりました。人生には偶然という名の出会いがあるのですね。あす頑張ります。
46 people found this helpful
Helpful
Report
Translate review to English
Translate all reviews to English
DWD way
5.0 out of 5 stars これぞこの2人しか成し得なかった対話
Reviewed in Japan on January 30, 2026
Format: PaperbackVerified Purchase
42歳と若くして乳がんで死去された宮野真生子氏と磯野真穂氏の往復書簡全10編が綴られている、、、というごくありふれた内容の本と思いきや、死の間際まで人間としての存在や自らの想い、相手に対して感じた事が深い言葉で綴られています。
正直、最初はなんてクドイ言い回しなのだろうと読みすすめるのが苦痛になりましたが、2人の対話内容が文字にするとなんて重たいのだろうとの印象にかわってゆきます。心に余裕が出来たらまた読み直してみたいです。
23 people found this helpful
Helpful
Report
Translate review to English
desku111
5.0 out of 5 stars 偶然を楽しみながら存分に生きたい
Reviewed in Japan on August 14, 2026
Format: Paperback
この本に関しては感想を語ることが陳腐になってしまう。でも、僕にとっては「生きること」を考えさせられた、大切な本だということはここに記しておきたい。陳腐だけど、それが全て。映画を観た後にこれを読んだけど、この本をあのように映画化するのもすげーなと思った。同時に、この本で書かれている二人の往復書簡も素晴らしいと思った。僕は、偶然を楽しみながら、まだ元気なのだからその分存分に生きようと思った。いや、元気じゃなくなっても最後まで存分に生きよう。人と誠実に向き合うことが、最後にご褒美をくれるのだと信じて。
Helpful
Report
Translate review to English
穴蔵
5.0 out of 5 stars 病と死にまつわる強力な言語化の塊と研究者としての矜持
Reviewed in Japan on July 12, 2026
Format: Paperback
読み進めながら、倫理学・哲学・文化人類学・論理学・社会学、あらゆる学問領域をはらみながら、往復書簡という形で生・死・病・偶然・運命などのキーワードを用いつつも心の持ちようを言語化されている。
しかし、上記のチープな表現では終わらせていいものでは決してない。二人の著者が行ったやり取りは、研究者としての存在意義どころか、一人の人間としての存在意義をかけていると感じるほど、命と精神を削って編まれたものである。
磯野氏の聞き手・発問者・ファシリテーターの役割を担いつつ、後半にかけて「伴走者」と言っても差支えがない声かけ、そして宮野氏の病状が深刻に進行していき、鋭い痛みや(本文中に著されていないが、ある種の)「思い通りのいかなさ」中にもかかわらず、自身が置かれている状況や思考の高品質な言語化がなされている。
本書読了直後は、研究者として、人としての生きざまに、唸ることしかできなかった。死は誰でも起こりうるもの、未来必ず迎えるもの、頭ではわかっている。しかし、深刻に病状が進行していく中、痛みなど症状として自分の身体にふりかかり、自分の身体が病に侵されていると現在進行形で身をもってわからされている中で、「明確に『死』へと直結」(157頁)ことが常に意識されていく中で、ここまで冷静な視点をもって言語化できるのだろうか。
本来であれば、少しでも楽になりたいと思う。宮野氏自身が言っているように、ガン患者として扱われることも頭によぎっているが、結局最後まで書ききった。
本書は、生命倫理だけでなくあらゆる学術知見を用いられているが、それ以上に研究者としての矜持を、これまでに感じたことがないほど強く感じた。
One person found this helpful
Helpful
Report
Translate review to English
born to run
5.0 out of 5 stars 映画と本書に通底するもの。それは、ものごとのあわいに生まれる「言葉の重み」と「時間の厚み」だ。
Reviewed in Japan on June 23, 2026
Format: Paperback
カンヌ映画祭で最優秀女優賞を獲得した映画を鑑賞し、本書も併せて読んでみた。本書は映画の原作とは言えないけれど、通底している「何か」がある。それはものごと(例えば二人の女性)が出会った際に互いの要素が混じり合い、境界線が曖昧になり、そのあわいに生じる素晴らしいもの(重い言葉や深い時間)ではないか、と感じた。
本書は往復書簡であるので、筆者の二人の思考の揺らぎや深まりが生々しく、「言葉」が、今・この場所で生まれているような臨場感を感じることができる。半面、全体を通読した時に明確な筋道や論理が感じられず、話題が拡散し、重複するのはやむを得ないだろう。
宮野氏の専門の一つが「九鬼周造の偶然性の問題」であるので、必然性と偶然性についての論考が本書の主な論点になっている。現代社会を生きる私たちは、知性をもって世界を合理的に理解し、物事や出来事の成り立ちを「必然性」で考えている。しかし、どうしても原因と結果等の合理性では説明できない「偶然性」が残る。筆者の宮野氏が若くして癌に罹患したことも、合理的説明の範疇の外にある「偶然性」をはらんでいる。
私たちは(不運である)偶然性とどのように向かえばよいのか?御二人の、真剣勝負の書簡からそのヒントを得ることができる。要約すれば、他者とのかかわりの中で、お互いに変容し続け、何かを見出し続ける、流動的な自己であり続けることが、答えのようにも読める。
本書では、他者との関わりながら自己変容する様を「ラインを描く」と表現している。宮野氏にとっては磯野氏が、磯野氏にとっては宮野氏が、お互いにかけがえのない他者(触媒)となっていることが分かる。本書は、哲学者としての宮野氏の生き様が記録されている。哲学者ではない私たちには、それぞれ個別の生き様があり、それを探していかねばならないのだろう。
往復書簡である本書を、濱口竜介監督は3時間を超える映画に見事に落とし込んでいる。分かりやすい感動はあえて抑制し、私たちの日常で流れる時間と同じ時間で構成された映画である。劇場での鑑賞をお勧めします。
2 people found this helpful
Helpful
Report
Translate review to English
西鶴
5.0 out of 5 stars 人は死んだらどうなるんですか?
Reviewed in Japan on July 12, 2026
Format: Paperback
私(レビューを書いてる私)自身が難病になり、まさに「いつ具合が悪くなってもおかしくない」状態になり、本屋で偶然この本と出逢った。
スピリチュアルの本でもないのに、人の生と死や魂についての問いを突きつけられ、死を体験したような気持ちでいる。
One person found this helpful
Helpful
Report
Translate review to English
SEIKE Tadashi
4.0 out of 5 stars 良書なのは疑いないが…
Reviewed in Japan on June 12, 2025
Format: PaperbackVerified Purchase
真剣なやり取りから2人の考え方が伝わってくるのはいい。いろいろ考えさせられる。ただ手放しの絶賛は避けたい。
31 people found this helpful
Helpful
Report
Translate review to English
じゅんじゅん
5.0 out of 5 stars この6年間では、僕が一番に好きでたまらない本です。
Reviewed in Japan on October 12, 2025
Format: PaperbackVerified Purchase
もう10回以上 読み返しました。
8冊目を買ってしまいました。
磯野真穂教授の本のなかで、
この6年間では、僕が一番に好きでたまらない本です。
何度の読んで感じたのは
僕にとっては人類学入門書として最高の一冊なのかなと思った。
31 people found this helpful
Helpful
Report
Translate review to English
海野明
5.0 out of 5 stars 出会いや偶然は始まりに過ぎない
Reviewed in Japan on July 9, 2026
Format: Paperback
単なる感想ではあるが、私がこの本から学んだことを書いてみたい。まず、磯野著『他者と生きる』(集英社新書)を今から一月ほど前に読んでいて強く感動し、このブックレビュー欄にも投稿したので、その続きとして、この本を読み始めた。さて私は、私事になるが、十代の終り頃からちょっとした持病(死に至る病ではないが、いわゆる慢性病であり・難病の部類に入るかも)に悩まされてきた。またそのことと共に、現在、癌と闘っている知人もいる。そんな状況なので、この本に語られた「書簡の相手・宮野氏がいかに癌と闘ったか」、また「それに対して磯野氏がどのように受け止めたか」に関して、大いなる示唆を受けた。振り返れば、私も先述の知人も、深刻な事柄に出合うと、自然に「運」という言葉を使っている。癌になるのが運かどうかは分からないが、どのような医師に出合うかは運ではないか(私も数年前、癌になり、手術して、今のところは再発していないようだ)。ところが、磯野氏も宮野氏も、癌になったり、或いは広く人や物との出会いを、運という言葉で済ませない。出会いは単なる始まりに過ぎない。そこからどう生きるかで、私たち独自の生の軌跡が描かれていくのだと言う(磯野氏は、生の軌跡に対して、「ライン」という言葉を使っている)。つまり、運は点で、その後の生き方がラインであり、どのようなラインを描くか、どのような深みをラインに刻むかが重要なのだと。さらに、本の結論部では、人との出会いの重要性を強調している。人との偶然の出会いによって、私たちは立ち上がり、変わり、動き、何かが始まる。そこには開かれた自分がいる。つまり、出会いを自分のものとして引き受け、お互いに、生のラインを引こうと世界へ踏み出す。そして踏み跡を刻んでいく。人々がそれぞれラインを引くことで、網の目のように世界が続いていく。そして、ラインを引いていくうちには、ふと、遠い遠い時間に出会った人との出会い直しがあるかもしれない(それは、その人との「魂の分かち合い」ではないかと磯野も宮野も考える)。私の結論。いろいろなことを運の悪さのせいにして、始まりの場所(=点)にとどまり、不平不満を言い続けるような人間にはなりたくない。誰か・何かと出会い、それを引き受け、そうして、開かれた自分をどう展開していくか、そちらが大事だとい言うことを教わった。最後に印象的な一言を引用したい。「私たちが生きる人生には偶然が充ちています。というか、そもそも偶然しかありません。」(227頁)
One person found this helpful
Helpful
Report
Translate review to English
TRAVELER
2.0 out of 5 stars 難解
Reviewed in Japan on August 8, 2026
Format: Paperback
学者お二人のやりとりだからか、難解な文章が多く、
内容がうまく頭に入ってこず、読み進めるのが苦痛だった。
引用される文章も難解で、
それをまたくどい文章で解説されるので「???」となること数回。
もっと、シンプルな言葉であったら、理解できたかもしれない。
すでに低評価レビューされていた方が、
「みなさん頭がいいんですね。」というようなことを
書かれていたが、激しく同意。
この本をベースにどのように映画化されたのか、興味が湧いてきた。
Helpful
Report
Translate review to English
大活躍
5.0 out of 5 stars かなり良い読書体験
Reviewed in Japan on July 18, 2025
Format: PaperbackVerified Purchase
こんなにも生々しく生命というか、人の声を感じる言葉のやりとりがあるのかと思いました。
13 people found this helpful
Helpful
Report
Translate review to English
Translate all reviews to English
tstar
1.0 out of 5 stars 言葉の贅肉で肥大化した一冊
Reviewed in Japan on June 24, 2026
Format: PaperbackVerified Purchase
大したことの無い内容をひたすらこねくり回した表現で書き連ねているのでもはや失笑してしまうレベル。コント「哲学者と文化人類学者の書簡のやりとり」って感じ。それこそジャルジャルの劇団員のコントを思い出した。
6 people found this helpful
Helpful
Report
Translate review to English
タイタン
1.0 out of 5 stars 青臭い議論は、不快!
Reviewed in Japan on June 25, 2026
Format: PaperbackVerified Purchase
期待外れでした。,「死」という深刻な問題に関し、著者は、青臭い議論に終始し、世間の常識を批判することに明け暮れて、読んでいて不快でした。著者は、その事を良く反省して、もっと心に沁みる内容の本📕を書き直して下さいね‼️。
2 people found this helpful
Helpful
Report
Translate review to English
vdlsl
5.0 out of 5 stars 不確実性下の選択は人生
Reviewed in Japan on September 18, 2024
Verified Purchase
往復書簡という古いやり方が新鮮に感じる。異分野の研究者同士で互いにリスペクトを払いながらこんな深く気持ちの良い対話ができるんだ、と感動した。
…がいやいやそんなことより、哲学・人類学という昨今世知辛い人文学を学び究めることの真価がわかる。
いろいろ寄り道しながらも、「偶然」に翻弄されるもとでの意思決定、ひいては自分の存在を見いだすこと、が大きなテーマとなっている。
最初のうちはハイデガーなどを念頭に置きつつ、V = max U + βEVを念頭に置いて情報集合や選択集合や確率空間や限定合理性の話かな…人とのコミュニケーションではコミットメントが大事ということか…と経済学の枠組みに問題を翻訳しながら読める。
終点Tが近づいてくると、他者と共に世界を生きていくことというもう一つの大きなテーマが見えてくる。それは合理的選択というより「打算ではたどり着けない場所」であった。
19 people found this helpful
Helpful
Report
Translate review to English
くまのプー
2.0 out of 5 stars 予測不能な未来と向き合う過程
Reviewed in Japan on June 9, 2026
Format: Paperback
話題になっていたので手に取りました。正直にいうと私には響きませんでした。この書籍は、病気によって身体や人生の見通しが揺らぎ、予測不能な未来と向き合う過程が丁寧に描かれています。一方で私が感じたのは、その不確実さは病気に限らず誰の人生も常に必ず内包されており、精一杯の努力でコントロールできることと、どうにも出来ないことは隣り合わせです。
だからこそ、人は不安や迷いを抱えながらも、その都度折り合いをつけたり、幸運を願いながら生きているのだと思います。本書では、そうした人生そのものの不思議さや尊さを往復書簡で表現していますが、多くの人にとっては中年期までには身をもって理解している内容だと思いました。
14 people found this helpful
Helpful
Report
Translate review to English
鹿野苑
4.0 out of 5 stars 死を目の前にした対話をのぞき見る
Reviewed in Japan on May 18, 2021
Verified Purchase
一気に読んでしまった。
落ち着かない。
乳がんで「急に具合が悪くなるかもしれない」と主治医に言われた哲学者宮野氏とたまたま意気投合した人類学者磯野氏。宮野氏の最後の時を見据えながらの往復書簡という。
同世代の女性二人。
「死はたしかにやってくる。しかし今ではないのだ」と思っていたら、死の手触りを感じる様になる。
書簡のやりとりは時間の進行。
「患者」となった人にどう接するのが良いのか。傾聴は専門家がやったらいい。ここでは、「患者」と「そうでない人」という構図ではなくて、もっと別な関係性を提示されている気がした。「患者」の気持ちを害するかもしれないことに関係性で踏み込む。この関係性は”深さ”がないと難しいなと思う。ほんのちょっと知っているくらいの人には出来ないな。
本来人間というのはひとり対ひとりであって、属性やカテゴリでひとくくりに出来るものでもないなと思う。「がん患者」と「がんじゃない人」、「先生」と「生徒」、「親」と「子」。本当は「個」と「個」。それぞれの”深さ”があるはず。そして「がん患者」であるけれども、「患者」としての生きる可能線の選択肢ではなく、「患者」ではない部分の自分で選択していく宮野氏。
わたしは「患者」がいる家族の方に対して、失敗したなあと思うことがあった。自分で思っているだけでそうでないかもしれないけど。慰める必要なんてなかったんだ。心がざわざわした。
迷惑を掛けないで死にたいという思い。わたしもそうだ。読んで思ったが、どうにもならない爪痕というか、中途半端なものを遺していくことだって悪くないのかもしれない。わたしの中に新しい気持ちが芽生えた。
”他者と出会って動かされることのなかにこそ自分という存在が立ち上がること、この出会いを引き受けるところにこそ、自分たちがいる。”
この書簡がまさにそう。
本当の最後の最後、なぜかちょっと消化不良になった。実は感情移入が激しいタイプの自分は、自分の死のイメージが湧いてきてものすごく落ち着かなかったのだが、このお二人が互いに感じられていることにちょっと共感できないというか、多分自分ならこうだというものがあって、それとちょっとずれていたのかもしれない。本当に最期の最期って、人それぞれなのだなと感じた。これはこのお二人の物語だ。それでいいのだ。自分は本を通してのぞいているだけ。
死を目の前にした哲学者の「書く」ことへの執念。それを受けとめる人。ただ受けとめるのではなく、もっと!と投げ返す。なにが正解とかあれがよくないとかそういう問題ではない。とにかく自分の死のイメージに落ち着かない。ざわざわする。感動とか崇高とかそういうのではない。二人を通して自分のことを考えているだけだ。
62 people found this helpful
Helpful
Report
Translate review to English
yuihimehime
2.0 out of 5 stars 状態か、いまいち
Reviewed in Japan on July 8, 2024
Format: PaperbackVerified Purchase
いまいちの、状態でした。
One person found this helpful
Helpful
Report
Translate review to English
yomogi
5.0 out of 5 stars 何度も読みたい
Reviewed in Japan on December 7, 2022
Verified Purchase
命の終わりを目の前に見据える中での哲学者と文化人類学者の本気の往復書簡。まさに命懸けの考察と記述。
この重みを一回読んだだけではとても消化できないので、また読みたいと思う。
20 people found this helpful
Helpful
Report
Translate review to English
Amazon カスタマー
4.0 out of 5 stars 自分(の生き方、将来)を考える機会になりました
Reviewed in Japan on May 8, 2020
Format: PaperbackVerified Purchase
正直に言うと、読み始めてずっと私には難しすぎると感じていました。でも最後まで読むことができたのは著者のお二人の状況が特殊であったからかもしれません。学者という立場でお互いをまっすぐに見つめ、ぶつけたり映したりしておられる様子が心に響きました。私はクリスチャンなので彼女たちとは違うものの捉え方をしているとも感じました。改めて与えられている知識や信じていることが自分にとって善いものだと確認できました。★四つなのは「ちょっと難しかった」という個人的な感想です。内容についてではありません。
15 people found this helpful
Helpful
Report
Translate review to English
Amazon Customer
5.0 out of 5 stars 死に向かう教授たちの交換書簡
Reviewed in Japan on August 10, 2022
Verified Purchase
がんを宣告された教授が、どんどん具合が悪くなる中で死と生について意見を交わす交換日記みたいなものです。今までは死が偶発的なものと思っていたものが、確実な宿命へと変わったときに、二人の死生観が変化していきます。
とてもおススメ
12 people found this helpful
Helpful
Report
Translate review to English
えのきだけ
5.0 out of 5 stars 哲学者・宮野の深化する思索。
Reviewed in Japan on March 13, 2021
Format: PaperbackVerified Purchase
前半は、それなりに互いに学者然としたところはあり、特に磯野さんが論点を探りながらのリード役的な面も見せる。
しかし、宮野さんの具合が本当に悪くなるにつれて――そして、互いのプライベートでの距離も近くなるのもあってか――、磯野さんのアカデミックな姿勢も大きくぶれ始め、しまいには、磯野さんの”いたかもしれない”妹の”魂の分け合い”が宮野さんだ、などといった話まで飛び出す。
他方、宮野さんのほうも後半に向かうにつれて、率直に死の恐怖を語ったりもするようになるが、逆にその思考と筆致は研ぎ澄まされてゆく。まさに鬼気迫る勢い。そして、磯野さんの「魂の分け合い」といった着想でさえも、見事なまでに九鬼周造の思想との邂逅へと導き、彼女自身の思索はさらなる高みへと向かう。
書簡形式のやりとりを提案したのも、出会ってさほど経たぬ磯野さんに相手として白羽の矢を立てたのも、宮野さん自身とのことだが、自らの思索そのものに<偶然性>を招き入れるトポスをこのように作り上げたのもまた、九鬼の思想を血肉としていた宮野さんならではのことなのかもしれない。
宮野さん自身の言葉通り、「思索する人間の業」を生き抜いた、その思索の生々しい軌跡であり、奇跡。
そして、おそらくは宮野さんに限らず、思索の軌跡の途中には常に他者を必要とするのであり――それは宮野さん自身がたどり着いた結論の一つでもある――、伴走者の磯野さんにも拍手。
38 people found this helpful
Helpful
Report
Translate review to English
Translate all reviews to English
yukky
5.0 out of 5 stars 不運と不幸の違い
Reviewed in Japan on March 6, 2020
Format: PaperbackVerified Purchase
大変考えさせられる本でした。
言語による魂の交流に惹きつけられました。
自分に思ってもない事態が起きて、それを受け容れるということは、不幸なのか、それとも不運なのか?
と考えざるを得ない状況は、病気以外にも、誰しもが巡り合うでしょう。
不運ではあるけれど、不幸ではない。
自分もそう思えるようにありたいです。
冒頭から、イベントをキャンセルするかもしれないけれど、それって普通のことでは?と捉える磯野さんの考え方もとてもステキで。磯野さんはいろいろと聞きづらいことも深堀りしていくわけですが、信頼感が湧いて安心して読み続けられました。
最後は涙涙でした。私も本の校了の時期だったので、おかげさまで、編集者さんと、著者校正について思いを交わし合うことができました。いい本に巡り合えました。本の実現化、ありがとうございました。
24 people found this helpful
Helpful
Report
Translate review to English
にお
5.0 out of 5 stars 生き方は運動
Reviewed in Japan on February 29, 2020
Format: PaperbackVerified Purchase
健康年齢という考え方はよく言われますが、体調を崩しゆく時に周りから向けられる視線や
自分の求められる在り方が変わってしまうとしたらその瞬間に健康年齢は終了となってしまうのか?
当事者意識の塊のお二人に巻き込まれていくような体験ができるこの本は
現在数多く出版されている「目標を実現するための生き方」の本たちの傍にあることで
より激しく光を放つように感じます。
根源的社会性という言葉は、変わりゆく今の時代にこそ必要な言葉かも知れません。
18 people found this helpful
Helpful
Report
Translate review to English
カルボンさん
5.0 out of 5 stars 強い魂と強い魂の全力のぶつかり合い
Reviewed in Japan on January 10, 2020
Format: PaperbackVerified Purchase
ガン闘病中の哲学者宮野さんが共同研究者の人類学者である磯野さんに話をもちかけ、2019年4月27日から、この往復書簡が始まります。
本の中にも書いてますが、往復書簡という形はとても不思議です。普通のノンフィクションだと、今という時点から過去を振り返る形で話をまとめていく。だから、すべての時点の事がわかって書いている。ところが、往復書簡だと書いている時点から先がどのようになるのか著者にもわかっていない。だから、「急変」が本当にリアルタイムで劇的に、そして予想されない形で表現されます。
前半の5便(はい、5章ではなく便)までは、比較的淡々と議論が進み、理系の私には理解しがたい哲学論議が進みます。(え、偶然性と個人?そんなのカタストロフィ理論やらカオス理論で扱えば数式でわかるじゃん、とか。)7便当たりから、宮野さんの症状が急激に悪くなり、表現が急変する。磯野さん「宮野にしか紡げない言葉を記し、それが世界にどう届いたかを見届けるまで、絶対に死ぬんじゃねーぞ」。宮野さん「うんわかったと約束したいと思ってます。この痛みは、この語ろうとする衝動は、私だけのものだから、この書簡のエースは間違いなく私です。他の人には投げられるはずもないのですから。」読者としては、涙ボロボロです。不運や不幸が悲しいのではなくて、その友情というか、魂の絡み合いというかが、感動的なのです。
2019年7月22日宮野さんは息を引き取り、往復書簡は終わります。たった3か月の間ですが、とても濃密な時間を感じました。
哲学的な議論は再度読み直してみたいなと思います。哲学の話が理解できていないですが、それでも読んでよかったと思える本です。
44 people found this helpful
Helpful
Report
Translate review to English
statica
5.0 out of 5 stars 生きることとは
Reviewed in Japan on November 13, 2021
Format: PaperbackVerified Purchase
単純な生と死のお話というだけでない、人生観を揺さぶる本であった。
One person found this helpful
Helpful
Report
Translate review to English
ねね
5.0 out of 5 stars 自分がどう生きてるか、どう生きたいかのヒントのある本
Reviewed in Japan on March 22, 2021
Format: PaperbackVerified Purchase
私には言葉と感覚が結びつきにくいところもありましたが、何気に過ごしている日常もこう言うふうに考えてみると、自分が本当は何を求めているのかわかる気がしました。
このタイミングでこの本に出会えたことに感謝です。sns等でもこの本オススメしました。
2 people found this helpful
Helpful
Report
Translate review to English
サム
5.0 out of 5 stars 命の軌跡
Reviewed in Japan on December 30, 2019
Format: PaperbackVerified Purchase
自らの病状をテーマとして、病期の進行と同時に展開される議論と、その軌跡を描いた本です。
私は医療者で日々目の前の患者と病と向き合っておりますが、患者は病と自分自身と向き合っています。
抽象的な概念を言語化することに長けた哲学者が自らを分析し、同じく人を対象に学問を深めてきた人類学者がそれを受け止めることで、これまで全ての死を前にした患者が伝えたくても伝えられなかった思いが表現されているように読み取れました。素晴らしい軌跡です。
60 people found this helpful
Helpful
Report
Translate review to English
あっこさん
5.0 out of 5 stars 図書館で借りてたけどやはり自分で買います!
Reviewed in Japan on January 2, 2026
Format: Paperback
病気だけではなく、様々な困難を抱えた人と対峙する時、どんな対応が良いのか手探り状態でした。しかしこの本と出会い、これまでと全く違う視点を与えられた!!と思えました。
教科書通りではなく、マニュアルの無い人と人との関わり方を往復書簡という形であらわしてあり、大変読みやすく、胸にしみました。イラストも効いています!
映画化されるとのこと、とても楽しみです!
11 people found this helpful
Helpful
Report
Translate review to English
ku:nel
5.0 out of 5 stars 人生を考える本
Reviewed in Japan on September 18, 2020
Verified Purchase
軽妙なやりとりの中で、深く考えされられた。読み応えがあった。
2 people found this helpful
Helpful
Report
Translate review to English
パレート
3.0 out of 5 stars 語ることから逃げないでほしい
Reviewed in Japan on August 17, 2020
Format: Paperback
片方の具合がいよいよ悪くなったとき、磯野氏が「死について語ろう」と切り出したのはすばらしいと思った。
しかし、「死ぬんじゃねーぞ」「勝ちに行こうぜ」など、妙に好戦的なtwitterのような語りが多用されているのが気になった。話をどう落としていいのかわからなくなったとき、乱暴な言葉に逃げているように見えた。
あとは「約束を生きる」とか「エースを引き受ける」とか、どうしてそうポエティックな比喩に逃げてしまうのか。せっかく実体験について学術用語で切り込んでも、すぐ聞こえのいい日常用語の世界に戻ってしまう。
磯野氏の摂食障害に関する単著を読んだときにも感じたことだが、ある程度まで学術的に論じた後、ふんわりとした表現でなんとなくまとめてしまうところがもったいない。
好戦的なのは他者に対してもそうで、「患者役割を引き受けた人」や「健康だけどなにも考えてない人」が批判の対象となる。しかし、最後まで私が私の役割を決定するのだ、既存の枠組みには回収されないのだ、自然に流されないのだ、というその態度こそ、宮野氏が批判する近代的な「コントロールの欲求」の表れではないか。
好き勝手書いたが、そう書けない本であることは間違いないので、その点は尊敬する。
149 people found this helpful
Helpful
Report
Translate review to English
山中礼二
5.0 out of 5 stars 終末期の哲学者と人類学者~魂の交感が生んだ偉大な一冊
Reviewed in Japan on December 29, 2023
Format: Paperback
私の人生観に大きな影響を与えた本となりました。
本の前半は、「知」の応酬でした。宮野氏は、哲学者九鬼周造(1888 - 1941)の研究者です。九鬼の言う「偶然性」の哲学をベースに、ガンに罹患するという「偶然」とその中での生き方の選択について、思索を深めていきます。それに対して磯野氏は、医療人類学のフレームワークを利用して、宮野氏を取り巻く環境を説明します。
やがて磯野氏は、二人の会話に決定的に重要な概念を導入します。文化人類学者のティム・インゴルドが「ラインズ」の中で導入した、「ライン」(軌跡)という概念です。人は様々な出会いと偶然性の中で、美しい軌跡(ライン)を描きながら生きます。
ラインを描き、「踏み跡」を残しながら終末期を生きようとする宮野氏。
しかしその宮野氏の病状は悪化します。そして出会って1年ほどの学者同士だった二人の会話は、「知の応酬」から変化します。自身の魂から言葉を紡ぎ出し、その言葉で相手の魂を乱打するような、魂の交感、いや魂の乱打戦に。
磯野氏は激を飛ばしました。「宮野にしか紡げない言葉を記し、それが世界にどう届いたかを見届けるまで、絶対に死ぬんじゃねーぞ」(2019年6月2日)
しかし病状が悪化し、意識が朦朧とした状態に陥る宮野氏を見て、磯野氏は「まだ書ける?」とメッセージを送りました。それに対する宮野氏の回答は…。
「なめんなよ、磯野真穂」
死に直面した哲学者の本領発揮。宮野氏は、磯野氏との出会いを引き受けた自身のラスト1年を総括し、思考を深めます。そして最後にたどり着いた人生観、世界観とは…。
二人の哲学、生きざま、そして急速に深まる友情に、心揺さぶられる書簡集でした。まだ残された生を生きる、全ての人にお勧めしたい一冊です。
9 people found this helpful
Helpful
Report
Translate review to English
Show 10 more reviews
Need customer service?
‹ See all details for 急に具合が悪くなる
===
No comments:
Post a Comment